第19回 世界漢詩同好会総会(二〇〇七年十月十九日)

 『世界漢詩同好会』の第19回総会は、10月19日に開かれました。
 詩題(今回は『重陽楓菊』)と押韻(今回は「下平声四豪」)として、その日までに各国の幹事サイトに投稿された詩を交流し合うものです。
 日本では、この『漢詩を創ろう』のサイトが幹事となり、皆さんの交流詩を集約、掲載します。



 日本からの参加詩です。投稿順に紹介します。
 
]  井古綆       「重陽楓菊」         七言律詩
]  謝斧        「重陽楓菊」         七言律詩
]  楊振福       「重陽楓菊」         七言律詩
]  海山人       「重陽楓菊」         五言絶句
]  香@風       「重陽楓菊  過彦根城」   七言絶句
]  橋 子沖     「重陽秋思」         七言絶句
]  橋 子沖     「重陽感慨」         七言絶句
]  Y.T       「九月九日独登高」      七言絶句
]  宮前 明鳳     「重陽楓菊」         七言絶句
10]  宮前 明鳳     「重陽菊酒考」        七言絶句
11]  宮前 明鳳     「重陽楓菊」         七言律詩
13]  登 龍       「重陽楓菊」         七言絶句
13]  点 水       「重陽楓菊」         七言絶句
14]  博 生       「重陽楓菊」         七言絶句
15]  観 水       「重陽楓菊」         七言絶句
16]  観 水       「重陽楓菊」         七言絶句
17]  鮟 鱇       「重陽楓菊」         五言絶句
18]  鮟 鱇       「重陽楓菊」         六言絶句
19]  鮟 鱇       「重陽楓菊」         七言絶句
20]  鮟 鱇       「重陽楓菊」         五言律詩
21]  鮟 鱇       「重陽楓菊」         七言律詩
22]  杜 正       「重陽菊発与天高」      七言絶句
23]  嗣 朗       「重陽楓菊」         七言絶句
24]  玄 齋       「重陽楓菊」         七言絶句
25]  常 春       「重陽楓菊」         七言絶句
26]  禿 羊       「看野菊」          七言絶句
27]  桐山人       「重陽登高」         七言絶句


番号をクリックして下さい。















[1]
投稿者 井古綆 

[重陽楓菊]

紅楓金粟亦遇遭   紅楓金粟 亦た遇遭

誰連足疾誘登高   誰か足疾を連れて登高に誘はんや

詩人難執案頭筆   詩人執り難し 案頭の筆

酔客易斟厨下醪   酔客斟み易し 厨下の醪(ろう)

模擬淵明令菊泛   淵明に模擬して菊をして泛(はん)せしめ

追随子美使禅逃   子美に追随して禅をして逃(とう)ぜしむ

多年偓促轗軻耳   多年偓促するも轗軻(かんか)のみ

此日開襟作酒豪   此の日開襟して酒豪と作らん


「金粟」=菊花
「厨下」=厨房
「醪」=にごり酒
「追随子美」=杜甫の詩句を使用しただけ
「轗軻」=好機に恵まれず志を得ないこと



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[重陽楓菊]
投稿者 謝斧 

[2]

登来山閣約吾曹   山閣に登り来りて 吾曹と約し

今日佩萸重九遭   今日萸を佩びて 重九に遭ふ

素艶黄英香郁郁   素艶黄英 香郁郁

濁醪緑蟻興陶陶   濁醪緑蟻 興陶陶たり

挙杯歓笑菊花宴   杯を挙げ歓笑す 菊花の宴

倚檻俯臨楓樹皐   檻に倚り俯臨す 楓樹の皐

勿道明年難再会   道ふ勿れ 明年再びは会ひ難しと

即時酣酔共遊敖   即時酣酔して共に遊敖すべし



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[3]
投稿者 楊振福 

[重陽楓菊]

歳至重陽雅興豪   

寧揮禿筆罷登高   

思馳天下尋詩料   

鬚撚窗前酌素醪   

菊傲霜枝黄笑日   

楓酣露葉赤迷皋   

丹誠靖節為人本   

歸去來辭讀晉陶   



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[4]
投稿者 海山人 

[重陽楓菊]

皆人期長命   皆人 長命を期して

菊酒於登高   登高して菊酒す

早晩花凋去   早晩 花は凋みつきるに

磐松不絶濤   磐松 絶えざるの濤



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[5]
投稿者 黒浴@

[重陽楓菊 過彦根城]

重陽漫歩佇城濠   重陽 漫歩 城濠に佇む

一陣秋風水似涛   一陣の秋風 水涛のごとし

楼閣三層輪奐聳   楼閣三層 輪奐 聳ゆ

蒼蒼深処菊香高   蒼蒼 深き処 菊香高し



 
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[6]
投稿者 橋 子沖 

[重陽秋思]

重陽秋気翆峰高   重陽秋の気 翆の峰は高く

淡淡天河万里翱   淡々たる天河 万里に翱ける

独坐机前残世思   一人机の前に坐し 残世の思ひ

酔余啜茗愧霜毛   酔余 茗を啜れば 白髪を恥ず



重陽秋の翆峰と天河を見、
残りの人生を思い、現在の白髪の年を恥じる。


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[7]
投稿者 橋 子沖 

[重陽感慨]

村巷気清紅葉敖   村の巷は気は清く 紅葉は敖る

虫声草屋夜陰囂   虫の声 草屋 夜陰にかまびすしい

祈念福寿重陽酒   福寿を祈念す 重陽の酒

宿志微吟意気高   宿志を微かに吟ずれば 意気は高し



重陽紅葉はおごり、虫の音はかまびすしい。
福寿を願う重陽の酒、宿志を微かに吟ずれば、まだ意気は高い。



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[8]
投稿者 Y.T 

[九月九日独登高]

衰年落托独登高   衰年 落托 独り高みに登れば

野菊揺風秋蛬號   野菊は 風に揺らいで 秋蛬は號(な)く

重陽歳歳催人老   重陽 歳歳 人の老いるを催す

記得往時涙浥袍   往時 記し得て 涙 袍を浥ほす



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[9]
投稿者 宮前明鳳 

[重陽楓菊]

重陽佳節鄙郊遨   重陽の 佳節 鄙郊(ひこう)に 遨(あそ)べば

自遠方來不覺勞   遠方より 来るも 労を 覚えず

信歩觀楓風日麗   歩に 信(まか)せて 楓を 観(み)れば 風日 麗(うるわ)しく

踰牆賞菊萬株豪   墻(かき)を 踰(こ)え 菊を 賞(め)でれば万株(ばんしゅ) 豪(さか)んなり



 今夏は、祝融(夏の神)のご機嫌が斜めであった為か、9月迄猛暑と残暑が厳しく、漸く10月になって凌ぎ易くなった。
 是恰も、季節は旧暦に従った方が良いかとも感じ、一日近郊を歩き回った感興です。

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[10]
投稿者 宮前明鳳 

[重陽菊酒考]

重陽菊酒問時號   重陽の 菊酒に 時号を 問へば

樽詰熟成天所褒   樽詰めに 熟成するは 天の 褒する 所

冷卸生罎齎浩飲   冷卸(ひやおろ)しの 生壜(なまびん)は 浩飲を 齎(もたら)し

紅楓醉歩醸風騒   紅楓に 酔歩して 風騒を 醸(かも)す



重陽の菊酒考−(秋の地酒−石川のひやおろし)

*註)
「時號」=「時豪」=其の時の評判が高い物、
「風騒」=誌文を作ること、即ち、風雅韻事のこと。)

 冬に醸造した清酒をひと夏貯蔵、熟成させた「石川ひやおろし」が「重陽の節句」に合せて限定発売された。
この「ひやおろし」は、半年間貯蔵樽で熟成させた「まろやかさ」と「うま味が」特徴で、火入れせず生詰であるのが良い。

「冷卸」は、「和習(和臭)」の用法なるも、ご寛恕願いたい。



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[11]
投稿者 宮前明鳳 

[重陽楓菊]

重陽佳節憶登   重陽の 佳節 登高を 憶(おも)へば

滿地玲瓏遍九皋   満地 玲瓏として 九皐(きゅうこう)に 遍(あまね)し

賞菊牆邊香馥郁   賞菊の 墻辺(しょうへん) 香り 馥郁として

觀楓陂上彩周遭   観楓の 陂上(はじょう) 彩(いろどり)は 周遭す

過垣繞屋感搖落   垣を 過ぎ 屋を 繞(めぐ)れば 揺落を 感じ

信歩隨風散鬱陶   歩に 信(まか)せ 風に 随へば 鬱陶を 散ず

偶會有朋謀小酌   偶会の 朋 有りて 小酌を 謀(はか)れば

C談歡醉酒爭豪   清談 歓酔して 酒は 豪を 争ふ



 九月十四日、鈴木先生が金沢に来られた。時恰も「重陽の佳節」でもあり、一夕「地酒の冷酒(石川ひやおろし)」で清談・浩飲・歓酔した。

註)
*「登」=旧暦九月九日に、茱萸(しゅゆ)の実を頭に飾り、丘に登って菊酒をのむ風習、(杜甫に「登高」の七律有り。)
*「九皋」=曲がりくねって奥深い沢、
*「陂上」=犀川の岸堤辺から山並みを望む当り、
*「周遭」=めぐりあう、
*「搖落」=落葉の風情、
*「酒爭豪」=「一杯一杯復一杯」の感じ。



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[12]
投稿者 登龍 

[重陽楓菊]

重陽正好興偏豪   重陽正に好し興偏に豪なり

楓葉経霜賦彩毫   楓葉霜を経て彩毫賦す

共賞金葩誰所識   共に賞す金葩誰か識る所ぞ

晩粧客舎被人褒   晩粧客舎人に褒めらる



起句 重陽ちょうど好し面白さが増す
承句 楓葉は霜を経て見事な筆で詩を書く
轉句 共に賞す金色の花びら誰が知っているだろうか
結句 秋の暮れの装い人に褒めらる


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[13]
投稿者 点水 

[重陽楓菊]

涼風不起暑難逃   涼風起きず 暑さ逃れがたし

九月依然流汗勞   九月 依然として 流汗の勞

紅葉黄花猶可待   紅葉 黄花 猶待つべし

奈何缺菊酒登高   奈何せん 菊酒を缺きて 高きに登るを




今年の夏の暑さはいつまでも続き、紅葉も菊も例年よりずっと遅れるでしょう。


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[14]
投稿者 博生 

[重陽楓菊]

重陽佳節菊香高   重陽の佳節 菊香高し

楓葉未然期錦袍   楓葉未だ然えず 錦袍をまつ

老願延年是若為   老いて延年を願ふ 是れいかんぞ

静思餘命酌醇醪   静かに餘命を思い 醇醪を酌む



重陽の佳き日、人皆長寿を願うと云う
年老いた身、なお長生を欲するか
これは一考せずばなるまい。


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[15]
投稿者 観水 

[重陽楓菊]

九日上山天倍高   九日 山に上れば 天 倍(ますます)高く

爽風吹髮入征袍   爽風 髪を吹いて 征袍に入る

東籬菊與楓林晩   東籬の菊と 楓林の晩と

歩歩吟詩不覺勞   歩歩 詩を吟じて 労を覚えず



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[16]
投稿者 観水 

[重陽楓菊]

白秋光景好   白秋 光景好し

青眼共詞曹   青眼 詞曹と共にす

黄菊千山搖   黄菊 千山

金風萬里號   金風の 万里に号するに 揺らぎ

紅楓十方映   紅楓 十方

銀月一輪高   銀月の 一輪高きに 映ず

緑酒須臾醉   緑酒 須臾にして酔ひ

彩雲收吟袍   彩雲 吟袍に収まる



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[17]
投稿者 鮟鱇 

[重陽楓菊 五絶]

菊花籬底好,   菊花 籬底に好く,

詩客醉如陶。   詩客 醉って陶のごとし。

山道楓紅處,   山道に楓の紅き處,

秋思小杜豪。   秋に思う 小杜の豪なるを。



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[18]
投稿者 鮟鱇 

[重陽楓菊 六絶]

孤老探秋隨歩,   孤老 秋を探ねて歩に随い,

重陽尚古登高。   重陽 古(いにしへ)を尚(とうと)んで登高す。

人傾菊酒盈盞,   人 菊酒の盞に盈つるを傾ければ,

風入紅楓似濤。   風 紅楓の濤(なみ)に似たるに入る。


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[19]
投稿者 鮟鱇 

[重陽楓菊 七絶]

重杯客裡縱芳醪,   杯を重ねて客裡に芳醪を縦(ほしいまま)にし,

陽死官途世外逃。   官途に死すと陽(いつわ)りて世外に逃る。

楓錦纏山紅日落,   楓錦 山に纏(まつわ)りて紅日落ち,

菊花浮酒作詩豪。   菊花 酒の詩豪を作(な)すに浮く。



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[20]
投稿者 鮟鱇 

[重陽楓菊 五律]

官途捨名利,   官途に名利を捨て,

老境愛風騷。   老境に風騒を愛す。

菊酒黄昏夢,   菊酒 黄昏の夢,

楓林紅葉濤。   楓林 紅葉の濤。

浮舟渡天漢,   舟を浮べて天漢を渡り,

乘興作詩豪。   興に乘りて詩豪と作る。

一忘重陽事,   一に忘るる重陽の事,

醒来鴻雁號。   醒め来たらば鴻雁 号(さけ)べり。



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[21]
投稿者 鮟鱇 

[重陽楓菊 七律]

白頭曳杖試登高,   白頭 杖を曳いて登高を試みるも,

山路崎嶇多苦勞。   山路 崎嶇として苦労多し。

喘喘長躯引沈腿,   喘喘として長躯 沈腿を引き,

行行短見想芳醪。   行き行きて短見 芳醪を想う。

途中茶館無天女,   途中の茶館に天女無くも,

時令菊花陪酒豪。   時令の菊花 酒豪に陪す。

未到錦楓堪賞處,   未だ到らず 錦楓の賞するに堪ゆる處,

醉揮詩筆擅風騷。   醉って詩筆を揮い風騒を擅(ほしいまま)にす。



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[22]
投稿者 杜正 

[重陽菊発与天高]

重陽菊発与天高   重陽に菊発(ひら)き 天と高し

探勝楓山脚力労   楓山を探勝すれば脚力 労す

絶壁登攀風籟爽   絶壁の登攀 風籟 爽なり

四望漾漾野如濤   四望すれば漾々(ようよう)と 野 濤の如し



重陽の節句の日に開花した菊が秋の高い空と競い合っているかのようだ。
近くの楓がきれいな山をかなり足が疲れるまで探勝した。
山頂の直前の絶壁を登攀するとき 風の響きが さわやかだった。
山頂で四方を望むと周りの野は濤のように漂っているかのようだ。


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[23]
投稿者 嗣朗 

[重陽楓菊]

菊月窓前白露滔   菊月の窓前 白露滔り

沈沈今夜溯風騒   沈沈たる今夜 風騒を溯る。

年年歳歳望天恵   年年歳歳 天恵を望み

光景錦楓道気高   光景の錦楓 道気高し。



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[24]
投稿者 玄齋 

[重陽楓菊]

回首紅葉落江皋   首を回らせば 紅葉 江皋に落つ

送歩金英照客袍   歩を送れば 金英 客袍を照らす

忽到重陽陶令宅   忽ち到る 重陽 陶令の宅

同斟濁酒忘塵労   同に濁酒を斟みて 塵労を忘れん

   

   

   

   





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[25]
投稿者 常春 

[重陽楓菊]

今日尋詩籬菊路   今日は詩を尋ぬ 籬菊の路

明朝吟詠錦楓濠   明朝 吟詠す 錦楓の濠

重陽行樂亦秋社   重陽の行楽 また秋社あり

無奈神輿少若曹   奈とするも無し 神輿 若曹を少くを



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[26]
投稿者 禿羊 

[看野菊]

重九吟筇独陟高   重九 吟筇 独り高きに陟る

蒼天秋野満蓬蒿   蒼天 秋野 蓬蒿に満つ

山巓野菊靡風在   山巓 野菊の風に靡く在り

愛看驕妍無寸毫   愛し看る 妍を驕ること 寸毫だに無きを



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[27]
投稿者 桐山人 

[重陽登高]

危途曲折一峰高   危途曲折 一峰高く

湧起谿雲天籟号   湧き起くる谿雲 天籟号ぶ

重九秋窮老孤杖   重九 秋は窮まりて 孤杖は老ゆ

衰楓千樹気蕭騒   衰楓千樹 気 蕭騒



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