[1] 井古綆 「陽春煙霞(琶湖舟遊)」 七言律詩
[2] 宮前明鳳 「陽春煙霞」 五言絶句
[3] 宮前明鳳 「陽春煙霞」 七言絶句
[4] Y.T 「陽春見夕陽」 七言絶句
[5] 嗣 朗 「陽春煙霞」 七言絶句
[6] 香@風 「陽春煙霞」 七言絶句
[7] 展 陽 「陽春煙霞」 七言絶句
[8] 橋子沖 「陽春煙霞」 五言律詩
[9] 鮟 鱇 「陽春煙霞 五絶」 五言絶句
[10] 鮟 鱇 「陽春煙霞 五律」 五言律詩
[11] 鮟 鱇 「陽春煙霞 七絶 其一」 七言絶句
[12] 鮟 鱇 「陽春煙霞 七絶 其二」 七言絶句
[13] 鮟 鱇 「陽春煙霞 七律 其一」 七言律詩
[14] 鮟 鱇 「陽春煙霞 七律 其二」 七言律詩
[15] 橋 子沖 「陽春感覚」 七言絶句
[16] 常 春 「陽春煙霞(看農鳥岳残雪)」 七言絶句
[17] 常 春 「陽春煙霞(散策竹林有感)」 七言絶句
[18] 宮前明鳳 「陽春煙霞」 七言律詩
[19] 宮前明鳳 「陽春煙霞無情一」 七言絶句
[20] 宮前明鳳 「陽春煙霞無情二」 五言絶句
[21] 杜 正 「陽春煙霞」 七言絶句
[22] 禿 羊 「陽春煙霞」 七言絶句
[23] 菊太郎 「陽春煙霞」 七言絶句
[24] 登 龍 「陽春煙霞」 七言絶句
[25] 謝 斧 「陽春煙霞」 七言律詩
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[陽春煙霞(琶湖舟遊)]
煙霞痼疾趁春韶 煙霞の痼疾春韶を趁ひ
馳思琶湖心更跳 思ひを琶湖に馳せれば心更に跳ぶ
津港高楼去漸次 津港の高楼は漸次と去り
竹生霊島浮迢遥 竹生の霊島は迢遥に浮ぶ
藍天碧水塵腸洗 藍天碧水に塵腸が洗はれ
仏徳神恩俗念消 仏徳神恩に俗念が消ゆ
麗日舟遊有余得 麗日の舟遊に余得有り
斜陽瞬霎画霓橋 斜陽の瞬霎 霓橋を画く
<解説>
「煙霞痼疾」=山水の美を愛すること
「春韶」=春げしき
「琶湖」=琵琶湖
「津港」=大津港
「迢遥」=迢迢、はるか
「仏徳」=宝厳寺
「神恩」=都久夫須麻神社
「瞬霎」=一瞬の通り雨
「霓橋」=にじ
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[2]
投稿者 宮前明鳳
[陽春煙霞]
亮光金樹粲
無雪廣寒韶 雪 無く 広寒
池畔嫩芽遍 池畔に
靄霞陰翳調
「廣寒」 = 月のこと、(月にあると言う「廣寒府」が由来。)
<解説>
暖冬異変の今年は、雪国の金沢も殆ど無雪で推移しました。例年なら未だ冬とも言うべき3月の初めに、それも満月の夜に春の眺めを詠めるとは思いも寄らぬことでした。
<大意>
満月の3月4日、暖冬無雪の今年は、兼六園の雪吊り樹木に、金箔飾りにライトアップ・イルミネーションが美しく映え、霞ケ池畔に若芽が萌え出して、月輪浩々たる夜景の下、もや霞みの陰翳が見事であった。
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[3]
投稿者 宮前明鳳
[陽春煙霞]
無雪暖冬寒氣凋 無雪の 暖冬に 寒気は 凋み
皇倥偬四温饒 青皇(せいこう)倥偬(こうそう)として 四温 饒(おお)し
催霞雨水春風動 霞を 催す 雨水に 春風 動き
啓蟄以前畦潤苗 啓蟄 以前に 畦(はたけ)は 苗を 潤す
「皇」 = 春の神 = 東皇
「倥偬」 = 忙しく慌しい様
「饒」 = 有り余る程多い。
<解説>
北陸の3月は、例年なら未だ冬の季節で、陽春の吟詠は4月にならないと詩興涌かないことですが、暖冬の今年は早々と春の詠詩に至りました。
<大意>
例年ならシベリアから寒気団が南下して、除雪に忙しい筈なるも、暖冬異変の今年は殆ど雪無しで推移した。その為もあってか、三寒四温の順序も四温ばかりが多く、一足飛びに春の神の出番で、雨水や啓蟄の節気も農暦に外れ、もや霞み棚引く圃(はたけ)には、はや草苗の若芽が萌す風景である。
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[4]
投稿者 Y.T
[陽春見夕陽]
桃花謝了草蕭蕭 桃花 謝り
徧長堤柳眼嬌
嗟歎無計留春住 嗟歎す 春を留め
落日鎔金方寂寥 落日 金を鎔かして 方に寂寥
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[5]
投稿者 嗣朗
[陽春煙霞]
靄霞四望雨晴朝 靄霞 四望 雨晴るの朝
舞動黄鶯影亦跳 舞動く黄鶯 影 亦 跳る
麗日烟光春似画 麗日 烟光 春 画に似るに
桃花入眼一天妖 桃花 眼に入りて一天の妖
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[6]
投稿者 黒浴@
[陽春煙霞]
彌生淡雪蕾萌凋 弥生の淡雪 蕾萌(らいぼう)凋む
古寺山行氣勢銷 古寺山行の気勢 銷す
閉坐繙來同輩句 閉坐し 繙きたる 同輩の句
詩心躍動解寥寥 詩心 躍動し 寥寥解く
<解説>
今年の異常気象(真冬は暖冬春に厳冬)の下での心境を作詩しました。
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[7]
投稿者 展陽
[陽春煙霞]
草木春装鳥語嬌 草木も春の装い 鳥の声が可愛い
堤楊縷縷發青條 堤の柳なよやかに 青い枝を生ずる
敖遊小径忘昏暮 気ままに小道で遊び 日暮れを忘れ
隔水斜陽粲赤霄 水に隔てた斜陽の 赤い空があざやかだ
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[8]
投稿者 橋 子沖
[陽春賛歌]
鳥雀竹林賑
花陰香気漂
煙霞万里定
楊柳眼前揺
日麗美人筆
風清才子簫
乾坤春季回
好日必須驕
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[9]
投稿者 鮟鱇
[陽春煙霞 五絶]
萬紅吐香氣, 万紅 香気を吐き,
千紫亂春朝。 千紫 春朝に乱る。
閑却人間事, 閑却す
唯應探勝漂。 ただ応に
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[10]
投稿者 鮟鱇
[陽春煙霞 五律]
畫筆兩三条, 画筆 両三条,
堪尋花可描。 花の描くべきを尋ぬるに堪えたり。
千紅滿郊野, 千紅 郊野に満ち,
萬紫繞山腰。 万紫 山腰を繞る。
香墨硯池溜, 香墨 硯池に溜り,
飛蚊老眼飄。 飛蚊 老眼に飄う。
K櫻如雪亂, 黒き桜 雪の乱れるが如く,
黄鳥化鴉妖。 黄鳥 鴉の妖しきに化す。
<解説>
飛蚊:飛蚊症により生じる蚊
黒桜:墨で描いた桜
黄鳥化鴉妖:墨で描いたウグイスがカラスのようであること
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[11]
投稿者 鮟鱇
[陽春煙霞 七絶 其一]
櫻雲盛涌月臨宵, 桜雲 盛んに涌いて月は宵に臨み,
堪賞春花如雪飄。 賞するに堪えたり 春の花の雪のごとくに飄えるを。
莫吝千金不沽酒, 千金を
何妨醉筆走箋遙。 何んぞ妨げん 醉筆の 箋を走ること遥かなるを。
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[12]
投稿者 鮟鱇
[陽春煙霞 七絶 其二]
萬紫千紅吐香氣, 万紫千紅 香気を吐き,
一吟十里踏花朝。 一吟十里 花朝を踏む。
櫻雲流處風烟淡, 桜雲流れるところ風煙淡く,
人立長堤詩味饒。 人 長堤に立てば 詩味
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[13]
投稿者 鮟鱇
[陽春煙霞 七律 其一]
夢醒南窗見碧霄, 夢醒めれば南窓に
老殘延壽到花朝。 老残 寿を延ばして花朝に到る。
隨風漫歩春光暖, 風に随い漫に歩めば 春光暖かく,
側耳閑聽鳥語嬌。 耳を
笑入櫻雲賞香雪, 笑って桜雲に入り香雪を賞し,
將揮詩筆坐山腰。 将に詩筆を揮わんとして山腰に坐る。
夕烟流處無聲病, 夕煙流るるところ声病なく,
雅韵玲瓏平仄調。 雅韻 玲瓏にして 平仄調う。
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[14]
投稿者 鮟鱇
[陽春煙霞 七律 其二]
櫻雲盛涌遶溪橋, 桜雲 盛んに涌いて渓橋を遶り,
悦目山光映水搖。 悦目の山光 水に映じて揺らぐ。
花客尋幽列如蟻, 花客 幽を尋ね 列をなして蟻の如く,
詩人覓句醉傾瓢。 詩人 句を覓め 醉って瓢を傾く。
吟爭黄鳥領春晝, 吟じ争えり 黄鳥の春昼を領したると,
看過青娥誇柳腰。 看過ごせり 青娥の柳腰を誇りおるを。
揮筆染箋連鳳字, 筆を揮い箋を染めて鳳字を連ね,
菲才偏靠酒功饒。 菲才 偏えに
[陽春感覚]
漠漠煙霞千里妖 漠々たる煙霞千里に美しく
候禽一路上青霄 渡り鳥は一路青い空に上る
數奇才子筆琴極 数奇の才子の筆(文筆 絵画)琴(音楽)は極まる
春色著人詩味邀 春の景色人にきて詩的興味をむかえる
<解説>
春の自然の景色と、渡り鳥、才子の芸術的感情の高まり、詩的興味の到来を喜ぶ。
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[16]
投稿者 常春
[陽春煙霞(看農鳥岳残雪)]
殘雪鮮明農鳥彫 残雪鮮明 農鳥を彫る
棚田烟淡聽春韶 棚田の烟淡く 春韶を聴く
例年吉兆今秋奈 例年の吉兆 今秋は奈んぞ
逸軌天公恩景饒 逸軌の天公 景饒を恩むや
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[17]
投稿者 常春
[陽春煙霞(散策竹林有感)]
雨晴村落紫霞漂 雨晴れて村落 紫霞漂う
新筍叢生竹葉椒 新筍叢生して 竹葉椒たり
君子宜春拂雲勢 君子春を宜び 雲を拂う勢あり
白頭遲日覺秋凋 白頭遅日 秋凋を覚ゆ
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[18]
投稿者 宮前明鳳
[陽春煙霞]
冬季常年積雪饒 冬季は 常年 積雪
今期異變六花凋 今期の 異変で 六花 凋む
東皇已到寒威滯 東皇 已に 到るも 寒威 滞まり
雁鶴回歸烟霧遙 雁鶴 回帰して 烟霧 遥かなり
水弛蒸霞増暖氣 水 弛み 蒸霞は 暖気を 増し
風和春意集疎條 風 和らぎ 春意は 疎條に 集る
陽光易濕冥濛裏 陽光は 湿り 易し 冥濛の 裏
天惠韶雰詞賦超 天恵の
<解説>
先の参加時は、全くの暖冬異変の感懐であったが、その後「寒の戻り」で「真冬」に逆戻りした様。改めて「陽春烟霞」の感懐を律詩で記してみました。
<大意>
1月2月には殆ど積雪は無かったが、3月になって降雪あり、寒威もぶり返して、暖冬異変も帳消しの感である。それ即ち「寒の戻り」で「真冬」に逆戻りした様。それでも渡り鳥が北へ帰る頃とも相なると、日々暖気も増して、春の霞みは雨模様なるも、その韶華の景色は言葉で表わすに至難である。
「東皇」=青皇=春の女神
「疎條」=葉も疎らな枝
「韶雰」=韶華=春の景
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[19]
投稿者 宮前明鳳
[陽春煙霞無情 一]
半島端頭大鯰跳 半島の 端頭に 大鯰 跳ね
突然激震戰春朝 突然の 激震は 春朝を 戦(おのの)かす
被災報道傳驚愕 被災の 報道は 驚愕を 伝へ
搖返不休魂欲消 揺り返し 休(や)まずして 魂 消えんと 欲す
<解説>
3月25日朝9時42分頃、震度6強の能登半島地震では、肝を潰した感懐です。
地元では、まさかあの様な大地震が起こるとは思いも寄らぬことで、当日は号外の夕刊を出す報道でした。
「搖返」=余震(その後5日間で255回)
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[20]
投稿者 宮前明鳳
[陽春煙霞無情 二]
大鯰突然暴 大鯰 突然に 暴れ
唸呻家屋搖
能登風土懼 能登の 風土は
激震麗霞消 激震に 麗霞は 消ゆ
<解説>
俚謡に「能登は優しや土までも」と唄われ、能登の自然風土はその人情と共に、豊かな光彩を放ったものだが、今回の大地震でそのイメージは吹っ飛んだ感である。
でも、各地からのボランティア支援も陸続と駆けつけて下さり、相変らずの余震はあるものの、人々は間もなく、復興の槌音と共に立ち上がることでしょう。
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[21]
投稿者 杜正
[陽春煙霞]
丘上春霞坐半宵 丘上の春霞 半宵に坐す
看桜酒客発長謡 桜を看る酒客 長謡を発す
洋行明日離情切 洋行 明日 離情切なり
紅雨恍然魂欲消 紅雨 恍然と 魂 消せんと欲す
<解説>
春らしくなり、丘の上は霞がかかっている。今は宵の口。丘の上に腰を下ろすと、客が夜桜を見ながら酒を飲んで謡を歌っている。自分は明日から米国に長期出張と思うと、この日本の情景から実に離れがたい。
降り注ぐ桜の花の下で、あまりの情趣に恍然と気を失うばかりだ。
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[22]
投稿者 禿羊
[陽春煙霞]
一朶初開暄暖朝 一朶 初めて開く 暄暖の朝
晴光穿葉鳥声嬌 晴光 葉を穿って 鳥声嬌かなり
春山肩耒覓新筍 春山
千里煙霞雪嶺遙 千里 煙霞 雪嶺遙かなり
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[23]
投稿者 菊太郎
[陽春煙霞]
摘芳游客独逍遥 芳を摘む游客 独り逍遥
四野風光春色嬌 四野の風光 春色 嬌たり
偶到長堤煙樹径 たまたま到る 長堤 煙樹の径
飛花一片帯陽飄 飛花 一片 陽を帯びて飄える
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[24]
投稿者 登龍
[陽春煙霞]
萬櫻爛漫太平謠 萬櫻爛漫太平の謠
渡水禽聲隔水招 水を渡る禽聲水を隔てて招く
早暖霞光遠景好 早暖霞光遠景好し
郊遊十里世機消 郊遊十里世機消す
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[25]
投稿者 謝斧
[陽春煙霞]
坡公曾説好春宵 坡公曾って説く春宵の好きを
我愛虚舟古渡朝 我は愛す 虚舟古渡の朝
隔水風花紅靄靄 水を隔てて風花 紅靄靄
連堤煙草緑迢迢 堤を連ねて煙草 緑迢迢
蒸藜炊黍羞魚膾 藜を蒸し黍を炊いで 魚膾を羞め
燒筍煮芹添酒瓢 筍を燒き芹を煮て 酒瓢を添う
醉客陶陶野遊嬉 醉客陶陶として野遊を嬉み
村村処処艷陽嬌 村村処処 艷陽嬌かなり
「坡公」=東坡 春宵一刻値千金
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