私が漢詩を作り始めた頃5、6年ほど前ですが、御指導願った先輩は日本人の作る漢詩に平仄の決まりを当てはめる事の無意味さを述べておられました。
其の理由として、わが国における漢字の読みは、たとえ音読であっても中国の四声とは凡そかけ離れており、ましてや訓読される場合にはまったく意味をなさない。元々、中国の詩は楽器に合わせて謡われたものであり、其の為のリズムを追求していき、結果として近体詩が成立したものだ。わが国の発音ではでは其のリズムを求めることは不可能である。それゆえ、漢詩を作るなら則りが緩やかな古詩体を作ってはどうですかと勧められました。
で,古詩を作る事にずいぶん励みましたが、それはそれでかなり難しく、ダラダラと焦点の定まらない物しか出来ませんでした。今でも其の焦点の定まらない傾向はありますが。
今では,絶句,律詩を平仄に苦しみながら作っています。そうした中で,平仄が合いしかも自分が感じたこと,あるいは見たこととピッタリ符合する表現が出来たときは例え様もなく嬉しくなります。
私にとっての作詩の楽しみは平仄が有っての楽しみのようです。特に,律詩の対句をアアデモナイ、コヲデモナイト考えているときは最高です。今しばらく,平灰とジャレながら漢詩作りを楽しみたいと思います。
読者の方からの批評・添削につきましては大歓迎ですが、但し「掲示板的なフリーな掲載」は現在は考えていません。
老婆心と言われるかもしれませんが、批評を受けることで励ましになる方もいれば、批判と感じて遠ざかる人もいます。特に始めたばかりの人にとっては、直截な批評に場合によってはショックを受ける人も居ると思います。
現在は、他の方の詩についての感想・批評は、主宰である私にまず送っていただいて、私を経過して作者の所へ届くようにしています。そして、作者の了解を得てから(事後承諾もありますが)、ホームページへの掲載をします。
簡単に言えば私というフィルターが一度入るわけですから、直接読者同士が交流できない、というマイナスは当然あります。
しかし、このホームページは、年齢も地域も異なり、お互いに顔も名前も知らない者同士が、「漢詩が好きだ」というただ一点で集まっているせっかくの場です。読者の方が一人でも残念な気持ちに、万が一にもならないようにしたいという気持ちで今はいます。
投稿詩の掲載に際しては私が感想を添えていますが、私としては「先陣を切って」というつもりで書いていますので、どうか皆さんもどんどん、感想を送って下さい。