作品番号 | 作 者 | 題 名 | 詩 形 | |
[01] | Y.T | 「賀新年(与友賀新年)」 | 七言絶句 | |
[02] | 玄齋 | 「賀新年(一)」 | 七言絶句 | |
[03] | 玄齋 | 「賀新年(二)」 | 七言絶句 | |
[04] | 井古綆 | 「賀新年(一)」 | 七言絶句 | |
[05] | 井古綆 | 「賀新年(二)」 | 七言絶句 | |
[06] | 井古綆 | 「賀新年(三)」 | 七言絶句 | |
[07] | 井古綆 | 「賀新年(四)」 | 七言絶句 | |
[08] | 井古綆 | 「賀新年(五)」 | 七言絶句 | |
[09] | 井古綆 | 「賀新年(六)」 | 七言絶句 | |
[10] | 井古綆 | 「思新年(一)」 | 七言絶句 | |
[11] | 井古綆 | 「思新年(二)」 | 七言絶句 | |
[12] | 井古綆 | 「思新年(三)」 | 七言絶句 | |
[13] | 展陽 | 「賀新年」 | 七言絶句 | |
[14] | 常春 | 「賀新年(一)」 | 七言絶句 | |
[15] | 常春 | 「賀新年(二)」 | 七言絶句 | |
[16] | 常春 | 「賀新年(三)」 | 七言律詩 | |
[17] | 謝斧 | 「賀新年」 | 七言律詩 | |
[18] | 謝斧 | 「賀新年連作五首 其之一」 | 七言絶句 | |
[19] | 謝斧 | 「賀新年連作五首 其之二」 | 七言絶句 | |
[20] | 謝斧 | 「賀新年連作五首 其之三」 | 七言絶句 | |
[21] | 謝斧 | 「賀新年連作五首 其之四」 | 七言絶句 | |
[22] | 謝斧 | 「賀新年連作五首 其之五」 | 七言絶句 | |
[23] | 忍夫 | 「賀新年(一)」 | 七言絶句 | |
[24] | 忍夫 | 「賀新年(二)」 | 七言律詩 | |
[25] | 明鳳 | 「賀新年(一)(星之願)」 | 七言絶句 | |
[26] | 明鳳 | 「賀新年(二)(初詣)」 | 七言絶句 | |
[27] | 明鳳 | 「賀新年(三)(「初」字盡)」 | 五言律詩 | |
[28] | 明鳳 | 「賀新年(四)(期待冬季五輪)」 | 七言絶句 | |
[29] | 明鳳 | 「賀新年(五)(新春苦吟愚懷)」 | 七言絶句 | |
[30] | 鮟鱇 | 「賀新年」 | 七言絶句 | |
[31] | 鮟鱇 | 「賀新年」 | 七言律詩 | |
[32] | 鮟鱇 | 「飲酒午眠而夢」 | 七言絶句 | |
[33] | 鮟鱇 | 「欲冩新歳賀詞而午睡」 | 七言絶句 | |
[34] | 鮟鱇 | 「賀新年我切願 隔句對」 | 七言絶句 | |
[35] | 鮟鱇 | 「賀新年 轆轤體五首(一)」 | 七言律詩 | |
[36] | 鮟鱇 | 「賀新年 轆轤體五首(二)」 | 七言律詩 | |
[37] | 鮟鱇 | 「賀新年 轆轤體五首(三)」 | 七言律詩 | |
[38] | 鮟鱇 | 「賀新年 轆轤體五首(四)」 | 七言律詩 | |
[39] | 鮟鱇 | 「賀新年 轆轤體五首(五)」 | 七言律詩 | |
[40] | 点水 | 「賀新年」 | 七言絶句 | |
[41] | 禿羊 | 「賀新年 新年述懐」 | 七言絶句 | |
[42] | 杜正 | 「賀新年」 | 七言絶句 | |
[43] | 兼山 | 「賀新年」 | 七言絶句 | |
[44] | 菊太郎 | 「賀新年」 | 七言絶句 | |
[45] | 緑風 | 「賀新年」 | 七言絶句 | |
[46] | 桐山人 | 「賀新年(早梅)」 | 七言絶句 | |
[47] | 桐山人 | 「賀新年(新歳芳宴)」 | 七言絶句 |
[賀新年(与友賀新年)]
放歌狂飲与朋談 放歌 狂飲して 朋と談ず。
況是新春日正酣 況や是れ新春 日 正に酣なり
人世此時長可好 人世 此の時 長しえに好かるべし
千秋萬歳亦宜耽 千秋萬歳 亦た宜しく耽(たのし)まん
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[02]
投稿者 玄齋
[賀新年(一)]
迎新毎憶舊年慚 新を迎えて毎に憶う旧年の慚
宿志嘆吟空再三 宿志 嘆吟すること空しく再三
幸得良師詩酒會 幸いに良師を得る詩酒の会
何時四坐入玄談 何れの時か四坐 玄談に入らん
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[03]
投稿者 玄齋
[賀新年(二)]
年來窮境已難堪 年来の窮境 已に堪へ難きも
窺見前途苦亦甘 前途を窺ひ見れば 苦も亦た甘し
出谷早鶯啼雪上 谷を出づる早鶯 雪上に啼き
行逢梅朶樂春探 行々梅朶に逢うて 春探を楽しまん
<解説>
国内の状況が厳しい中、「賀新年」というお題も大変難しいですが、何とか絶句を作ってみました。
今年はもっと明るい世の中になることを願っています。
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[04]
投稿者 井古綆
[賀新年(一)]
瑞気蓬蓬及草庵 瑞気蓬々 草庵に及び
乾坤晴朗意央曇 乾坤晴朗なれど 意央(なか)ば曇る
環球温暖無良法 環球の温暖 良法無く
各国商量何処探 各国の商量 何処に探る
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[05]
投稿者 井古綆
[賀新年(二)]
歳暮怱忙歎婦女 歳暮 怱忙 婦女を歎かしめ
新年寛緩喜丁男 新年 寛緩 丁男(ていだん)を喜ばしむ
今朝許可貧家禁 今朝 許すべし 貧家の禁、
合酔桃源濁酒甘 合(まさ)に桃源に酔ふべし 濁酒の甘
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[06]
投稿者 井古綆
[賀新年(三)]
去歳無端襲豪雨 去歳 端無くも 豪雨に襲はれ
今年有待啓重曇 今年 待つ有り 重曇(ちょうどん)の啓くを
任他拙政屏営跌 任他(さもあればあれ) 拙政の 屏営(へいえい)の跌、
不管屠蘇慢慢含 管せず 屠蘇 慢々と含む
「屏営」: うろうろすること
「慢慢」: ゆっくりと
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[07]
投稿者 井古綆
[賀新年(四)]
年初神仏罩心参 年初 神仏 心を罩めて参ずるも
福沢尊翁避草庵 福沢尊翁 草庵を避く
遮莫清貧普詩客 遮莫(さもあればあれ) 清貧は 詩客に普(あまね)し
人生識足苦懐甘 人生 足るを識れば 苦懐甘し
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[08]
投稿者 井古綆
[賀新年(五)]
馬齢九八更加三 馬齢 九八 更に三を加へ
亦迓新年柏酒含 亦 新年を迓へて 柏酒を含む
福沢先生無投宿 福沢先生の 投宿無きも
初光均等訪蝸庵 初光は均等に 蝸庵(かあん)を訪ふ
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[09]
投稿者 井古綆
[賀新年(六)]
老去迎春作善男 老去 迎春 善男と作り
曳筇村社罩心参 村社に筇を曳いて 心を罩めて參ず
千家幸福加私欲 千家の幸福 加へて私欲
三盞屠蘇一蜜柑 三盞の屠蘇 一蜜柑
「盞」: さかずき
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[10]
投稿者 井古綆
[思新年(一)]
年来政策正邪含 年来の政策 正邪含む
野満遺賢隠遁罩 野に遺賢満ちて 隠遁罩(なが)し
景気蕭条匪他任 景気の蕭条たるは 他の任に匪らず
路頭失職幾人堪 路頭の失職 幾人か堪へん
「覃」: 長い
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[11]
投稿者 井古綆
[思新年(二)]
吹毛玉作述珍談 玉作に毛を吹いて 珍談を述べ
歳末蘇醒折筆慙 歳末 蘇醒して 筆を折って慙じる
天唾如同布麦浪 天に唾(つばき)するは 如同(さながら) 布麦浪(ブーメラン)
相公陳謝箴言含 相公の陳謝 箴言(しんげん)含む
「蘇醒」: ハットしてわれにかえる
「天唾」: 仰天而唾
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[12]
投稿者 井古綆
[思新年(三)]
拙哉民主罷図南 拙なる哉 民主は図南を罷め
有望青年遊手覃 有望なる青年 遊手覃(なが)し
勿与千金害矜恃 千金を与へて 矜恃を害する勿れ
須教就職伐新参 須らく就職を教て 新参を伐(ほこ)らしむるべし
「図南」: ここでは公共工事をいう
「拙哉」: 公共工事をやめるならば前もって代替案がなければ国家経済が沈滞・停止する。
「遊手」: 有能な人材が不本意に遊んで生活している
「千金」: それによって失業者の増加による、生活保護法をさす
「新参」: 善意に解釈
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[13]
投稿者 展陽
[賀新年]
風軽岸柳映江潭 風は軽やか 岸の柳が江潭に映る
浴日汀邊水透藍 日を浴びた 汀の水が藍(あお)く透き通る
初發早梅添雅致 初發(さ)きの早梅 雅致を添へ
擧家歓飲宴闌酣 家挙って歓飲し 宴闌をたのしむ
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[14]
投稿者 常春
[賀新年(一)]
初陽裂闇海紅柑 初陽闇を裂いて海紅柑たり
寒氣侵肌春已含 寒気肌を侵すも春已に含む
舊歳知新萌変革 旧歳 新を知り 変革萌す
今年温故鵠g涵 今年 故を温ね 緑波涵わん
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[15]
投稿者 常春
[賀新年(二)]
大綱一致徹宵談 大綱一致す 徹宵の談
細目縱横北與南 細目縦横たり 北と南
気候課題時不待 気候の課題 時待たず
新年切願実行覃 新年切に願ふ 実行覃(わた)るを
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[16]
投稿者 常春
[賀新年(三)]
大綱一致徹宵談 大綱一致す 徹宵の談
細目縱横北與南 細目縦横たり 北と南
地現氷河無術止 地現わるる氷河止むるに術なし
波昇島嶼不能堪 波昇る島嶼堪える能わず
先進矜持鴻鵠志 先進矜持すべし鴻鵠の志
後追無陥虎狼貪 後追お陥いるなかれ虎狼の貪
気候課題時不待 気候の課題 時待たず
新年切願実行覃 新年切に願う 実行覃わたるを
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[17]
投稿者 謝斧
[賀新年]
清旦迎新賀會酣
勸朋藍尾酌杯三
兒遊竹馬冒寒嬉
人改桃符除厄堪
試筆吟哦磨紫石
圍炉笑話剥黄柑
今春家國風波惡
冗子不關慵裏貪
「冒寒嬉 ●○●」
「除厄堪 ○●◎」孤仄
孤仄能拯孤平 是呉體也 杜工部多用是拗體也
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[18]
投稿者 謝斧
[賀新年 連作五首 其之一]
斎沐C心拝佛龕 斎沐心をCめて佛龕を拝し
邦家安穏化周覃 邦家安穏 化周り覃ぶ
人鳴爆竹新正賀 人は爆竹を鳴して 新正を賀し
茅屋陶然詩酒耽 茅屋陶然として 詩酒を耽まん
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[19]
投稿者 謝斧
[賀新年 賀新年 連作五首 其之二]
邦家土俗淑C覃 邦家の土俗 淑C覃く
先慶瑤春瑞色含 先づ慶ぶ瑤春の 瑞色を含む(慶仄用)
旦旭祈年進椒酒 旦旭に祈年して椒酒を進め
人人祚慶賀筵酣 人人祚慶 賀筵酣なり
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[20]
投稿者 謝斧
[賀新年 賀新年 連作五首 其之三]
旭日曈曈万戸覃 旭日曈曈万戸に覃び
邦家民庶泰平耽 邦家の民庶 泰平耽しむ
桃符更得希髏キ 桃符を更り得て 髏キを希い
爆竹聲中椒酒甘 爆竹聲中 椒酒甘し
<解説>
「爆竹聲中椒酒甘」: 剽窃句 「爆竹聲中一歳除」王安石
自知不及原詩 可羞
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[21]
投稿者 謝斧
[賀新年 連作五首 其之四]
民庶窘窮何可堪 民庶窘窮して 何んぞ堪う可けんや
世情景況險艱諳 世情の景況に 險艱諳んず
今朝迎歳蝸廬穩 今朝歳を迎えば 蝸廬穩かに
試筆平安洗硯潭 平安を試筆して 硯潭を洗う
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[22]
投稿者 謝斧
[賀新年 連作五首 其之五]
糊塗廟議弄朝三 糊塗の廟議 朝三を弄し
擲舊迎新空忍慙 舊を擲うち新を迎えては 空しく慙を忍ばん
冗子書來一年計 冗子書し來る一年の計
艱難國歩向誰談 艱難たる國歩 誰に向って談ず
<解説>
「朝三」: 朝三暮四 『荘子』
「書來一年計」: 和臭 日本之風習也
當年頭而定一計 俗謂曰「一年之計在元旦矣」
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[23]
投稿者 忍夫
[賀新年(一)]
除夕閑寂村外庵 除夕 閑寂 村外の庵
梵鐘浄韻又箴貪 梵鐘の浄韻又貪りをいましむ
明珠在掌真知足 明珠 在掌 真に足るを知らば
炉畔一家聞笑談 炉畔に一家 笑談を聞く
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[24]
投稿者 忍夫
[賀新年(二)]
東山旭日洛中庵 東山の旭日 洛中の庵
夢想瑞祥桃里南 瑞祥を夢想すれば、桃里の南
白虎耐霜嘯険岳 白虎は霜に耐えて険岳に嘯き
青龍待暖臥深潭 青龍は暖を待ちて深潭い臥す
寿松親世千余歳 寿松の世に親しむこと千年余
行路逢春四十三 行路の春に逢うこと四十三
先喜健康宜買酔 先ず健康を喜び、宜しく酔いを買ひ
一家守拙只箴貪 一家拙を守りて、只貪りをいましむ
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[25]
投稿者 明鳳
[賀新年(一)(星之願)]
新春祈願太虚潭 新春に祈願する 太虚の潭(ふち)
雙子宮光天頂探 双子宮(ジェミニ)の光 天頂に探れば
微隕流星明滅速 微(かす)かに隕(お)つる流星は 明滅して 速(はや)し
白駒過隙祷成三 白駒過隙(はっくかげき)に 祷(いのり)は 三を 成す
<解説>
昨秋10月の「オリオン座流星群」に続き、旧臘には「ふたご座流星群」が観測され、新しい年の安寧を、星空に願ってみた。
「太虚」: 大空
「雙子宮」: 双子座=ジェミニ
「白駒過隙」: 甚だ速いこと(ヒマ ユク コマノ アシ ハヤシ)
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[26]
投稿者 明鳳
[賀新年(二)(初詣)]
群聨初詣列 群がり 聯なる 初詣の 列
求福衆推参 福を 求めて 衆は 推参す
盡日鐘聲遍 尽日の 鐘声は 遍(あまね)く
新春縁起担 新春には 縁起 担(かつ)ぐ
<解説>
不況下の初詣は、却って人出が多かったとの由。
「推参」: 押しかける
「盡日」: 大晦日、みそか、
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[27]
投稿者 明鳳
[賀新年(三)(「初」字盡)]
初春文字飲 初春(はつはる)は 文字の 飲
初句伴清談 初句(しょく)は 清談に 伴ふ
初夢幾旋態 初夢(はつゆめ)は 幾たびか 態(すがた)を 旋(か)へ
初音已度三 初音(はつね)は 已(すで)に 三に 度(わた)る
初心詞作賦 初心(しょしん)の 詞(ことば)は 賦を 作り
初見趣宜耽 初見(しょけん)の 趣(おもむき)は 耽るに 宜し
初日志嚴在 初日(しょじつ)には 志(こころざし) 厳として 在(あ)るも
初更一笑堪 初更(しょこう)には 一笑に 堪(た)ふ
<解説>
「年の初めの ためし とて・・・」の愚懐です。
「文字飲」: 詩会のこと
「初夢」: 「一富士、二鷹、三茄子」は「ぶじ、高し、成す、」で、初夢には縁起が良い例え
「初音」: 鶯の初啼き
「初更」: (五更の一)夜七時〜九時頃、
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[28]
投稿者 明鳳
[賀新年(四)(期待冬季五輪)]
客臘競雄淘汰堪 客臘(かくろう)には雄を競って 淘汰に堪へ
滑氷滑雪策凝探 滑氷(かっぴょう)滑雪(かっせつ)に 策を凝(こ)らして探る
金銀銅賞不如勝 金銀銅の賞は 勝つに如(し)かず
冬季五輪榮譽三 冬季五輪の 栄誉は三つ
<解説>
カナダ・バンクーバーに於ける「冬季オリンピック」も間近で、暮れにスキー・スケート競技共に熾烈な代表選定に覇を競ったことで、本番では、金・銀・銅の表彰台入賞が大いに期待される。
「客臘」: 旧臘(昨年十二月)=「旧臈」とも書く
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[29]
投稿者 明鳳
[賀新年(五)(新春苦吟愚懷)]
詩嚢無想案頻探 詩嚢に想無く 案頻りに探れば
放馥屠蘇銘酊談 馥(ふく)を放つ屠蘇に 銘酊して談ず
何料阿蒙空碌碌 何ぞ料(はか)らん 阿蒙は空しく碌々(ろくろく)
新春旭日夢圖南 新春の旭日に 図南(となん)を夢む
<解説>
新年を賀す句をひねるも、相変わらずの拙吟と駄吟ばかり、起承転結や典故どころか、平仄合わせに、汲々するばかりの体たらくです。
「阿蒙」: (呉下阿蒙より)愚か者のこと
「碌碌」: 平凡で役立たずなこと
「圖南」: (図南鵬翼より)大事業を企てること、
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[30]
投稿者 鮟鱇
[賀新年]
醉賀新年午夢酣, 酔って新年を賀せば午夢 酣(たけなわ),
詩魔作虎臥龍潭。 詩魔 虎となって龍潭に臥す。
鬼謀善借龍纏繞, 鬼謀 善く龍の纏繞するを借り,
虎口拔牙醒草庵。 虎口に牙を抜いて草庵に醒む。
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[31]
投稿者 鮟鱇
[賀新年]
寅時悪夢遶龍潭, 寅時の悪夢 竜潭をめぐり,
虎口逃生醒草庵。 虎口より逃れて生きて草庵に醒む。
將飲屠蘇賀新歳, 将に屠蘇を飲んで新歳を賀さんとし,
試揮禿筆畫肥甘。 試みに禿筆を揮って肥甘(ごちそう)を画く。
長街企業關門戸, 長街の企業は門戸を関(とざ)し,
陋巷寒家無酒壜。 陋巷の寒家に酒壜なし。
但願寰球復經濟, 但(ただ)に願う 寰球 経済を復し,
青年得志各圖南。 青年 志を得て各(おのおの)図南せんとするを。
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[32]
投稿者 鮟鱇
[賀新年 飲酒午眠而夢]
椒酒洗塵風味甘, 椒酒 塵を洗って風味甘く,
蠹魚枕臂夢圖南。 蠹魚 臂に枕して夢に図南す。
蕩搖韻尾游辭海, 韻尾の辞海に游(およ)ぐを蕩揺(ゆら)し,
獨擅硯池如玉潭。 硯池の玉潭のごときを独(ひと)り擅(ほしいまま)にす。
老作愁人知緑水, 老いて愁人と作(な)りて知る 緑水の,
清流心鏡映青嵐。 清らかに流れて心鏡に青嵐を映ずるを。
大鵬張翼江湖上, 大鵬 翼を張れり 江湖の上,
但願地球常湛藍。 但に願う 地球の常に湛藍(あお)きを。
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[33]
投稿者 鮟鱇
[欲冩新歳賀詞而午睡]
曙色燒雲天厭舊, 曙色 雲を焼いて天 旧を厭い,
詩人磨墨意圖南。 詩人 墨を磨いて意は図南せんとす。
迎新求句騎鵬翼, 迎新の句を求めて鵬翼に騎し,
慨世飛聲坐草庵。 慨世の声を飛ばして草庵に坐す。
仁恤哀鴻鳴陋巷, 仁恤(あわれ)めば 哀鴻 陋巷に鳴き,
筆誅汚吏落深潭。 筆誅すれば 汚吏 深潭に落つ。
屠蘇生幻轉荒誕, 屠蘇 幻を生じてうたた荒誕,
暫枕閑肱午睡酣。 暫く閑肱に枕して午睡酣なり。
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[34]
投稿者 鮟鱇
[賀新年我切願 隔句對]
新歳賀詞金句銹, 新歳の賀詞 金句の銹(さび),
舊翁閑語碧山庵。 旧翁の閑語 碧山の庵(いおり)。
寰球經濟猶牛歩, 寰球経済なお牛歩するごとく,
論客花言擅政談。 論客の花言 政談を擅にす。
陋巷公民如虎踞, 陋巷の公民 虎踞するごとく,
詩人刀筆斬烟嵐。 詩人の刀筆 煙嵐を斬る。
老殘裁賦無權力, 老残 賦を裁するも権力なく,
但願青年出湛藍。 但に願う 青年の湛藍より出づるを。
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[35]
投稿者 鮟鱇
[賀新年 轆轤體五首(一)]
詩魔陪酒坐茅庵, 詩魔 酒に陪して茅庵に坐し,
愚叟揮毫畫旨甘。 愚叟 毫を揮って旨甘(うまいもの)を画く。
先賀新年擅金盞, 先ず新年を賀して金盞を擅にし,
共排舊弊入清談。 共に旧弊を排して清談に入る。
寰球經濟低迷久, 寰球経済 低迷して久しく,
環境問題昏昧覃。 環境問題 昏昧にして覃なり。
老骨雖賢已無力, 老骨 賢なりと雖も已に力なく,
祈求時運避龍潭。 時運の竜潭を避くるを祈求(いの)る。
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[36]
投稿者 鮟鱇
[賀新年 轆轤體五首(二)]
老骨多情輕世路, 老骨 多情にして世路を軽んじ,
詩魔陪酒坐茅庵。 詩魔 酒に陪して茅庵に坐す。
傾杯閑話愚生醉, 杯を傾け閑話して愚生酔い,
信口高歌壽宴酣。 口に信(まか)せ高歌して寿宴酣(たけなわ)なり。
子夜鐘聲生虎口, 子夜の鐘声 虎口に生じ,
寅時蝶夢遶龍潭。 寅時の蝶夢 竜潭を遶る。
遊魂振羽逃千里, 遊魂 羽を揮って逃れること千里,
共賀新年嘗旨甘。 共に新年を賀して旨甘(うまいもの)を嘗めり。
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[37]
投稿者 鮟鱇
[賀新年 轆轤體五首(三)]
寅時醉夢遶龍潭, 寅時の醉夢 竜潭を遶り,
虎口餘生醒斗南。 虎口の餘生 斗南に醒む。
愚叟揮毫畫盤盞, 愚叟 揮毫して盤盞を画き,
詩魔陪酒坐茅庵。 詩魔 酒に陪して茅庵に坐す。
風流厭舊擅空想, 風流 旧を厭いて空想を擅(ほしいまま)にし,
韻事憐新多戲談。 韻事 新を憐れんで戯談多し。
乘興彈琴競高唱, 興に乗り琴を弾いて高唱を競えば,
詞華萬首口邊甘。 詞華万首 口辺に甘し。
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[38]
投稿者 鮟鱇
[賀新年 轆轤體五首(四)]
新旭燒雲天厭舊, 新旭 雲を焼いて天 旧を厭い,
大鵬張翼我圖南。 大鵬 翼を張りて我は南へ図る。
嘘呵凍硯磨香墨, 嘘呵して凍硯に香墨を磨き,
夢想飛仙攜旨甘。 夢想すれば飛仙 旨甘を携う。
騷客搖唇擅章句, 騷客 唇を揺らして章句を擅にし,
詩魔陪酒坐茅庵。 詩魔 酒に陪して茅庵に坐す。
共乘吟興無聲病, 共に吟興に乗って声病なく,
恰似黄鶯啼碧嵐。 恰も似たり 黄鶯の碧嵐に啼くに。
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[39]
投稿者 鮟鱇
[賀新年 轆轤體五首(五)]
財神牛歩遶龍潭, 財神 牛歩して龍潭を遶り,
經濟蕭條愁廣覃。 経済 蕭条として愁い広覃。
難賀新年硯池凍, 新しき年を賀しがたくして硯池 凍り,
苦吟拙句菲才慙。 拙き句を苦吟して菲才 慙ず。
守株待兎妄空想, 株を守り兎を待って妄りに空想し,
枕臂游魂擅暢談。 臂を枕に魂を遊ばし擅に暢談す。
老骨披襟對花貌, 老骨 襟を披いて花貌に対し,
詩魔陪酒坐茅庵。 詩魔 酒に陪して茅庵に坐す。
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[40]
投稿者 点水
[賀新年]
初陽燦燦照茅庵 初陽は燦燦と茅庵を照らす
閑酌屠蘇就半酣 屠蘇を閑酌 すなわち半酣
喜悦今朝齢七八 喜悦す 今朝 齢 七八
仍然康健又凝湛 仍然として 康健また凝湛なるを
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[41]
投稿者 禿羊
[賀新年 新年述懐]
元日朝餐緑酒甘 元日の朝餐 緑酒甘なり
竊期絶嶮陟巌探 竊かに期す 絶嶮 巌を陟りて探らんことを
去年傷毀戒吾暴 去年の傷毀 吾が暴なることを戒むも
逼塞坊中非所堪 坊中に逼塞するは堪ふる所に非ず
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[42]
投稿者 杜正
[賀新年]
天地歳朝春已含 天地 歳朝 春 已(すで)に含む
街頭賀客酔顔談 街頭の賀客 酔顔の談
敲門喜溢拝年信 門を敲(たた)く 喜び溢るる 拝年の信
雪解梅花来自南 雪解けて 梅花 南より来たる
<解説>
天地に元旦が訪れ 春の兆しが見えている
街頭に年賀で訪れている人々は 酔顔で会話している
郵便配達の人が来て 喜び溢れる年賀状を届けてくれる
雪は解け もう梅花の便りが南からやってきた
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[43]
投稿者 兼山
[賀新年]
般若摩訶佛典耽 般若 摩訶 佛典に耽ず
皆空五蘊不能探 皆空 五蘊 探ずること能はず
賀春如此尋常事 賀春 此(かく)の如く 尋常の事
犬馬之齢何用慙 犬馬の齢 何ぞ慙づることを用ゐんや
<解説>
「摩訶般若犬馬の齢屠蘇の味」
「般若心経」: 摩訶般若波羅蜜多心経、略称・心経。
「摩訶」: 優れていること。偉大なこと。
「般若」: 修行の結果として得られた悟りの智慧。
「五蘊」: 物質と精神を五種(色受想行識)に分類。
「犬馬之齢(齒)」: 自分の年齢を謙遜して言う言葉。
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[44]
投稿者 菊太郎
[賀新年]
瑞気氤氳盈草庵 瑞気
児孫藹藹共歓談 児孫 藹藹として 共に歓談す
古稀雖近老身健 古稀 近しと雖も 老身健なり
椒酒三杯酔興酣 椒酒三杯 酔興 酣なり
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[45]
投稿者 緑風
[賀新年]
革命年明経済曇 革命の年明くも 経済曇り
政論迷走庶民堪 政論迷走 庶民は堪ふるのみ
臥薪嘗胆古新語 臥薪嘗胆 古く新しき言葉
浮世馴貧辛苦湛 浮世の貧に従えば 辛苦も楽し
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[46]
投稿者 桐山人
[賀新年(早梅)]
朔風凛凛雪花參 朔風凛凛 雪花参り
早曉踏霜衰草潭 早暁 霜を踏む 衰草の潭
春意往尋何處水 春意 往き尋ねん 何処の水
纔知疎影暗香甘 纔かに知る 疎影 暗香の甘きを
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[47]
投稿者 桐山人
[賀新年(新歳芳宴)]
舊知故友集茅庵 旧知の故友 茅庵に集ひ
滿座笑声寧日談 満座の笑声 寧日の談
一酌一吟新歳賦 一酌一吟 新歳の賦
春風剪剪小庭南 春風剪剪たり 小庭の南
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