主彩さん、「中学生の授業で『漢詩を創ろう』」嬉しく拝見しました。素晴しいこと。

 小生、漢詩教室の先生にお願いして、時間を割いていただき、生徒仲間に、6回各1時間の手ほどきをしてみました。

附中中学生の おじいさん、おばあさんの世代ですが、みなさん詩吟歴は10年以上の方々、老眼鏡で辞書と格闘しながらの勉強でした。

作品下記します。

これからも毎月の勉強会を重ねるつもりです。

 

駿府の空に、地元の漢詩が響くことを楽しみにしています。

 

画清水港(陽韻) 清水港を画く  A.Y

漁舟来往海風涼 漁舟来往 海風涼し

洋上天高富岳望 洋上 天高く 富岳望む

帆影蒼波清水港 帆影 蒼波 清水港

纔描光景已斜陽 纔に光景を描けば 已に斜陽

 

 有一美人(灰韻) 一美人あり   I.J

旗亭迎友共傾杯 旗亭友を迎え 共に杯を傾む

美女何来飲且咍 美女 何より来るか飲み且つ咍う

可愛嬌羞年二十 愛すべし嬌羞 年二十

酔顔独坐恍心開 酔顔独坐し 恍として心開く

 

 自省人生(庚韻)人生を省みる  U.M

高秋柿熟白雲生 高秋 柿熟し 白雲生ず

冷気侵肌風又清 冷気肌を侵して 風又清し

老骨人生才覚薄 老骨の人生 才覚薄し

書窓意気夢縦横 書窓の意気 夢に縦横

 

 秋行(庚韻) 秋を行く     S.K

柿熟西郊十里晴 柿熟す西郊 十里晴

村童郭雀唱歌声 村童 郭雀 唱歌の声

斜陽断処聞虫語 斜陽断ゆる処 虫語を聞く

終日尋詩万感生 終日詩を尋ねて 万感生ず

 

 秋日田家(庚韻)秋日の田家  T.Ma

西郊古道唱歌声 西郊の古道 唱歌の声

村静鐘声秋気清 村静かにして鐘声 秋気清し

四面紅楓田舎趣 四面 紅楓 田舎の趣

幽吟散策白雲生 幽吟散策すれば 白雲生ず

 

 秋夜偶題(侵韻)秋夜偶題  T.Mi

人生懷友涙沾襟 人生友を懷しみて 涙襟を沾す

喞喞凄涼月半沈 喞々 凄涼 月半ば沈む

深思郷関灯影淡 郷関 深思すれば 灯影淡し

星辰如水夜森森 星辰 水の如く 夜森森

 

 偕行日光(尤韻) 日光偕に行く  M.R

偕友晃山紅葉秋 友と偕だつ晃山 紅葉の秋

錦紳勝概正C幽 錦紳の勝概 正にC幽

山腰典歩羊腸路 山腰 歩み典ばす 羊腸の路

夜泊温泉楽不休 夜 温泉に泊して 楽しみ休まらず

 

 餞示新詩人(覃韻)餞に新詩人に示す 常春

節奏厳従二二三 節奏 厳しく従がう 二二三

仄平脚韻又深探 仄平 脚韻 又深く探る

吟朋自養詩情浩 吟朋 自ら養い 詩情浩し

茲育新人青出藍 茲に育つ新人 藍より出て青し