[1] 謝斧 「冬天情景」 七言律詩
[2] 鮟鱇 「冬天情景」 五言律詩
[3] 深溪 「冬天情景」 七言絶句
[4] 西克 「訪花苑」 七言絶句
[5] 海山人 「冬天情景」 七言律詩
[6] 長岡瀬風 「冬天情景」 七言律詩
[7] 登龍 「冬天情景」 七言絶句
[8] Y.T 「冬天情景」 七言絶句
[9] 五流先生 「冬天情景」 七言絶句
[10] 黒浴@ 「冬天情景」 七言絶句
[11] 京祥 「厳冬諏訪湖」 七言絶句
[12] 佐竹丹鳳 「冬天情景」 七言律詩
[13] 藤原崎陽 「冬天情景」 七言律詩
[14] 觀水 「冬天情景」 七言絶句
[15] ニャース 「冬天情景」 七言絶句
[16] 岡田嘉崇 「冬天情景」 七言律詩
[17] 逸爾散士 「冬天情景」 七言絶句
[18] 桐山人 「冬天情景」 七言絶句
[19] 桐山人 「冬天情景」 七言絶句
[20] 禿羊 「登高」 五言絶句
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[冬天情景]
駸駸世事事多違 駸駸として世事に 事違うこと多く
冗子長貧不可非 冗子長に貧するも 非とする可からず
衰草疎疎含露臥 衰草疎疎として 露を含みて臥し
落楓槭槭帯霜飛 落楓槭槭 霜を帯びて飛ぶ
老躯勞歩寒光浅 老躯勞わりて歩す 寒光の浅きに
病眼偸看山色微 病眼偸みて看る 山色微なるを
冬日負暄心自泰 冬日暄を負っては 心自ずから泰んじるも
行歌撰杖出柴扉 行歌し杖を撰って 柴扉を出でん
<解説>
槭槭 落葉之音
撰杖 撰猶持 君子欠伸撰杖履
偸看 擦眼看
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[2]
投稿者 鮟鱇
[冬天情景]
樹頂晩烏舞, 樹頂に晩烏舞い,
雲中夕映微。 雲中に夕映微なり。
一更朱臉飲, 一更 朱臉飲み,
二鼓雪花飛。 二鼓 雪花飛ぶ。
少好老殘痩, 少好して散人痩せ,
多穿妻子肥。 多穿して妻子肥ゆ。
被炉看電視, 被炉に電視を看て,
醉境避寒威。 醉境に寒威を避く。
<解説>
晩烏:夕暮れの烏。
一更:日没から夜明けまでを五等分した最初の時間。一鼓。
二鼓:二更。
少好:好みや欲望を少なくする。
多穿:厚着。
妻子:妻。
被炉:炬燵(こたつ)。
電視:テレビ。
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[3]
投稿者 深溪
[冬天情景]
山寺寂寥人訪稀 山寺 寂寥として 人の訪うも稀なり
風寒峰嶂鳥爭飛 風は寒し 峰嶂 鳥は爭いて飛び
樵翁薄暮担薪去 薄暮に樵翁 薪を担いて去る
溪水涓涓雹霰霏 溪水 涓涓として 雹霰霏ひたり
<解説>
奥山の無住の寺は人の訪れるは稀である、
峰々から吹き下ろす風は冷たく帰鳥は競うよに飛ぶ。
夕暮れに樵の老人が薪を背負って下る。
谷の水がチョロチョロと流れ雹や霰が雪の前触れか霏々として降る。
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[4]
投稿者 西克
[訪花苑]
群花已盡客來希 群花已に尽き客の来ること希に
雲白無音浮夕暉 雲白く音無くして夕暉に浮かぶ。
傾耳池辺聴鴨語 耳を傾け池辺に鴨語を聴けば、
冬天青極遠山微 冬天青極まりて遠山微なり。
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[5]
投稿者 海山人
[冬天情景]
看過往事白雲飛 往事を看過するに 白雲の飛ぶ
只有寒天落歳暉 只 寒天に歳暉の落ちる有り
潮水浮鴎恒不去 潮水 鴎を浮べて 恒に去らず
朔風乗雁暫無依 朔風 雁を乗せて 暫く依るなし
邊邊草木堆三葉 辺辺 草木 三葉を堆め
日日行人被一衣 日日 行人 一衣を被る
與者此間同大道 者と此間 大道を同じうして
喫茶喫飯裏忘機 喫茶喫飯 うちに機を忘る
[語釈]
「往事」今年の出来事。
「暉」太陽。
「朔」北。
「堆」堆積。
「三」多。
「被」着。
「裏」うち。
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[6]
投稿者 長岡瀬風
[冬天情景]
夢酲早起出柴扉 夢酲めて早起して柴扉を出で
鳴雁南翔對曙暉 鳴雁南に翔て 曙暉に對す
村巷一庭霜未降 村巷の一庭 霜未だ降ず
峰巒千樹葉頻飛 峰巒千樹 葉頻に飛ぶ
遲遲撫枕嫌長夜 遲遲として枕を撫して 長夜を嫌い
早早開爐披暖衣 早早 爐を開いて 暖衣を披る
曝背檐前是吾課 背を檐前に曝すは 是れ吾が課なり
余生蕭寂復何依 余生蕭寂 復た何にか依らん
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[7]
投稿者 登龍
[冬天情景]
凍雲漠漠帯寒暉 凍雲漠漠たるも寒暉を帯び
地震颱風細柳威 地震颱風に細柳の威あり
家破人亡齎積潦 家は破れ人亡くして積潦を齎し
孜孜復舊豈應違 孜孜として復舊豈應に違ふべけんや
<解説>
冷たそうに見える冬の雲が遠く遥かに続いているが僅かに日陰を帯びるところ
地震台風にも細い柳の枝の如く耐えている
大水洪水を持って来て家は破れ人は亡くなったが
怠らず頑張って復旧どうしてうまくいかないことがあろうか、いやない
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[8]
投稿者 Y.T
[冬天情景]
緑衰紅盡玉花飛 緑衰え 紅盡きて 玉花 飛ぶも
楳樹凌寒芽甲微 楳樹 寒を凌いで 芽甲 微かなり
正覺四時更變易 正に覺ゆ 四時 更ごも 變易すと
玄冬也有孟春幾 玄冬 也た 孟春の幾し有り
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[9]
投稿者 五流先生
[冬天情景]
樹樹霜枯殘葉稀 樹樹 霜枯して、殘葉稀なり。
寒風孤柿凍柴扉 寒風 孤柿 柴扉に凍える。
壮兒落魄思還暦 壮兒 落魄して 還暦を思ふ。
悲汝棄捐眞意違 悲しむ、汝の 棄捐せられて、眞意に違ふを
[壮児]・・・元気 盛んな青年。
[落魄]・・・落ちぶれる。
[棄捐]・・・見捨てる。
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[10]
投稿者 黒浴@
[冬天情景]
南宮山麓夕陽微 南宮山麓 夕陽微なり
老樹幽庭客訪稀 老樹の幽庭 客の訪う稀なり
物我相忘禅境寂 物我相い忘れ 禅境寂たり
追懷往事滿祥希 往事を追懐し 祥満つれと希む
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[11]
投稿者 京祥
[厳冬諏訪湖(冬天情景)]
洌洌碧湖霜雪飛 洌洌たる碧湖霜雪飛ぶ
凍封水面鏡盤輝 凍りは水面を封じて鏡鑑輝く
極寒更倍裂氷畳 極寒更に倍して氷を裂きかさなり
一道成山神有威 一道の山を成して神に威あり
<解説>
信州諏訪湖の冬の風物詩「御神渡り」を詩にしたもので、厳冬の一月末頃諏訪湖が全面結氷して、さらに寒さが加わると氷が割れて盛り上がり一条の山ができる。
諏訪には諏訪大社が湖水を挟んで上社と下社があり、氷路が両社を結ぶ方向に発生する。諏訪の人たちは男神が女神の所に逢いに行く跡だと伝承されている。
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[12]
投稿者 佐竹丹鳳
[冬天情景]
街路淒然客訪稀 街路淒然 客の訪ふこと稀なり
南軒獨占整冬衣 南軒 独り占めて冬衣を整ふ
閑看妝鏡空年老 閑に妝鏡看れば 空しく年を老い
遙想交朋應昨非 遥かに交朋想う 応に昨に非ざるなるべし
飢鳥啄殘零熟柿 飢鳥 啄み残して 熟柿零ち
斜陽洩散透書幃 斜陽 洩散じて 書幃に透る
爐邊温酒家人集 炉辺 酒を温めれば家人集い
短景寒加早閉扉 短景 寒加わりて早に扉を閉ざす
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[13]
投稿者 藤原崎陽
[冬天情景]
山家臈日向斜暉 山家臈日 斜暉に向かひ
霜色蕭條嵐気霏 霜色蕭條 嵐気霏たり
院落陽曛殘菊在 院落 陽は曛じて 殘菊在り
林間風動晩鴉歸 林間 風は動いて 晩鴉歸る
青燈冷影清恬足 青燈 影は冷かに 清恬足り
紅火煖衣寒冱微 紅火 衣は煖かに 寒冱微なり
温酒地爐閑擧盞 酒を地爐に温めて 閑に盞を擧ぐ
酔余懐旧夢魂飛 酔余 旧を懐えば 夢魂飛ぶ
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[14]
投稿者 觀水
[冬天情景]
寒飆若劍鑿吟衣 寒飆 剣の若く 吟衣を鑿つも
歴歴星天豈欲歸 歴歴たる 星天 豈 帰らんと欲せんや
清夜光芒垂曠野 清夜 光芒 曠野に垂れ
陶然騷客賦詩稀 陶然として 騒客 詩を賦す稀なり
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[15]
投稿者 ニャース
[冬天情景]
寂寞山鐘送雁帰 寂寞たる山鐘 雁の帰るを送り、
寒天月挂放光微 寒天に月は挂かりて放つ光は微かなり。
孤村未変冬期景 孤村 冬期の景は未だ変らずも
昔日紅顔髪已稀 昔日の紅顔 髪已に稀なり。
<解説>
宮城県に出張した時の風景をよみました。
昨日 熊本にも行きましたが、北国の方が晩秋、初冬のもの悲しさは、まさるような気がいたします。
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[16]
投稿者 岡田嘉崇
[冬天情景]
迎冬無客鎖柴扉 冬を迎えて客無く 柴扉鎖し
兀坐南窓補褚衣 南窓に兀坐して 褚衣補う
露落幽庭覚寒早 露は幽庭に落て 寒を覚ること早く
風搖大樹帯陽稀 風は大樹を搖して 陽を帯ること稀れ
三竿愛日堅冰冷 三竿愛日 堅冰冷かに
萬瓦重雲乱雪飛 萬瓦重雲 乱雪飛ぶ
採煖爐邊茶一啜 煖を爐邊に採って 茶一啜す
老翁懶出怯嚴威 老翁出るに懶く 嚴威を怯ゆ
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[17]
投稿者 逸爾散士
[冬天情景]
冬野新晴風韻稀 冬野新に晴れて風韻稀に
天涯雲際鳥雙飛 天涯雲際鳥雙飛す
情思蕩蕩小春午 情思蕩蕩たり小春の午
景曜柔和照翠微 景曜柔和に翠微を照らす
[風韻] 風の音
[景曜] 太陽
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[18]
投稿者 桐山人
[冬天情景]
小春急景倦禽歸 小春 急景 倦禽歸る
柿影両三穿夕暉 柿影 兩三 夕暉を穿つ
相問野童魚罟裡 相問う野童 魚罟の裡
荒村寒靄遠峰微 荒村 寒靄 遠峰微か
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[19]
投稿者 桐山人
[冬天情景]
寒風索索落楓飛 寒風索索として 落楓飛び
砧韻何邊旅雁歸 砧韻 何邊 旅雁歸る
紅涙猶残過日嘆 紅涙猶残す 過日の嘆き
故山晩景凛霜威 故山の晩景 霜威凛たり
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[20]
投稿者 禿羊
[登高]
登来凋落径 登り来たる 凋落の径
凛冽貫征衣 凛冽 征衣を貫く
穹碧皚皚嶺 穹碧 皚皚の嶺
山巓立峗巍 山巓 峗巍たるに立つ