作品番号 | 題 名 | 作 者 | 詩 形 | 掲載日 |
01 | 嚮陽溪萬花 | 石 華 | 七言絶句 | 2020. 4. 9 |
02 | 憂新型肺炎拡散 | 岳 城 | 七言絶句 | 2020. 4. 9 |
03 | 新型肺炎猛威 | 岳 城 | 七言絶句 | 2020. 4. 9 |
04 | 憶武漢 其一 | 常 春 | 七言絶句 | 2020. 4. 9 |
05 | 憶武漢 其二 | 常 春 | 七言絶句 | 2020. 4. 9 |
06 | 萬花郊村 其一 | 常 春 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
07 | 萬花郊村 其二 | 常 春 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
08 | 萬花郊村 其三(草原遊望) | 常 春 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
09 | 挑戰 | 芦 泉 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
10 | 春遊 | 緑 風 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
11 | 萬花郊村 | (桐山堂半田) 靖 芳 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
12 | 萬花江村 | (桐山堂半田) 睟 洲 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
13 | 萬花郊村 | (桐山堂半田) 昇 洲 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
14 | 萬花郊村 | (桐山堂半田) I ・ F | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
15 | 看櫻 | (桐山堂半田) I ・ F | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
16 | 萬花郊村 | (桐山堂半田) 眞 海 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
17 | 病毒破壊世界 | (桐山堂半田) 眞 海 | 七言絶句 | 2020. 4.10 |
18 | 怨疫病 | 東 山 | 七言絶句 | 2020. 4.11 |
19 | 万花述懐 | 用 邨 | 七言絶句 | 2020. 4.11 |
20 | 萬花春之七草 | 明 鳳 | 七言絶句 | 2020. 4.11 |
21 | 畏懼新型日冕病毒菌 | 明 鳳 | 七言絶句 | 2020. 4.11 |
22 | 萬花金色 | 俄文人 | 七言絶句 | 2020. 4.11 |
23 | 神遊仙境賞櫻花 | 鮟 鱇 | 詞・八聲甘州 | 2020. 4.12 |
24 | 吟賞櫻雲和鶯囀 | 鮟 鱇 | 詞・燕春台 | 2020. 4.12 |
25 | 神遊仙境齊唱 | 鮟 鱇 | 詞・絳都春 | 2020. 4.12 |
26 | 醉賞櫻雲擬唐吟 | 鮟 鱇 | 詞・蜀溪春 | 2020. 4.12 |
27 | 祈痾源感染停止 | 緑 風 | 七言絶句 | 2020. 4.12 |
28 | 萬花繚乱 | 凌 雲 | 七言絶句 | 2020. 4.12 |
29 | 萬花告春 | ニャース | 七言律詩 | 2020. 4.13 |
30 | 尋思萬花ク村 | 瓊 泉 | 七言絶句 | 2020. 4.13 |
31 | 萬花慰謝 | 杜 正 | 七言絶句 | 2020. 4.13 |
32 | 新型肺炎人類脅威 | 岳 城 | 七言絶句 | 2020. 4.13 |
33 | 民衆錯乱 | 岳 城 | 七言絶句 | 2020. 4.13 |
34 | 狂疾克服 | 岳 城 | 七言絶句 | 2020. 4.13 |
35 | 害怕新冠不出門 | 鮟 鱇 | 七言絶句 | 2020. 4.13 |
36 | 深謝醫生驅疫鬼 | 鮟 鱇 | 七言絶句 | 2020. 4.13 |
37 | 翁嫗籠城 | 鮟 鱇 | 七言律詩 | 2020. 4.13 |
38 | 期待來春賞櫻花 | 鮟 鱇 | 七言律詩 | 2020. 4.13 |
39 | 害怕新冠揮醉墨 | 鮟 鱇 | 七言律詩 | 2020. 4.13 |
40 | 閉門裁賦想來春 | 鮟 鱇 | 詞・八聲甘州 | 2020. 4.13 |
41 | 春神約明歳撒芬葩 | 鮟 鱇 | 詞・滿江紅 | 2020. 4.13 |
42 | 觀東京兒童戲櫻圖 | 陳 興 | 七言絶句 | 2020. 4.14 |
43 | 萬花江畔 | (調布漢詩会)楊 川 | 七言絶句 | 2020. 4.16 |
44 | 万花郷村 | (調布漢詩会)地球人 | 七言絶句 | 2020. 4.18 |
45 | 万花之希 | 道 佳 | 七言絶句 | 2020. 4.18 |
46 | 夢中賞萬花 | 觀 水 | 七言絶句 | 2020. 4.19 |
47 | 感事 | 觀 水 | 七言絶句 | 2020. 4.19 |
48 | 待春 | 雷 鳴 | 五言絶句 | 2020. 4.19 |
49 | 祈病源退散(二) | 緑 風 | 七言絶句 | 2020. 4.20 |
50 | 今春不観桜花 | (桐山堂刈谷) 游 山 | 七言絶句 | 2020. 4.20 |
51 | 愁春 | (桐山堂名古屋) 聲 希 | 七言絶句 | 2020. 4.28 |
52 | 思今春 | (桐山堂名古屋) 聲 希 | 七言絶句 | 2020. 4.28 |
53 | 嘆疫鬼蔓延 | (桐山堂名古屋) 聲 希 | 七言絶句 | 2020. 4.28 |
54 | 憂今春 | (桐山堂名古屋) 聲 希 | 七言絶句 | 2020. 4.28 |
55 | 感春 | (桐山堂名古屋) 聲 希 | 七言絶句 | 2020. 4.28 |
56 | 京洛観桜 | (芙蓉漢詩会) 洋 景 | 七言絶句 | 2020. 4.30 |
57 | 待万花 | (芙蓉漢詩会) K ・ K | 七言絶句 | 2020. 4.30 |
58 | 希求無心愛花日 | 茜 峰 | 七言絶句 | 2020. 5. 5 |
59 | 萬花江村 | (桐山堂刈谷) 聖 峰 | 七言絶句 | 2020. 5. 9 |
60 | 萬花江村 | (桐山堂半田) 健 洲 | 七言絶句 | 2020. 5.10 |
61 | 又萬花郊村 | 深 渓 | 七言絶句 | 2020. 5.13 |
62 | 萬花江村 | (桐山堂刈谷) T ・ K | 七言絶句 | 2020. 5.24 |
63 | 萬花江村 | (桐山堂刈谷) A ・ K | 七言絶句 | 2020. 5.24 |
64 | 花ク村 | (桐山堂刈谷) 風 葉 | 七言絶句 | 2020. 5.24 |
65 | 萬花江村 | (桐山堂名古屋) 聲 希 | 七言絶句 | 2020. 5.25 |
66 | 萬花郊村 | (桐山堂刈谷) 梗 艸 | 七言絶句 | 2020. 5.31 |
67 | 萬花郊村 | (桐山堂名古屋)Sさん | 七言絶句 | 2020. 6. 6 |
68 | 仲春 | (桐山堂名古屋)Kさん | 七言絶句 | 2020. 6. 6 |
69 | 萬花郊村 | (桐山堂名古屋)Rさん | 七言絶句 | 2020. 6. 6 |
70 | 萬花郊村 | (桐山堂名古屋)Rさん | 七言絶句 | 2020. 6. 6 |
71 | 春日作 | (桐山堂刈谷)老 遊 | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
72 | 萬花郊村 | (桐山堂刈谷)汀 華 | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
73 | 萬花江村 | (桐山堂刈谷)清 井 | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
74 | 萬花郊村 | (桐山堂刈谷)一 兔 | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
75 | 萬花郊村 | (桐山堂刈谷)小 禽 | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
76 | 萬花郊村 | (桐山堂刈谷) Y ・ N | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
77 | 萬花江村一日 | (桐山堂刈谷)游 山 | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
78 | 萬花郊村 | (桐山堂刈谷) T ・ O | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
79 | 郊村萬花無看人 | 醉 竹 | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
80 | 春日即事 | (桐山堂半田) F ・ K | 七言絶句 | 2020. 6.10 |
[01] 参加者 石華
嚮陽溪萬花
萬餘躑躅競嬌邊 万余の躑躅 嬌を競う辺
白白紅紅奪目鮮 白白紅紅 目を奪ひて 鮮やかなり
五月山園登石磴 五月の山園 石磴を登れば
藩侯擔簣舊碑傳 藩侯 簣を担ぎしと 旧碑は伝ふ
寂しく投稿を控えていましたが、先生の詩會案内のメールで元気が出ました。
「嚮陽渓(きょうようけい)」は福井県鯖江市にある「つつじ」の名所です。
ありがとうございます。
[02] 参加者 岳城
憂新型肺炎拡散
病毒流行擴瞬時 病毒の流行 瞬時に拡がる
高騰仮面入荷危 高騰の仮面 入荷 危し
疫苗未有惟分離 疫苗 未だ有らず 惟 分離
情實不傳開示遲 情実伝はらず 開示遅し
「病毒」: ウイルス
「仮面」: マスク
「疫苗」: ワクチン
「情実」: 情報
2月末に一般投稿でいただいた作品を転載しました
[03] 参加者 岳城
新型肺炎猛威
病毒流行多縣窺 病毒の流行 多県を窺ひ
突如休校動搖師 突如の休校 動揺の師
金融恐慌風評擴 金融 恐慌 風評拡がる
雜貨買占惟責誰 雑貨の買占め惟(これ) 誰をか責めん
2月末に一般投稿でいただいた作品を転載しました
[04] 参加者 常春
憶武漢 其一
發生武漢立冬邊 発生は武漢 立冬の辺
不日寒中旺蔓延 日ならず寒中 蔓延旺ん
症候未前罹患客 症候未だ前まざる罹患の客
不知到處病源遷 知らず到る処病原遷すを
武漢封鎖が1月23日、中国全土への蔓延も刻々と伝えられた。
この時点で中国観光客の帰国を促せば、感染模様もまた違ったものであったろう。
[05] 参加者 常春
憶武漢 其二
緩和規制清明節 規制の緩和 清明節
人海八方名勝充 人海 八方名勝に充つ
半慮病魔根絶否 半ば慮る病魔根絶せしや否や
又強願望待成功 又強し願望 成功待たんと
この詩、際物。
ただ、わずか70日余で感染を留め得たとなれば、全世界の感染も年内に収まるだろう。危惧よりも期待を込めて。
実は、2月上旬「新型病毒蔓延萌 春節商場閑散迎 防疫駆除懸命熱 切祈収束奥林平」と詠んだのだが、その願い空しかった。
[06] 参加者 常春
萬花郊村 其一
櫻花爛漫下閑散 桜花爛漫 下閑散
飛去飛來鳥語馴 飛去飛来 鳥語訓る
季節無違自然美 季節違ふ無し 自然の美
草坪萌惚剥g塵 草坪の萌緑 紅塵に対す
「草坪」: 芝生地
[07] 参加者 常春
萬花郊村 其二
花落復開紅白椿 花落ち復た開く 紅白の椿
獄G且擴草如茵 緑萌え且つ拡がり 草は茵の如し
病魔退散祈神佛 病魔退散 神仏に祈り
終日修庭三昧春 終日 修庭三昧の春
[08] 参加者 常春
萬花郊村 其三 草原遊望
欲消返照菜花黄 返照消えんとして菜の花黄
一望連山暮靄蒼 連山一望すれば 暮靄蒼し
輕拂春風遊歩道 軽く払ふ春風 遊歩の道
東昇朧月淡而芳 東に昇る朧月 淡くして芳し
[09] 参加者 芦泉
挑戰
山花怒放滿村春 山花怒り放つ 満村の春
疫病星星漠漠塵 疫病 星星 漠漠の塵
伏待偏期春雨後 伏して待ち 偏へに期す 春雨の後
烏頭點著幾酸辛 烏頭に点し著きて 幾酸辛
花が咲きそろう良き季節に
不気味に襲った感染症
じっと耐えただただ雨後を期すばかり
不気味で不吉な試練の克服はそうたやすいものではないかと
[10] 参加者 緑風
春遊
媚景風暄春鳥啼 媚景 風暄かく 春鳥啼く
丘陵庭園草萋萋 丘陵の庭園 草萋萋たり
道中何處花爭發 道中 何れの処も 花争って開き
求雅徘徊歸路迷 雅を求めて徘徊すれば 帰路迷ふ
[11] 参加者 (桐山堂半田)靖芳
萬花郊村
東郊春漲野人園 東郊に 春漲り 野人の園
緩歩徘徊鳥語繁 緩歩 徘徊 鳥語繁し
花徑欣然高詠好 花径 欣然 高詠好し
暖風歸路入孤村 暖風 帰路 孤村に入る
春たけなわとなり、野に出て散歩し、自然と歌をうたう。
気持ちの良い様子を詠んでみました。
※桐山堂半田の漢詩教室は新型コロナウイルスの関係で休講、「萬花郊村」は休講中の課題としたものです。
[12] 参加者 (桐山堂半田) 睟 洲
萬花江村
江村櫻朶落花頻 江村の桜朶 落花頻り
楊柳垂糸野水濱 楊柳 糸を垂る 野水の浜(みぎわ)
穀n蒼穹詩興促 緑地 蒼穹 詩興促す
曳杖郊陌惜徂春 郊陌を曳杖し 徂く春を惜しむ
[13] 参加者 (桐山堂半田) 昇 洲
萬花郊村
梅里雪山春景鮮 梅里雪山 春景鮮たり
菜花一面雨崩田 菜の花一面 雨崩(ゆぼん)の田
古城平秤行商賈 古城 平秤 行商の賈
憶昔少時看眼前 昔を憶へば 少時 眼前に看ゆ
(雲南省・揚子江源流域、標高六、七四〇メートル)の梅里雪山は 春の景色が鮮明である
麓の雨崩村には 一面の菜の花畑が広がっている
麗江古城の街は 今も行商人が代々家業を営んでいる
眼の前にいる天秤棒の少年の姿は 六十年前の私と同じだ
[14] 参加者 (桐山堂半田) I・F
萬花郊村
風暖春郊芳草滋 風暖かに 春郊 芳草滋し
陂田蝶舞踏青時 陂田 蝶は舞ふ 踏青の時
花堤嬉戲村童在 花堤 嬉戯の村童在り
艶艶櫻雲催我詩 艶艶たる桜雲 我が詩を催す
※先日 郊外に土筆を摘みに行きました。
春らしいのんびりした自然の中、花は綻び、子ども達が遊んでいました。
[15] 参加者 (桐山堂半田) I・F
看櫻
林園日午雨晴時 林園 日午 雨晴るるの時
鳥語芳菲春色宜 鳥語 芳菲 春色宜し
萬朶櫻花惟一白 万朶の桜花 惟だ一白
恍然執筆有新詩 恍然 筆を執って 新詩有り
[16] 参加者 (桐山堂半田) 眞 海
萬花郊村
芳春連日幼禽聲 芳春 連日 幼禽の声
滿目紅花雁宿城 満目 紅花 雁宿の城
肺焔新型求自肅 肺焔の新型 自粛を求めらる
觀櫻中止促歸程 観桜 中止し 帰程を促す
「雁宿」: 愛知県半田市にある公園、市内の桜の名所
[17] 参加者 (桐山堂半田) 眞 海
病毒破壊世界
病毒延期夏五輪 病毒は延期す 夏の五輪
看櫻自肅百花春 看桜 自粛さす 百花の春
新型感染深規制 新型 感染 規制を深くし
憂國烝民樂遠姸 憂国の烝民 遠妍を楽しむ
[18] 参加者 東山
怨疫病
C明時節水麟麟 清明の時節 水麟麟
千里萬花佳景新 千里万花 佳景新たなり
只怨開樽衆無楽 只だ怨む 樽を開いて 衆の楽しむ無きを
襲来疫病若何䐜 襲来の疫病 䐜を若何せん
[19] 参加者 用邨
万花述懐
桃林一望晩晴新 桃林一望晩晴新たなり
芳事敲詩澹蕩人 芳事詩を敲いて澹蕩の人
探得口占花未老 口占を探し得たりし花未だ老ず
青雲立志一年春 青雲志を立てて春一年
昨今コロナウィルスのために自粛で、みなさんどこかで何かを諦めることがある。
座して潰れるよりは何か策を立てて動いて見たいというのがあります。
そのことのみに注視したいと、そういうこともあります。
精神統一に絶句が昔から個人的には良かったということはあります。
相変わらず、年を重ねてもこの季節は花が咲き自分も一緒に咲けるか?そんな花はまだ枯れずにいたい、桃の木を見ているとそんな思いになります。
そんな文字にもできないような志をまだ描ける。
しかし、まだ次はどこかであると期待するから、当座を削ってどうにかしたいとかそういうことがある。
現状は覆い尽くすものを感じますが、希望だけは持ち続けていたい。
そして、その場しのぎの答ではなく、その時の最善を尽くし、あるがままの自分を受け入れて行こうということなのかもしれません。
まずは出来ること。接触は避けるが付き合いだけは前のように出来るか?
令和になってやり方はどんどん増えており、そして加速度的に選択肢も増えたりしております。
そんなツールも活用しつつ、自分も成長出来る体勢だけは整えて、この難局を乗り越えていけば、必ずや人類にとって新しい知識利用につながる、そしてまた一つの幸福論への探究が始まるものと考えております。
人生100年時代。つまらないと思っていたらそのまま。結局そこは自己改革で進めなければなりませんし、また改善しなければなりません。
今回のことを通じて自己の改革が肝要に感じたので、まず、詩を敲いてみてそこからだ。
それは気持ちの整理を28字に託せるし、エネルギーを集約出来るからであります。
[20] 参加者 明鳳
萬花春之七草
芹薺誰言鈴代陳 芹(せり)薺(なずな)誰か言ふ 鈴代(すずしろ)陳(つら)なると
春從七草鬱腸 春は七草より 鬱腸 堰iととの)ふと
御形繁縷踏青渡 御形(ごぎょう)繁縷(はこべら)踏青して渡り
佛座添菁福禄申 佛の座に 菁(すずな)を添へて 福禄申す
[21] 参加者 明鳳
畏懼新型日冕病毒菌 新型 日冕(コロナ)病毒菌(ビールス)を 畏懼(いぐ)す
口罩需要入手辛 口罩(マスク)の 需要は 入手 辛(くるし)く
店頭拂底喟然嗔 店頭には払底し 喟然として嗔(いか)る
昂騰價格祈時變 昂騰の価格に時の変はるを祈り
逼迫人心更問津 逼迫する人心は 更に津を問ふ
[22] 参加者 俄文人
萬花金色
童話羅平千里雲 童話の羅平 千里の雲
螺螄田畝帯条紋 螺螄の田畝 帯条の紋
金鶏峰下菜花海 金鶏峰下は 菜の花の海
盆景装箱此贈君 盆景 箱に装ひ 此を君に贈る
中国雲南省の辺境、羅平の金鶏峰から見渡す菜の花は、黒褐色の小山の間をぬって水平に延々と続く、まさに金色の花園でした。
螺螄田(タニシの田んぼ)は美しい楕円模様の菜の花の棚田です。
心に残る旅が早く自由にできるよう願っています。
[23] 参加者 鮟鱇
八聲甘州・神遊仙境賞櫻花
望皚皚雪野化詩箋, 皚皚たる雪野の詩箋に化するを望み,
迎迓旭光鮮。 迎迓(むか)えたる旭光 鮮やかなり。
照詩翁凝念, 照らせば詩翁 念を凝らし,
獨呵手翰, 独り手翰(ふで)を呵し,
張翼晴天。 翼を晴天に張る。
幸受春風輕暖, 幸い春風の軽暖なるを受け,
萬里乍長遷, 万里 たちまち長遷し,
看到蜃樓聳, 蜃楼(蜃気楼)の聳ゆるを看るに到り,
着陸仙源。 着陸す 仙源に。
○ ○
悦目櫻雲盛涌, 目を悦ばせて櫻雲 盛んに湧き,
繞瑤池鏡水, 瑶池の鏡水を繞(めぐ)り,
香雪飄然。 香雪 飄然たり。
見羽人恰似, 見れば羽人(仙人) 恰も,
海嘯入花間。 海嘯(津波)の花間に入るに似る。
有喇叭、播放鶯囀, 喇叭(スピ−カー)あり、鴬の囀るを播放(放送)し,
勸霞漿、可口洗塵肝。 勧(すす)む 霞漿の口に可にして塵肝を洗ふを。
逢神媛、笑容虚左, 逢える神媛(仙女)、笑容(えがお)にて左を虚(むな)しくし,
招待酣筵。 招待す 酣筵に。
<解説>
長遷:長往(隠棲。死亡。去って戻らないこと)。長期間ひとつの目標に向けて努力すること。
仙源:仙人の居るところ。
瑶池:西王母の住むところ。
霞漿:仙人の飲み物。ここでは美酒。
虚左:客をに迎えるにあたって左を空ける。左が上座。
桜を題材とする詞、私はこれまでにかなり詠んでいます。
特に2012年1月から13年6月までは、同工異曲『春賞櫻雲』( http://sa44shici.huuryuu.com/sakura2/index.htm )と嘯いて、
曲を含めおよそ2700首ほどの詞曲を詠んでいます。
それらは一詩体一首。つまり詞曲には私が知るだけでもそれだけの詩体があります。
詞といえば『欽定詞譜』ですが、漏れがなければですが、私は、その「付録」を除く全詞体を、桜を題材として、詠んでいます。
また、2015年から2018年までは、毎年春は桜を詠むことにして、
「そうだ櫻を詠もう」と嘯き、2字から56字までの詩と詞曲を520首ほど詠んでいます。
これも一詩体一首。七言律詩56字までの字数があれば、500以上の定型詩体を生み出すことができる、それが詞曲です。
なお、2字や3字〜13字、竹枝14字よりすくない字数、さらには15字や21字など、定型としての詩体を私が知らない字数については、
押韻し、さらには平仄を調えることで、定型詩としての体裁を私が整えました。たとえば、
蝶舞蜂螫令・櫻花如夢
櫻,夢。
平,仄(中華新韻十一庚平仄両用の押韻)
櫻,夢なり。
「蝶舞蜂螫令」は、世界最短の詩ともいわれているモハメッド・アリの言葉“me? we!”にあやかって私が名付けた短詩名です。
蝶舞蜂螫は、蝶のように舞い蜂のように刺す、という意味。
さて、今年の春も、「そうだ櫻を詠もう」を詠もうと思っています。
57字から始めて何字まで詠めるのか。
57字は19詩体、58字は28詩体、59字は16詩体、60字は38詩体・・・
桜が散るまでにどこまでいけるか、です。
八聲甘州 詞譜・雙調97字,前後段各九句,四平韻 柳永体
●△○▲●●○○(一七),▲△●○平。●△○△●(一四),△○▲●,△●○平。▲●△○▲●,▲●●○平。△●△○●,△●○平。
▲●△○△●,●▲○▲●(一四),△●○平。●△○△●(一四),△●●○平。●△△、△●△●,●▲○、△●●○平。○○●、▲○△●,▲●○平。
○:平声。△:平声が望ましいが仄声でもよい。
●:仄声。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
平:平声の押韻
(一七):前の八字句は,上一下七に作る。
(一四):前の五字句は,上二下三ではなく,上一下四に作る。
※鮟鱇さんのこちらの詞は、詩会開催の前に送っていただいたものですが、実は臨時の詩会開催を考えるきっかけともなりました。
詩を楽しむ私たちだからこそ、なかなか外に出かけられない今だからこそ、詩の世界で自由に春を愉しむべきだと教えていただきました。
[24] 参加者 鮟鱇
燕春台・吟賞櫻雲和鶯囀
冬夜傾杯, 冬の夜に杯を傾け,
爐邊取暖, 炉辺に暖を取り,
醺然對飲詩魔。 醺然として詩魔と対飲(対酌)す。
夢想濃春, 夢想するは濃春,
櫻雲盛涌林坡。 桜雲 林の坡(坂)に盛んに湧く。
逍遙數里娑婆, 逍遥すること数里 娑婆として,
到山湖、充滿鱗波。 到れる山湖に、鱗波 充満(み)てり。
雪花風飄零, 雪花 風に飄零し,
浮漣星散, 漣(さざなみ)に浮いて星のごとく散じ,
恰似銀河。 恰も似たり 銀河に。
○ ○
紅唇含笑, 紅き唇 笑みを含み,
青眼招人, 青眼にて人を招き,
小亭酒婦, 小亭の酒婦は,
正是仙娥。 正に是れ仙娥。
醺然美醉, 醺然と美酔し,
欣乘雅興幽哦。 雅興に乗るを欣びて幽哦(低吟)す。
玩賞佳光, 佳光(佳景)玩び賞(め)でて,
擬唐吟、化作鸚哥。 唐に擬へて吟じ、鸚哥(インコ)となる。
鼓喉舌, 喉と舌を鼓し,
酬和黄鶯囀, 黄鴬(ウグイス)の囀るに酬和すれば,
逸趣頗多。 逸趣 頗る多し。
<解説>
娑婆:従容として優遊たる様子。
酒婦:酒を売る女性。
燕春台 詞譜・雙調98字,前段十句五平韻,後段十一句五平韻 張先体
▲●○○,▲○△●,△○▲●○平。▲●○○,△○▲●○平。▲○△●○平,●○○、▲●○平。△○○●,△○△●,▲●○平。
△○△●,▲●○○,●○▲●,△●○平。○○●●,△○●●○平。▲●○○,●△○、△●○平。●○平,○●○▲●,△●○平。
○:平声。△:平声が望ましいが仄声でもよい。
●:仄声。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
平:平声の押韻
[25] 参加者 鮟鱇
絳都春・神遊仙境齊唱
將揮手翰, 将に手翰(ふで)を揮ひ,
試神遊仙境, 試みるは神遊 仙境へ,
濃春暄暖。 濃春の暄暖なるへ。
鶴歩悠然, 鶴のごとく歩んで悠然と,
穿入櫻雲涌湖畔 穿ち入れり 桜雲の湖畔に涌くに。
乘風香雪飛無斷, 風に乗って香雪 飛んで断つる無く,
碧天舞、飄然星散。 碧天に舞ひ、飄然と星のごとく散る。
玉塵浮水, 玉塵 水に浮き,
鱗鱗耿耿, 鱗鱗たり 耿耿たり,
恰如銀漢。 恰も銀漢の如し。
○ ○
青眼, 青眼,
迎接老叟, 老叟を迎接(むか)へ,
絳唇侑、 絳(あか)き唇は侑(すす)む、
緑酒充盈金盞。 緑酒の金盞に充ち盈つるを。
身在蜃樓, 身は蜃楼(蜃気楼)にあり,
對飲輕娥佯詩伴。 対飲せる軽娥は詩伴(詩友)の佯(ふり)。
醺然不顧文才短, 醺然として文才の短かきを顧りみず,
鼓吟志、高歌長嘆。 吟志を鼓し、高歌長嘆す。
比肩齊唱啾啾, 肩を比(なら)べて斉唱し啾啾と,
若鶯百囀。 鴬の百囀せる若し。
<解説>
神遊:空想で旅に遊ぶこと。
絳唇:美人。
輕娥:身軽な美人。天女。
詩伴:詩友。
絳都春 詞譜・雙調100字,前段十句六仄韻,後段九句六仄韻 呉文英体
○○▲仄,●▲▲▲△(一四),○△○仄。▲●▲△,△▲○△△○仄。△○△●○○仄,●△●,△○○仄。●○△●,△△▲▲,●○△仄。
△仄,○○●●,●○●、●●▲○○仄。▲●▲○,△▲○○○△仄。△○△●○○仄。●△●、△○▲仄。▲△△●○○,●○●仄。
○:平声。△:平声が望ましいが仄声でもよい。
●:仄声。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
平:平声の押韻
(一四):前の五字句は,上二下三ではなく,上一下四に作る。
[26] 参加者 鮟鱇
蜀溪春・醉賞櫻雲擬唐吟
日暖山湖, 日暖かき山湖に,
贅翁如龜, 贅翁 亀の如く,
穿入櫻雲。 桜雲に穿ち入る。
香雪乘風, 香雪 風に乗って,
若蝶張翅, 蝶の翅を張る若く,
飄舞碧宇繽紛。 碧宇(碧空)に飄舞して繽紛たり。
花片浮水似, 花片(花びら)水に浮いて似たり,
星漢耀、搖蕩鱗鱗。 星漢の耀いて、揺れ蕩(うご)くこと鱗鱗たるに。
見酒旗, 見れば酒旗,
篩日光, 日光を篩ひ,
野店迓遊人。 野店に遊人に迓(むか)ふ。
○ ○
徐娘笑斟美祿, 徐娘 笑みて美祿(美酒)を斟み,
白首啜金盞, 白首 金盞を啜れば,
清聖芳醇。 清聖(清酒)芳醇たり。
又有濁賢, また濁賢(濁酒)ありて,
洗滌胸肺, 洗滌す 胸肺の,
將鼓擬唐詩魂。 唐に擬え詩魂を将に鼓さんとするを。
求句押雅韻, 句を求めて雅韻を押し,
調平仄、低唱黄昏。 平仄を調へ、低唱す 黄昏に。
戀落照, 落照に恋し,
揮賦才, 賦才を揮ひ,
坐暮春。 暮春に坐す。
<解説>
徐娘:老いるもなお風韻を保っている女性。
胸肺:胸のうち。心。
賦才:天賦の才。
蜀溪春 詞譜・雙調99字,前後段各十一句,四平韻 曹勳体
●●○○,●○○○,○●○平。○●○○,●○○●,○●●●○平。○●○●●,○●●、○●○平。●●○,○●○,●●●○平。
○○●○●●,○●●○●,○●○平。●●○○,●○○●,○●●○○平。○●○●●,○○●、○●○平。●●●,○●○,●●平。
○:平声。●:仄声。平:平声の押韻
[27] 参加者 緑風
祈痾源感染停止
武漢痾源拡世界 武漢の痾源 世界に拡がる
痾苗未現帶憂顰 痾苗未だ現れず 憂いを帯びて眉を顰む
金融恐慌風聞演 金融恐慌の風聞 広がる
感染停停禱鬼神 感染停停 鬼神に祷る
「痾源」: 新型ウイルス
「痾苗」: ワクチン
武漢から発生した「新型ウイルス」まだ新薬がなく、隔離以外に方法がない現状。
ワクチンの開発が待たれますが、まず、感染を停めることが最優先でしょう。
[28] 参加者 凌雲
萬花繚亂
淑氣逃禪待機人 淑気 禅に逃ぐる 待機の人、
萬花繚亂外窗春 万花繚乱す 外窓の春。
街坊自肅寒疎影 街坊 自粛して 寒そうな疎影、
盡日創詩只欠伸 尽日 詩を創り 只欠伸するのみ。
私の職場は緊急事態宣言の影響で自宅待機となりました。給料は同じ分だけ出るので、ほっとしてます。
昨日ホームページを見て急いで書いたものです。
自虐的に書いたものですが、元気づけになるでしょうか?
暇なので、掃除でもして、座禅でも組むほか、詩を書くぐらいしかすることがないのが実情です。
[29] 参加者 ニャース
万花告春
留家不為楽清貧、
病毒猛威愈害人、
競購酒精塗手指、
争求口罩覆鼻唇、
宰相施策悩平民、
県令発言煩百姓、
排遣憂愁門外出、
万花斉放告来春。
本当にこういう時には詩の世界の中での楽しみで励まされますね。
[30] 参加者 瓊泉
尋思萬花ク村
聞説故山城裏春 聞くならく 故山 城裏の春
萬花發盡寂無人 万花 発き尽くすも 寂として人無しと
堪憂疫病蔓延禍 憂ふるに堪へたり 疫病蔓延の禍
舊雨知音入夢頻 旧雨 知音 夢に入ること頻りなり
でも気持ちを切り替えて、本棚に眠っていた漢詩全集を片っ端から読破しています。
有り難い事に、鈴木先生から課題を頂くと、また張り切って辞典との格闘技が始まります。
先の見えないこんな時こそ、漢詩の世界にどっぷり浸って心豊かに、未来を信じて明るく生きて行きましょう!
皆さ〜ん、お元気ですか!
私は担当していた講座が総て中止になり、突然失業。30年以上続けてきた武道の稽古も儘ならず、一時は呆然自失の状態でした。
ある意味、最高に贅沢な日々を過ごしています。
漢詩をやってて良かった〜と、つくづく実感する毎日です。
私たちには沢山の仲間がいますよ!\(^o^)/
[31] 参加者 杜正
萬花慰謝
遠近人空不見春 遠近(おちこち)人空しく春を見ず
妖痾四海作悲辛 妖痾 四海 悲辛を作す
綺花明媚公園路 綺花 明媚 公園の路
日日千門待降神 日々 千門 降神を待つ
昼休みに近くの公園を散歩すると、人影はまばらですが、春の花が一面に見事に咲いていて、慰められます。
一日も早く、コロナウイルスの流行が終焉するのを願います。
[32] 参加者 岳城
新型肺炎人類脅威
改元祝意去難留 改元の祝意 去って留まり難し
病毒拡散幪地球 病毒の拡散 地球を幪(おお)ふ
萬國市街人影絶 万国の市街 人影 絶え
憟然民衆抱深憂 憟然たる民衆 深憂を抱く
「病毒」: ウイルス
「憟然」: 恐れて震える
[33] 参加者 岳城
民衆錯乱
平和祭典五輪延 平和の祭典 五輪 延ぶ
宴会觀桜自粛宣 宴会 観桜 自粛の宣
株式市場連日亂 株式市場 連日の乱れ
長期休校転相憐 長期の休校 転 相 憐む
「病毒」: ウイルス
[34] 参加者 岳城
狂疾克服
街衝喧噪病魔因 街衝の喧噪 病魔の因
靜寂山村泰然民 静寂の山村 泰然の民
染盡萬花春爛漫 染め尽す万花 春 爛漫
希糟狂疾薬王輪 希はくは狂疾を糟(はら)はん 薬王の輪
「街衝」: 町中
「病魔」: 新型コロナウイルス
「泰然」: 落ち着いて動じない
「狂疾」: 新型コロナウイルス
「薬王」: 名医
新型コロナウイルスで混乱を極める世の中
近々の終息を念じて一息つこう。
今は万花咲き誇る春本番
名医の力を信じて春を楽しもう!
[35] 参加者 鮟鱇
害怕新冠不出門
老愛萬花詩酒隣, 老いて愛す 萬花 詩酒の隣,
今年疫鬼戴冠新。 今年は疫鬼 冠の新しきを戴く。
閉門覓句持康健, 閉門覓句 健康を持(たも)ち,
期待出遊來歳春。 期待す 出遊 来歳の春。
疫鬼戴冠新:新型コロナウイルスは「新冠」と呼ばれている。
康健:健康。
[36] 参加者 鮟鱇
深謝醫生驅疫鬼
郊野萬花開做舊, 郊野に萬花開いて旧を做(な)すに,
東都疫鬼戴冠新。 東都の疫鬼 冠の新しきを戴く。
老翁自衛藏蝸舎, 老翁の自衛 蝸舎に藏(かく)れ,
深謝醫生救病人。 深謝す 医生の病人を救ふを。
做旧:旧の事物とそっくりに作ること、なすこと。
蝸舎:蝸牛のごとき小さな家。
医生:医者。
[37] 参加者 鮟鱇
翁嫗籠城
多閑但未上春臺, 閑多くもいまだ春台に上らざるは,
頭戴新冠疫鬼來。 頭に新しき冠を戴いて疫鬼来たるゆえ。
翁嫗籠城仰天願, 翁嫗の籠城 天を仰ぎて願ふ,
延年欣賞萬花開。 年を延ばし萬花の開くを欣び賞するを。
[38] 参加者 鮟鱇
期待來春賞櫻花
害怕新冠肺病魔, 新冠肺病の魔を害怕(おそ)れ,
閉門哀悼斃人多。 門を閉じ哀悼す 斃(たお)れし人の多きを。
例年欣賞櫻雲涌, 例年 桜雲の涌くを欣び賞し,
今歳哀思天意苛。 今歳 天意の苛なるを哀しみ思ふ。
夢想萬花篩日景, 萬花の日景を篩ふを夢想し,
低吟一首若鸚哥。 一首 鸚哥(インコ)の如くに低吟す。
只今暗啜小杯酒, 只今 暗に啜る小杯の酒,
期待來春借醉酡。 来春を期待し醉酡を借る。
醉酡:酔って紅い顔になること。
蝸舎:蝸牛のごとき小さな家。
医生:医者。
[39] 参加者 鮟鱇
害怕新冠揮醉墨
詩翁無力怕新冠, 詩翁 無力にして新冠を怕(おそ)れ,
足不出門避世縁。 足は門を出でず 世縁を避く。
日照蝸房金盞耀, 日は蝸房を照らして金盞耀き,
人揮醉筆墨痕鮮。 人 醉筆を揮へば墨痕鮮やかなり。
神遊自在尋形勝, 神遊は自在にして形勝を尋ね,
夢想縱容逢女仙。 夢想は縱容として女仙に逢ふ。
霞洞櫻雲花萬朶, 霞洞の桜雲 花 萬朶,
宛如碧宇羽衣翻。 宛も碧宇に羽衣の翻る如し。
蝸房:蝸牛のごとき小さな家。
神遊:想像あるいは夢により遊歴すること。
霞洞:仙人のいるところ。仙境。
碧宇:碧空。碧落。
[40] 参加者 鮟鱇
八聲甘州・閉門裁賦想來春
怕陰間疫鬼戴冠新, 怕(おそ)る 陰間の疫鬼 冠の新しきを戴き,
馳襲老人多。 馳せて老人を襲ふことの多きを。
是百年災禍, 是れ百年の災禍,
萬花開處, 萬花の開くところ,
翁嫗疲痾。 翁嫗 疲れ痾(や)む。
只好閉門塞戸, 只好(やむなく)門を閉じて戸を塞ぎ,
籠裡作鸚哥。 籠のなかの鸚哥(インコ)となる。
覓句擬唐宋, 句を覓(もと)むるに唐宋に擬へ,
弄嘴學舌。 嘴を弄び舌を学ぶ。
○ ○
夢想安閑隨意, 夢想は安閑隨意,
擅神遊勝地, 擅(ほしいまま)に勝地に神遊するに,
同伴詩魔。 詩魔を同伴す。
問來春湖畔, 問(たず)ぬるは來春の湖畔,
碧水泛綾羅。 碧水 綾羅を泛べをり。
映櫻雲、噴撒香雪, 映せる櫻雲の、噴き撒きたる香雪,
落鱗漣、碎錦似星河。 鱗漣に落ち、錦を砕いて星河に似る。
得端緒、笑揮禿筆, 端緒を得、笑みて揮へる禿筆,
一走無遮。 一たび走らば遮る無し。
●△○▲●●○○(一七),▲△●○平。●△○△●(一四),△○▲●,△●○平。▲●△○▲●,▲●●○平。△●△○●,△●○平。
陰間:冥府。地獄。
八聲甘州 詞譜・雙調97字,前後段各九句,四平韻 柳永体
▲●△○△●,●▲○▲●(一四),△●○平。●△○△●(一四),△●●○平。●△△、△●△●,●▲○、△●●○平。○○●、▲○△●,▲●○平。
○:平声。△:平声が望ましいが仄声でもよい。
●:仄声。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
平:平声の押韻。
(一四):前の五字句は,上一下四に作る。
(一七):前の八字句は,上一下七に作る。
[41] 参加者 鮟鱇
滿江紅・春神約明歳撒芬葩
頭戴新冠, 頭に新しき冠を戴いて,
對翁嫗、病魔揮戟。 翁嫗に対し、病魔 戟を揮ふ。
怕猛攻、閉門塞戸, 猛攻を怕(おそ)れ、門を閉じ戸を塞(ふさ)ぎ,
白頭潛匿。 白頭 潛匿(かく)る。
幸有詠懷磨古墨, 幸ひ詠懷ありて古墨を磨き,
絶無愁悶呵詩筆。 絶えて愁悶無く詩筆を呵す。
想萬花、詞苑競嬋娟, 想ふ 萬花の、詞苑に嬋娟を競ひ,
堪尋覓。 尋ね覓(もと)むるに堪ふるを。
○ ○
登思路, 思路を登り,
張鵬翼, 鵬翼を張り,
遊星宿, 星宿に遊び,
題東壁。 東壁に題す。
聞背後掌聲, 聞こゆ 背後の掌聲(拍手),
褒辭甜蜜。 褒辞(ほめことば)甜蜜(あま)し。
笑賣霞漿延壽命, 笑みて霞漿の壽命を延ばすを売り,
天仙介紹春神立。 天仙 紹介す 春神の立ちをるを。
約明歳、仍舊撒芬葩, 約す 明歳、旧に仍(よ)り芬葩を撒き,
塡空隙。 空隙を填めんと。
▲●○○,△△●、△○▲仄。△▲▲、▲○△●,▲○○仄。▲●△○○●●,▲○△●○○仄。●△▲、△●●○○,○○仄。
東壁:天下の図書の秘府。
仍舊:旧のとおりに。いつものように。
芬葩:春の花。
滿江紅 詞譜・雙調93字,前段八句四仄韻,後段十句五仄韻 柳永体
○△●,○▲仄。○▲●,○○仄。▲△△△▲(一四),▲△○仄。△●△○○●●,△○▲●○○仄。△▲△、▲●●○○,○○仄。
○:平声。△:平声が望ましいが仄声でもよい。
●:仄声。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
仄:仄声の押韻。
(一四):前の五字句は,上一下四に作る。
[42] 参加者 陳興
觀東京兒童戲櫻圖
馳報五洲新冠流,
東京到處只添愁
兒童不解疫情急,
猶趁花開攀樹游
[43] 参加者 楊川(調布漢詩会)
萬花江畔
長堤千柳萬櫻新 長堤の千柳 万桜新たなり
爛漫風光正入~ 爛漫たる風光 正に入神
白髪曳筇少時路 白髪 筇を曳く少時の路
友朋何處故山春 友朋は何処 故山の春
鴨川東岸には春は青い柳と桜が織り混ぜた美しさが素晴らしいです。
柳が爛漫の花を引き立てています。
[44] 参加者 地球人
万花郷村
青雲未就感幽憂 青雲 未だ就ず 幽憂に感ず
郊外彷徨登小岡 郊外 彷徨 小岡に登る
爛漫桜花円月上 爛漫たる桜花 円月上る
紅塵燦燦思悠悠 紅塵 燦燦として 思い悠悠
不要不急の外出を控える日々に耐えています。
来年は今年できなかった分も合わせて、盛大に花見ができるようになって欲しいですね。
[45] 参加者 道佳
万花之希
華彩繚乱故園春 華彩 繚乱 故園の春
静寂無声寥独呻 静寂 声無く 寥しく独り呻かん
吹断A溟妖変阨 吹断せよ A溟 妖変の阨
明年又会万花巡 明年 又会ふ 万花の巡り
[46] 参加者 觀水
夢中賞萬花
今春敢不出晴天 今春 敢へて晴天に出でざるも
幸有夢中招綺筵 幸ひに 夢中 綺筵に招かるる有り
一十百千花萬朶 一 十 百 千 花万朶
東西南北興無邊 東 西 南 北 興無辺
ことしの春はワケあって 天気が良くても部屋ごもり
さいわい今日は夢のなか よろしき宴におよばれだ
一、十、百、千、たくさんの 花咲く枝にかこまれて
東、西、南、北、どこみても 楽しみ尽きることがない
[47] 参加者 觀水
感事
能御舟車千萬里 能く舟車に御して千万里
整冠豹變非君子 冠を整へ 豹変あるも 君子に非ず
山川異域自同心 山川 異域なれども 自ずから心を同じうす
早晩必看艱禍已 早晩 必ず看ん 艱禍の已むを
船に飛行機、バス、タクシー 千里の道も何のその
冠つけてあざやかに 変異かさねた似而非君子
世界ところは違っても 心一つに立ち向かい
いつか必ず乗り越える 新型コロナの大混乱
觀水さんのこちらの詩は、「2020年一般投稿」でいただいたものを転載しました。(桐山人)
[48] 参加者 雷鳴
待春
駒岳裾纏雪 駒岳は裾に雪を纏ひ
梅花未識春 梅花は未だ春を識らず
汀沙只返浪 汀沙は只浪を返すのみにして
朽木隠魚鱗 朽木は魚鱗を隠す
北海道駒ヶ岳はその裾に雪を纏っており
梅の花は未だ春の訪れを知らない
大沼の湖畔にはただ浪が寄せては返すのみで
岸辺の朽木の下に魚たちも身を隠している
外出自粛で家に閉じこもったまま春を満喫できない人々の様子を、
まだ春の訪れを感じられない北海道の梅や鯉の姿に重ねてみました。
北海道駒ヶ岳
[49] 参加者 緑風
祈病源退散(二)
街衢閑散病源因 街衢 閑散 ウイルスが因
山麓櫻花寂無人 山麓は桜花 寂として人無し
感染流行不安大 感染の流行 不安大
早期収束祷天神 早期の収束 天神に祷る
山は桜花爛漫の季節ですが今年は新型ウイルスの関係で花見客は閑散。
ワクチンの開発が待たれますが、まず、感染を停めることが最優先でしょう。
[50] 参加者 (桐山堂刈谷)游山
今春不観桜花
昨春今日坐花氈 昨春の今日 花氈に坐して
與友酣歌語語円 友と酣歌して 語語円(まど)かなり
現在出遊都自粛 現在の出遊 都て自粛して
新冠病毒俟終焉 新冠病毒の終焉を俟(ま)つ
[5] 参加者 聲希(桐山堂名古屋)
愁春
近年訪早僻村春 近年訪れ早し 僻村の春
花満枯枝嫩竹伸 花は枯枝に満ち 嫩竹(わかたけ)伸ぶ
正観桜時無衆語 正に観桜の時なれど 衆語無し
但聴風韻樹揺頻 但風韻を聴くのみ 樹揺れること頻り
新型コロナウイルス蔓延を嘆いての詩です。
[52] 参加者 聲希(桐山堂名古屋)
思今春
梅樹開終季趣新 梅樹開き終(つ)きて 季趣新たなり
百花競美鳥聲頻 百花美を競ひ 鳥聲頻りなり
何人不悦青陽景 何人か悦ばざらん 青陽の景を
疫病流行別様春 疫病流行 別様の春
[53] 参加者 聲希(桐山堂名古屋)
嘆疫鬼蔓延
人間幾度疫痾災 人間(じんかん)幾度か 疫痾の災
自制朋交鬱意堆 自ら制す朋交 鬱意堆(うずた)かし
癒氣時巡村邑裏 気を癒やし 時に巡る 村邑の裏
花盈山野鳥聲恢 花は山野に盈ち 鳥聲恢(さか)んなり
新型コロナウイルス蔓延を嘆いての詩です。
[54] 参加者 聲希(桐山堂名古屋)
憂今春
初迓仲春珠玉観 初めて迓ふ仲春 珠玉の観たり
雖然皆暗盡心寒 然りと雖も皆暗く 盡心より寒し
一寸法師如撃鬼 一寸法師の鬼を撃つの如く
快愉悪疫使人歎 快愉たりや悪疫 人をして歎かしむは
前半は人の様を後半は新型コロナウイルスの気持ちを謳い込みました。
[55] 参加者 聲希(桐山堂名古屋)
感春
鳥聲處處雜林間 鳥聲処処 雑林の間
漸發諸花爲玉顔 漸く発く 諸花 玉顔と爲る
宛似美姫春景様 宛も美姫に似たり 春景の様(さま)
東風未到北窗山 東風未だ到らず 北窓の山
転句は段々と華麗になっていく春景色を成長する度に段々と綺麗になっていく若い女性に見立て、結句の「北窓山」を男性に見立て、
自分はちっとも変っていかないのに羨ましいことだと羨望の眼で遠くから眺めている感じを込めました。
[56] 参加者 (芙蓉漢詩会)洋景
京洛観桜
清明時節訪花來 清明の時節花を訪うて来る
神苑桜雲逸興催 神苑の桜雲逸興催す
優美千枝映池水 優美千枝池水に映じ
如香如染白皚皚 香が如し染むが如し白皚皚
平安神宮の神苑の枝垂れ桜が丁度満開で美しく、其の姿を池に映していて感動をした事が今でも脳裏に焼きついています。
以前京都へ桜を観に行った時の事を思い出して書いてみました。
今年は一人思いに耽っています。
来年こそは何処かへ桜を観に出かけたいと思っています。
[57] 参加者 (芙蓉漢詩会)K・K
待万花
高峰雪景正天晴 高峰の雪景 正に天晴
樹影蕭条待草萌 樹影蕭条 草の萌ゆるを待つ
漫歩悠悠登坂路 漫歩悠悠 坂路を登れば
砲声殷殷乱禽声 砲声殷々として 禽声を乱す
富士演習場に近い高原の森、ヒノキ林は黒黒としているが、雑木はみな葉を落として明るく陽と風を入れている。
春を待ちかねていろんな鳥が鳴きだしているが、時折野砲の轟音が渡ってきて、一瞬鳴き止み、終わるとまた何事もなかったようにあちこちから聞こえてくる。
[58] 参加者 茜 峰
希求無心愛花日 希求す 無心に花を愛づる日
路傍花草可憐純 路傍の花草 可憐にして純なり
芍薬庭園蓓蕾辰 芍薬は 庭園にて 蓓蕾の辰(とき)
病菌散飛齎厄難 病菌は散飛し 厄難を齎す
偏希収束紫微晨 偏に希(ねが)ふ 収束 紫微の晨
新型コロナによる厄難はなかなか収まりません。
緊急事態宣言はまたまた延長になりました。
せめて紫微花の咲くころは収まり 心ゆくまで花を愛でたいです。
[59] 参加者 (桐山堂刈谷)聖峰
萬花江村
片雨江村樹樹新 片雨 江村 樹樹新たなり
藤花朶朶紫香陳 藤花の朶朶 紫香陳ぶ
蒼穹百鳥喜聲渡 蒼穹 百鳥 喜声渡る
如畫風情獨惜春 画の如き風情 独り春を惜しむ
[60] 参加者 (桐山堂半田)健洲
萬花江村
滿地櫻花江上春 満地の桜花 江上の春
雨過草色更清新 雨過ぎて草色 更に清新
一將詩興觀村景 一たび詩興を将って 村景を観すれば
吟嘯追随鳥語頻 吟嘯に追随して 鳥語頻なり
昨年の春、岐阜に行った時の詩。
雨上がりの鮮やかな景色に口ずさんでいると、鳥の声も唱和しているような気持ちになった。
[61] 参加者 深渓
又万花郊村
芳信江都千樹春 芳信 江都 千樹の春
老梅墻角一枝新 老梅 墻角 一枝新なり
東郊山寺芳香散 東郊の山寺 芳香散ず
野蝶翔來花笑辰 野蝶 翔來 花笑ふの辰
[62] 参加者 (桐山堂刈谷) T ・ K
萬花郊村
盡日徘徊白髪人 尽日 徘徊す 白髪の人
東風吹滿九旬春 東風 吹き満つ 九旬の春
城南山麓羊腸路 城南の山麓 羊腸の路
撩亂櫻花趣最眞 撩乱の桜花 趣最も真なり
この作品は一般投稿にも掲載します。
[63] 参加者 (桐山堂刈谷) A ・ K
萬花郊村
日暖草堤江色新 日暖かに草堤 江色新た
殘寒漸去告カ頻 残寒 漸く去り 緑生ずること頻り
郊村終日無人訪 郊村 終日 人の訪ふ無く
今歳山花冷笑春 今歳の山花 冷笑の春
[64] 参加者 (桐山堂刈谷)風葉
花ク村
天晴黄鳥碧維新 天晴 黄鳥 碧維新たなり
湛靜ク邨剩得春 湛静 郷邨 剰(さら)に春を得
萬朶夭桃芳樹下 万朶 夭桃 芳樹の下
韶光十里愛花人 韶光十里 花を愛するの人
[65] 参加者 (桐山堂名古屋) 聲希
萬花郊村
一雨一風山翠新 一雨一風 山翠新まり
郊村花滿鳥聲頻 郊村 花満ちて 鳥聲頻りなり
疫災拡大恐罹患 疫災拡大し 罹患を恐れ
僻老空觀窗外春 僻老空しく観る 窓外の春
[6] 参加者 (桐山堂刈谷) 梗艸
萬花郊村
碧天村里鳥聲新 碧天 村里 鳥声新た
満眼櫻花不染塵 満眼の桜花 塵に染まらず
自肅日長心寂寂 自肅の日長く 心寂寂
陽和逢遇待同人 陽和に逢遇 待同人
[67] 参加者 (桐山堂名古屋)Sさん
萬花郊村
學官幽徑社山~ 学官の幽径 山神を社し
鳥語花香朶朶新 鳥語 花香 朶朶新た
黙拜石碑無限興 黙拝する石碑 無限の興
芝蘭玉樹片葩親 芝蘭 玉樹 片葩親しむ
[68] 参加者 (桐山堂名古屋)Kさん
仲春
花紅柳豪y芳晨 花紅 柳緑 芳晨に及ぶ
雙蝶翩翩江上春 双蝶 翩翩 江上の春
駘蕩午風櫻樹下 駘蕩たる午風 桜樹の下
設筵詩會苦吟身 設筵 詩会 苦吟の身
[69] 参加者 (桐山堂名古屋)Rさん
萬花郊村
百般紅紫水村春 百般の紅紫 水村の春
滿眼韶華色色新 満眼の韶華 色色新たなり
風掠店頭先勞脚 風掠む 店頭 先ず脚を労はる
晩晴隄障正怡~ 晩晴の隄障 正に神を怡ばしむ
[70] 参加者 (桐山堂名古屋)Rさん
萬花郊村
麥秋天地曉光新 麦秋の天地 暁光新たなり
十里長堤解笑人 十里の長堤 笑ひを解する人
休息樹陰兒鬪草 樹陰に休息すれば 児草を闘はせ
百花齊放養心身 百花 斉放 心身を養はん
[71] 参加者 (桐山堂刈谷)老遊
春日作
春光煦煦草庵隣 春光煦煦たり 草庵の隣
櫻樹夭葩隔世塵 桜樹の夭葩 世塵を隔つ
豈料敲門舊知友 豈に料らんや 門を叩くが旧知の友とは
温交談笑雅風春 交を温め 談笑す 雅風の春
[72] 参加者 (桐山堂刈谷)汀華
萬花郊村
朝雨放晴漉t新 朝雨 晴を放ち 緑葉新なり
登廊左右萬枝巡 登廊の左右 万枝巡る
滿園爛漫香風爽 満園 爛漫 香風爽たり
閃色花王無俗塵 閃色の花王 俗塵無し
長谷寺の牡丹を詩にしました。「閃色」は「王貌」「金蕊」「國色」「絶色」と迷いました)
[73] 参加者 (桐山堂刈谷)清井
萬花江村
麗日猿投山色新 麗日 猿投山色新し
輕風駘蕩萬家春 軽風 駘蕩 万家の春
紅桃十里如圖畫 紅桃 十里 図画の如く
自肅ク村鶯語頻 自粛 郷村 鶯語頻りなり
猿投山の辺りの桃畑の様子です。コロナウイルスのせいで里がひっそりとしている様子を「閑散」としました。
[74] 参加者 (桐山堂刈谷)一兔
萬花郊村
淡雲片片往來頻 淡雲 片片 往来頻り
山色幽姿萬里親 山色 幽姿 万里親しむ
窗外輕糸香馥郁 窓外の軽糸 香馥郁
雀遊午下小園春 雀遊ぶ 午下 小園の春
[75] 参加者 (桐山堂刈谷)小禽
萬花郊村
雨晴菜圃鳥聲頻 雨晴れ 菜圃 鳥声頻り
告輝輝草木新 緑水 輝輝 草木新たなり
滿目芳春増爽氣 満目 芳春 爽気を増す
雲開散歩往來人 雲開 散歩 往来の人
[76] 参加者 (桐山堂刈谷) Y ・ N
萬花郊村
山櫻花發客中春 山桜 花発く 客中の春
渡野清風隔世塵 野を渡る清風 世塵を隔つ
暖日郊村鶯語渡 暖日 郊村 鶯語渡り
韶光駘蕩酒香新 韶光 駘蕩として 酒香新た
[77] 参加者 (桐山堂刈谷)游山
萬花江村一日
夭桃穠李滿江津 夭桃 穠李 江津に満つ
花下迎朋笑語頻 花下に朋を迎へて 笑語頻り
故里悠揚全感染 故里は悠揚として全く感染の
無痾鼓腹撃壌民 痾無く 鼓腹撃壌の民
[78] 参加者 (桐山堂刈谷) T ・ O
萬花郊村
山花芳艷太平春
過日郊村醉客頻
瘟疫蔓延全世界
何時恢復往来人
[79] 参加者 醉竹
郊村萬花無看人
東風一路及芳春 東風一路 芳春に及び
山野郊村萬物新 山野 郊村 万物新たなるも
疫病渡瀛侵世界 疫病 瀛を渡り 世界を侵し
出遊自肅内憂頻 出遊 自粛 内憂頻りなり
[80] 参加者 (桐山堂半田) F ・ K
春日即事
閑庭樹木甑メ差 閑庭の樹木 緑参差たり
村落圃畦芒種滋 村落の圃畦 芒種滋し
安座茅庵聞鳥語 安座する茅庵 鳥語を聞く
樂天心緒獨敲詩 楽天の心緒 独り詩を敲く
今年の春は庭でウグイスの鳴き声を多く耳にしました。