2005年の七言聯句です。(下平声一先の韻)
掲載日      作  品      書き下し or 意味   作 者       
01/16  堂前渦巻最上  堂前 渦巻く最上川
(川前観音堂まえに最上川が渦を巻いて流れている)
 リンズ大娘  山形県 50代・女
 
01/17  金鈴貫寂制山  金鈴寂を貫き山邊を制す。
「鷹は黄金の鈴を振る」と言われます。

 なるほどと思われる声です。
 坂本 定洋  和歌山県 40代・男
 
01/17  雪間春草未生  雪間の春草 未生の縁  海山人  東京都 40代・男
 
01/28  土中蟾蜍半醒  土中の蟾蜍(センジョ=ひきがえる)半醒の眠り  鉄蝶  横浜市 30代・男
 
02/09  立春雖過雪景  立春過ぎしと雖も雪景連なる  リンズ大娘  山形県 50代・女 
 
02/18  鶯谷寂寞月影  鶯谷寂寞として月影円し  鉄蝶  横浜市 30代・男 
 
02/19  湛水青藍一覚  湛水 青藍として 一覚たり  海山人  東京都 40代・男
 
02/22  舟中孤客惜流  舟中の孤客 流年を惜しむ  桐山人  愛知県 50代・男
 
06/10  少時忘憂叩両  少時忘憂両舷を叩き
(若いときは憂いを忘れて騒ぎ暮らし)
 鉄蝶  横浜市 30代・男 
 
06/20  一時休憂酔管  一時憂うを休めて管弦に酔わん  坂本 定洋  和歌山県 40代・男
 
06/29  踏歌一曲送青  踏歌一曲 青天に送る  海山人  東京都 40代・男
 
09/03  淑気九重昇慶  淑気の九重 慶煙昇る  鉄蝶  横浜市 30代・男 
 
11/19  依然勝景碧雲  依然たる勝景 碧雲の天  桂秀  日野市 70代・男 
 
11/21  金風来天芳菊  金風天より来て 芳菊鮮かなり  一人土也  埼玉県川口市 10代・男 
 
11/24  体露堂堂画一  体露堂堂 一円を画す  海山人  東京都 40代・男 
 
12/ 5  山中閑坐聴清  山中閑坐清泉を聴く  玄典座  京都府 20代・男 
 
12/23  声色両忘古木  声色 両つながら忘じて 古木然  海山人  東京都 40代・男 
 
12/25  満天万雲埼玉  満天万雲の埼玉県  一人土也  埼玉県川口市 10代・男 
 
05/01/21  唯懐郷母涙漣  唯だ郷の母を懐いて涙漣漣  鉄蝶  横浜市 30代・男 
 
05/01/25  樵径登尽瞰人  樵径登り尽きて 人煙を瞰る  枳亭  愛知県 70代・男 
 
05/01/27  疑是西王桃花  疑ふらくは是れ 西王[母]が 桃花仙  海山人  東京都 40代・男 
 
05/04/27  緑陰深処聴流  緑陰深き処 流泉を聴く。  深渓  東京都調布市 70代・男 
 
05/04/28  山行高尾氣如  山行 高尾 氣仙の如し。  深渓  東京都調布市 70代・男 
 
05/07/08  山客未知人不  山客いまだ知らず人伝えず。
(地元の人しか知らない秘密の小径と言うところです。)
 坂本 定洋  和歌山県 40代・男
 
05/07/10  定座一刀一断  定座 一刀一断たり
(深渓さんの二句を起承句として蘇軾の転句「夜来八万四千偈」を踏まえます)
 海山人  東京都 40代・男 
 
05/07/14  閑雲清浄染山  閑雲 清浄 山巓を染む  須田 凌空  新潟県 10代・男 
 
05/07/27  天空七月堰提  天の空七月 堰堤の淵
(京都渡月橋より、雨の中嵐山を望む)
 嗣朗  兵庫県 60代・男
 
05/07/31  暑威三伏仰天  暑威 三伏 天辺を仰げば  嗣朗  兵庫県 60代・男
 
05/08/04  夏雲漠漠鬱蒸  夏雲 漠漠として 鬱蒸旋る  桐山人  愛知県 50代・男
 
05/08/05  杳杳鵲架海冥  杳杳と鵲が架ける 海冥の先
(天の河に橋をかけるという鵲が導いたか太陽系新星発見)
 海山人  東京都 40代・男 
 
05/08/08  吹落立秋路上  吹き落す 立秋 路上の蝉  海山人  東京都 40代・男 
 
05/08/23  湖上夜空感慨  湖上の夜空 感慨を牽く  嗣朗  兵庫県 60代・男
 
05/09/02  慷慨志休幾月  慷慨の志 休して 幾月 円かなる
「慷慨志」は『唐詩選』巻頭の魏徴「述懐」の
『中原初逐鹿 投筆事戎軒 縦横計不就 慷慨志猶存』より。
 海山人  東京都 40代・男 
 
05/09/17  欲詠高尾素秋  詠ぜんと欲す 高尾 素秋の天
(〇高尾=高尾山・東都西郊の霊山。素秋=素節、秋。)
 深渓  東京都調布市 70代・男 
 
05/09/17  満目蓮峰恰如  満目 蓮峰 恰も仙の如し
(〇蓮峰=富士山。高尾山の頂きから見る富士。)
 深渓  東京都調布市 70代・男 
 
05/09/20  風吹颯颯坐窓  風は颯々と吹く 窓前に坐す  嗣朗  兵庫県 60代・男
 
05/09/22  高秋雨霽蓮如  高秋 雨霽れ 蓮如の禅
 海山人  東京都 40代・男 
 
05/09/28  仲秋蛩雨聴庭  仲秋 蛩雨 庭前に聴く  深渓  東京都調布市 70代・男 
 
05/10/07  倶穫蜀覇徳塵  倶に蜀が覇を穫りて 塵の[中の]蓮を徳とす  海山人  東京都 40代・男 
 
05/12/04  我道夢中初志  我は道ふ 夢の中 初志伝ふ  嗣朗  兵庫県 60代・男
 
05/12/31  鶏去戌来時勢  鶏去り戌来たり時勢遷る  点水  大阪府 70代・男
 
06/ 1/14  猿声依旧元宵  猿声 旧に依る 元宵の天
(酉、戌とくれば猿。また、蜀と初志から興しました)
 海山人  東京都 40代・男 
 
06/ 1/19  南天朱実掛窓  南天の朱実 窓前に掛る
この冬は南天の紅い実がきれいに着いています。それを見ながらつくりました。
 点水  大阪府 70代・男
 
06/ 1/22  北極素花舞雲  北極の素花 雲辺に舞ふ  海山人  東京都 40代・男 
 
06/ 1/22  花発盆梅香雪  花発く盆梅 香雪妍し
(盆梅展の季節となりました)
 嗣朗  兵庫県 60代・男
 
06/ 1/24  埋屋窓明雪後  屋を埋め窓は明かなり雪後の天
1月21日の東京での雪を見て
 深渓  東京都調布市 70代・男 
 
06/ 1/25  凛冽北風揺水  凛冽なる北風水仙を揺らす
寒気は厳しくとも、水仙の花が開き春が近づいていることを思わせます。
 点水  大阪府 70代・男
 
06/ 2/ 1  春風芳信月明  春風芳信 月明かり円なり  嗣朗  兵庫県 60代・男
 
06/ 2/ 4  今日不期詠春  今日期せず 春篇を詠ずるを
暦は名ばかりの寒さです。
 海山人  東京都 40代・男 
 
06/ 3/ 1  瑞香馥郁白梅  沈丁花の匂いがしてきました。
また、白梅も咲き誇っています
 点水  大阪府 70代・男
 
06/ 3/ 5  疎影鶯声詩有  疎影鶯声 詩に縁有り
「馥郁」から、影や鳥の声も詩の題材と受けました
 嗣朗  兵庫県 60代・男
 
06/ 3/ 8  雨水梅綻春陽  雨水 梅 綻び 春陽 鮮やか
今年は大寒波の影響で、自然界も活動が遅いようです。
 緑風  岐阜県 70代・男
 
06/ 3/11  到海昇雲未会  海に到り 雲に昇る 未だ会せざるの縁
鮮縁鮮ときたので縁としたくなりました。
 海山人  東京都 40代・男 
 
06/ 3/17  白梅花散於春  白梅の花春の田に散る
家の近くの畑の光景です。どこか感じ入るところがありました。
 冬田  大阪府 10代・男性 
 
06/ 3/22  辛夷紅紫映晴  辛夷は紅紫 晴天に映ず  点水  大阪府 70代・男
 
06/ 3/25  魁去百来柳色  魁去り 百来りて 柳色鮮やかなり
百花さきはじめ さきがけの梅は去る 送迎の時節。
 海山人  東京都 40代・男 
 
           
 



 これまでの聯句
2005年(下平声一先韻)  2003年(上平声一東韻)  2000年(下平声七陽韻)