2003年の新年漢詩 第16作は 鴻洞楼 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-16

  新年頓悟        

年華親史学   年華 史学に 親しみ

竪子追其才   竪子は 其の才を追うも

醒悟真玄遠   醒悟す 真玄の 遠きを

呑嘆又一盃   嘆じて呑む 又一盃

          (上平声「十灰」の押韻)

<解説>

 若輩者ですが歴史を学んで日々惑いのなかにいます。
 力みすぎている状態で、ふと学問の深遠さの醍醐味に触れると、
 それまでの労苦など流れていく思いがします。
 しかし中々そうはかないのが実情にて、ハタと焦っている自分と、
 真理の重さに気がつくといったところです。盃を重ねながら。
 一歩一歩、自分自身に納得がいくように研鑚してゆきたいという新年の抱負です。

 このHPと出会えて本当に嬉しく思います。
 未熟であり、なかなか一句を呈することができず忸怩たる思いですが、どうか本年も宜しく御願い致します。

 貴HPのより一層の賑わいを願う次第です。
寒さ厳しきおり、御身体には御自愛ください。





















 2003年の新年漢詩 第17作は 徐庶 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-17

  聞鐘        

伴侶風邪送舊年   風邪を伴侶として旧年を送り

堪任咳嗽繞毛氈   咳嗽を堪任して毛氈を繞う

遠聞鐘韻人聲起   遠くに鐘韻を聞きて人声起き

夢裏思惟歳已遷   夢裏に思惟す 歳 已に遷るを

          (下平声「一先」の押韻)

<解説>

 明けましておめでとうざいます。
去年はお世話になりました。

 お正月だというのに風邪をひいてしまいました。
秋からずっと漢詩がスランプ状態だったのでやっと先ほどできあがった物です。

 受験終わったらまた漢詩創作に戻りますので、
今年もよろしくお願いします。





















 2003年の新年漢詩 第18作は 東落 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-18

  癸未歳旦        

瑞雪軽飛迎歳初   瑞雪軽く飛び歳初を迎う

回頭齢已五旬餘   頭を回らせば齢は已でに五旬に餘る

有衣有食有家室   衣あり食あり家室あり

柏酒三觴意晏如   柏酒三觴 意は晏如たり

          (上平声「六魚」の押韻)

<解説>

 新年おめでとうございます。

 当地(埼玉県所沢市)では微雪の元旦となりました。
算齢法が変わっても改歳は己が齢を感じる時節ですね。
五十を過ぎて人生如何。衣食住あるを以って福と為す。
少しは「吾唯知足」の心境に近づいてきました。

今年もよろしくお願い致します。





















 2003年の新年漢詩 第19作は 鮟鱇 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-19

  癸未三元揮毫       

馬生兩角化羝羊,   馬 両角を生じて羝羊(テイヨウ)と化せば,

人養三尸拈鬢霜。   人 三尸を養って鬢霜(ビンソウ)を拈(ひね)る。

錯聽鴉声爲鶴唳,   鴉声を錯聽して鶴唳となし,

吟揮龜手醉毫狂。   吟じて亀手を揮えば醉毫 狂なり。

散人祝願写,                     散人 祝願して写す,

今年がよい年でありますよう         今年がよい年でありますよう

       お祈りもうしあげます           お祈りもうしあげます と

          (下平声「七陽」の押韻)


<解説>

[語釈]
羝羊:おひつじ
三尸:人体に住み、庚申の日に脱け出してその人の秘密を天帝に告げる三匹の虫(道教)
鬢霜:白くなった鬢
錯聽:聞き違える
鶴唳:鶴の鳴き声
亀手:こごえてひびわれた手。亀裂の生じた手。
祝願写:心から願って書く





















 2003年の新年漢詩 第20作は 鮟鱇 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-20

  偲歌・癸未試吟       

儒生説道,    儒生 説道す,

樗散亡羊。    樗散 亡羊たりと。

天性無為,    天性 為す無くして,

傾玉觴。      玉觴に傾けりと。

          (下平声「七陽」の押韻)


    儒          樗
      生        散
       説     亡
          道  羊
    ====天====
          性
      ===無===
          為
    ====傾====
           玉
           觴


<解説>

  偲歌は、曄歌・坤歌・瀛歌とともに日本の中山逍雀先生が提唱し、新短詩として中国詩詞学会に承認された詩型です。4・4・4・3字の4句に作ります。曄歌は日本の俳句、坤歌は川柳、瀛歌は和歌、そしてこの偲歌は都都逸に対応するものとして提唱されたもので、これらはいずれも中国の詩人の作例があります。小生にとり面白いのは、この偲歌が、句作りが詩経の4言詩、あるいは宋詞の句作りとの共通性があるためか、都都逸からは想像ができないほどに好まれているように思えることです。
  小生、今年は漢俳、漢歌とともにこの偲歌に少しまじめに取り組んでみようかと思っています。





















 2003年の新年漢詩 第21作は 禿羊 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-21

  還暦元旦雑感       

往歳応慚恒素餐   往歳 応に慚ずべし 素餐恒なりしを

余年又識夥辛酸   余年 又識る 辛酸夥(おお)からんと

三朝日暖荒園裏   三朝 日は暖かし 荒園の裏

暫戯慈孫得小安   暫く慈孫と戯れて 小安を得たり

          (上平声「十四寒」の押韻)

<解説>

 明けましておめでとうございます。
 旧年中は鈴木先生を始め諸兄にいろいろご教示、激励を頂き、本当にありがとうございました。本年も作詩を楽しみたいと思っておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 さて、昨年に引き続いて今年もあまり明るい展望が望めない状況ですが、こういうときこそ新年を「言祝ぐ」漢詩を詠むべきといろいろ頭をひねってみたのですが、何もアイデアが浮かんできませんでした。
 それで、極めて小市民的な感懐の詩ですが、新年の祝い代わりに。

 [語釈]
 「素餐」:禄盗人






















 2003年の新年漢詩 第22作は 桂 秀 さんからの作品です。
 桂秀さんは東京都日野市にお住まいの七十代の男性の方です。
先日聯句の方で投稿していただきましたが、漢詩の投稿は初めてですね。

作品番号 2003-22

  新年作        

春光靉靆瑞雲新   春光に靉靆として瑞雲新たなり

風暖閑窓筆硯親   風暖かく閑窓筆硯に親しむ

癸未迎正身尚健   癸未正を迎え身は尚お健なり

墨香翻處楽佳辰   墨香翻える処佳辰を楽しむ

          (上平声「十一真」の押韻)

<解説>

 明けましておめでとうございます。
少々書道を嗜んでおりますので、書に関する漢詩を作ってみました。
 漢詩を始めてから未だ日も浅く、恥ずかしい作品ですが投稿しました。

これからが勉強ですので宜しくお願い致します。






















 2003年の新年漢詩 第23作は 観水 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-23

  新年        

東風解凍彩雲開   東風 凍を解いて 彩雲開く

處處迎春亦樂哉   處處 春を迎えて 亦樂しい哉

試賦新詩爐火上   試みに新詩を賦す 爐火の上

騒人莫笑我無才   騒人 笑う莫れ 我が才の無きを

          (上平声「十灰」の押韻)

<解説>

 漢詩を作ってみるのも、そしてもちろん、こちらに投稿させていただくのも、
かなり久しぶりになると思います。
 本年も宜しくお願い申し上げます。

 昨年12月、中国へ行く機会がありました。
 1週間かけて、北京、杭州、広州と回りました。
仕事で行ったもので、のんびりとできる時間は皆無でしたが、せっかく初めて大陸の土を踏んだというのに、 詩の一つ二つも作れないのはもったいないというわけで、この年末年始は久方ぶりに字書とにらめっこでした。
いずれ投稿させていただきたいと思います。





















 2003年の新年漢詩 第24作は 博菜 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-24

  新年書感        

平成癸未瑞雲中   平成癸未瑞雲の中

無恙一家和気豊   一家恙無く和気豊かなり

生計雖貧多楽事   生計貧なりと雖も楽事多し

先慶賀信座春風   先ず賀信を慶び春風に座す

          (上平声「一東」の押韻)

<解説>

 正月に二年ぶり、四人揃って元気に迎えました。
夫々好きな事を楽しみ、貧しいながらも仲良く、方々からの年賀状を手に思い出話に花が咲きました。
 新年の歓びを感謝できました。





















 2003年の新年漢詩 第25作は はむよん さんからの作品です。
 

作品番号 2003-25

  新年        

良乎悪与一年過   良きかな悪きかな一年過ぎ

君蓋備餐次三日   君蓋し次の三日の餐に備える

決歟新年之抱負   決めしか新年の抱負は

今年祈有懌如波   今年波の如く懌しきこと有らんと祈る

          (下平声「五歌」の押韻・承句は踏んでいません)

<解説>

 大本は年明けた日の夜中の二時くらいに考えました。
 その後、元日の昼にずっと書きそびれていた年賀状のことを考えていたら、青年団のようなもの(ボーイスカウトと考えてもらって結構です。本当は違うのですが男女一緒に活動する以外さほど内容は変わりません)の子供から年賀状が来ていて、その子に対する返事を考えながら韻をあわせていっていたら、こうなりました。

・・・・・・で、年賀状にこれを載せて友人にも送ったんですが、話題になるたびに読めないという苦情と意味を教えろというツッコミがバンバンと・・・・・・ううむ(^^ゞ






















 2003年の新年漢詩 第26作は 佐竹丹鳳 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-26

  癸未元旦        

賀信門前自解顔   賀信門前に 自ずから顔を解く

新春風雅隔塵寰   新春の風雅 塵寰を隔つ

屠蘇半酔憐踈懶   屠蘇半酔して 踈懶を憐む

朝耀一痕書院閑   朝耀一痕 書院閑なり

          (上平声「十五刪」の押韻)























 2003年の新年漢詩 第27作は 茶墨 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-27

  迎春        

歳朝雪解曙光催   歳朝雪解けて曙光催す

白屋書窓無点埃   白屋の書窓点埃無し

小院風和聞鳥語   小院風和ぎて鳥語を聞く

行人消息喚春来   行人の消息春を喚んで来たる

          (上平声「十灰」の押韻)

<解説>

 関東は珍しく雪に見舞われたお正月でした。
たいした降りにはなりませんでしたが。

 結句、しばらく音信のなかった友人から便りが来た喜びを表現したかったのですが、そう読んでいただけるでしょうか。























 2003年の投稿漢詩 第28作は 一陽 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-28

  寄正月        

屠蘇斟続酔顔紅   屠蘇 斟続くれば酔顔紅く

鉢植梅花枝蕾充   鉢植の梅花 枝 蕾充つ

以白雪全三日飾   白雪を以て全くす 三日の飾り

平成十五歳頭風   平成十五 歳頭の風

          (上平声「一東」の押韻)























 2003年の投稿漢詩 第29作は サラリーマン金太郎 さんからの作品です。
 

作品番号 2003-29

  癸未新年書感        

仰望高縄山頂上   仰ぎ望む高縄山頂の上

瑞光恭拝賀正人   瑞光恭しく拝す賀正の人

猶尊剛毅志無枉   猶剛毅を尊ぶの志し枉ぐる無く

権力不阿甘此貧   権力に阿ず此の貧に甘んず

          (上平声「十一真」の押韻)


 高縄山は高縄半島の最高峰で1000米弱の霊山。松山近郊からよく望むことができる。