第34回 世界漢詩同好会総会(二〇一三年二月一〇日)

 『世界漢詩同好会』の第34回総会は、2月10日に開かれます。
 詩題(今回は『迎新年』『迎春』)と押韻(今回は「上平声四支」)を共通として、その日までに各国の幹事サイトに投稿された詩を交流し合うものです。
 今回は特に新年・新春を多くの人で祝うものとし、韻目が異なる詩も交流詩として参加とします。

 日本では、この『漢詩を創ろう』のサイトが幹事となり、皆さんの交流詩を集約、掲載します。



 日本からの参加詩です。投稿順に紹介します。
番号をクリックして下さい。
    作品番号 作 者 題 名 詩 形
   01 深渓 「念迎春」七言絶句
   02 常春 「年頭偶感 其一」七言絶句
   03 常春 「年頭偶感 其二」七言絶句
   04 緑風 「新年偶成」七言絶句
   05 兼山 「迎新年」七言絶句
   06 風雷山人 「迎春」七言絶句
   07 茜峰 「迎新年」七言絶句
   08 点水 「新年有作」七言絶句
   09 道佳 「迎新年」七言絶句
   10 劉建 「迎春」七言絶句
   11 東山 「迎春」七言絶句
   12 謝斧 「迎新年」七言律詩
   13 薫染 「迎春」七言絶句
   14 鮟鱇 「迎春」五言律詩
   15 押原 「迎新年」七言絶句
   16 天涯高歌 「迎新・立志」七言絶句
   17 杜正 「迎新年」七言絶句
   18 銅脈(楽聖) 「新春書懷」七言律詩
   19 蓬山 「迎春」七言絶句
   20 明鳳 「迎新年(巳年偶懷)」七言絶句
   21 明鳳 「迎春(回顧春)」七言絶句
   22 芳原 「北太平洋上(迎新年)」七言絶句
   23 觀水 「迎春(一)」七言絶句
   24 觀水 「迎春(二)」七言律詩
   25 藤城 英山 「新春」七言絶句
   26 紫蘭堂 「新年作」七言絶句
   27 Y.T 「迎春」五言絶句
   28 Y.T 「春夜」七言絶句
   29 ニャース 「迎春」七言絶句
   30 桐山人 「迎春」七言絶句
   31 桐山人 「迎新年」七言絶句


 <こちらは韻目の異なる「新年」の漢詩です>

    作品番号 作 者 題 名 詩 形
   別韻01 深渓 「歳朝偶感」七言絶句
   別韻02 呑雲 「癸巳所感」七言絶句
   別韻03 馬薩滔 「春光」五言絶句
   別韻04 常春 「年頭夢辛酉」七言絶句
   別韻05 哲山 「元旦」七言絶句
   別韻06 哲山 「書初」七言絶句
   別韻07 謝斧 「新年詠言」七言絶句
   別韻08 ニャース 「新年作」七言絶句
   別韻09 Y.T 「新春友来」七言絶句
   別韻10 緑風 「新年賀正」七言絶句
   別韻11 鮟鱇 「葵巳新春所懷」五言絶句
   別韻12 鮟鱇 「憶少年・葵巳新春所懷」
   別韻13 兼山 「癸巳新年有感(一)」七言絶句
   別韻14 兼山 「癸巳新年有感(二)」七言絶句
   別韻15 芳原 「迎春賦」五言絶句
   別韻16 芳原 「元日作」五言絶句
   別韻17 柏山 「癸巳新年」七言絶句
   別韻18 道佳 「所向春来」七言絶句
   別韻19 紫照 「癸巳新年作」七言絶句
   別韻20 澄朗 「癸巳偶感」七言絶句
   別韻21 澄朗 「顧一年」七言絶句
   別韻22 柳田 周 「歳首」七言絶句
   別韻23 杜正 「新年作(勅題「立」)」七言絶句
   別韻24 押原 「癸巳迎春」七言絶句
   別韻25 仲泉 「早春即興」七言絶句
   別韻26 薫染 「新年漢詩」七言絶句
   別韻27 宏迂 「新年口占」七言絶句
   別韻28 觀水 「新年口號」七言絶句
   別韻29 深渓 「新春雑感」七言絶句
   別韻30 藤城 英山 「地球聲」七言絶句
   別韻31 真海 「迎新年」七言絶句
   別韻32 W.I 「新年作」七言絶句
   別韻33 風葉 「迎春」七言絶句
   別韻34 M.O 「迎新年」七言絶句
   別韻35 小園 「若草山」七言絶句
   別韻36 仁山 「新年作」七言絶句
   別韻37 S.S 「新年作」七言絶句
   別韻38 勝江 「新年」七言絶句
   別韻39 老遊 「新年作」七言絶句
   別韻40 梗艸 「早春即興」七言絶句
   別韻41 清井 「迎春」七言絶句
   別韻42 偸生 「年頭偶懐」七言律詩
   別韻43 真瑞庵 「新年試筆」七言絶句
   別韻44 牛山人 「新年作」七言絶句
   別韻45 芳原 「新年水夫夢」五言絶句





































[01]
投稿者 深渓 

[念迎春]

窮陰選挙主人誰   窮陰の選挙 主人は誰ぞ

政界迎春何所之   政界 春を迎へて何くの所にか之かん

禁断九条號改易   禁断の九条 改易を号し

庶民側耳慮安危   庶民 耳を側て 安危を慮る

          (上平声「四支」の押韻)


歳末のに知事選に衆議院選挙、党魁は日本を取り戻す、はたまた禁断の果実を採ろうという。庶民は如何にすべきや。と。

























[02]
投稿者 常春 

[年頭偶感 其一]

極北海氷少   極北の海氷 少り

寒波南下馳   寒波 南下して馳せる

嚴冬復嚴夏   厳冬 また厳夏

元旦不晴思   元旦 思ひ晴れず

          (上平声「四支」の押韻)


 年末に読んだ「温暖化で寒くなる冬」。
 北極圏の夏の海氷は、この30年で二分の一に減少し、それによって大気の状態が変わり、冬の天候に影響する。北極の大気が中緯度地域に侵入して厳しい冬を招く、という趣旨だった。
 理路整然、背筋が寒くなった。

 元旦 晴れやかならざる詩、申し訳なし。

























[03]
投稿者 常春 

[年頭偶感 其二]

熱氣樞機溢   熱気 枢機に溢れ

寒波里巷馳   寒波 里巷に馳す

今年向何處   今年 何処に向ふ

元旦想盈卮   元旦 想い卮に盈つ

          (上平声「四支」の押韻)


 暮の29日、朝刊紙の一面記事は「赤字国債の発行」「公務員給与の削減を」「経済改善観測強まる」と並ぶ。熱気結構。だが真っ先にやるべきこと、国会議員の定数削減と歳費、政党交付金の引き下げはもう終ったのかな?
 今春何処の庭にも花が咲き誇るように祈る。

























[04]
投稿者 黒浴@

[新年偶成]

旭日満窗春動時   旭日窓に満ち 春動く時

坐看梅蕾點南枝   坐して看る 梅蕾南枝に点ずるを

馬齢傘壽尚強壮   馬齢傘寿 尚ほ強壮

酒嗜遊觀我所思   酒嗜遊観 我が思ふ所

          (上平声「四支」の押韻)


























[05]
投稿者 兼山 

[迎新年]

乾坤家國亂麻時   乾坤 家國 亂麻の時

保革興亡何處之   保革 興亡 何處にか之かん

内憂外患多難問   内憂 外患 難問多し

起死回生萬衆期   起死 回生 萬衆期す

          (上平声「四支」の押韻)


    吾が事に非ず亂麻の去年今年


























[06]
投稿者 風雷山人 

[迎春]

四海風和淑氣移,   四海、風和らぎて淑気移り

三元獨喜早梅披。   三元独り喜ぶ 早梅披(ひら)くを

春光麗日屠蘇酒,   春光麗日 屠蘇の酒

一夢功名知者誰。   一夢の功名 知る者は誰ぞ

          (上平声「四支」の押韻)


昨年は西洋の定型詩研究に凝ってしまいまして、年初に漢俳を一首作っただけで、後は英語のソネットを作ったり、妻が作った童謡を英訳したりして、すっかりご無沙汰してしまいました。


























[07]
投稿者 茜峰 

[迎新年]

近隣談笑歩川湄   近隣 談笑し 川の湄(ほとり)を歩く

新歳光風清快肌   新歳の光風 清快の肌

神苑白蛇禋樹蔭   神苑 白蛇 樹蔭に禋(まつ)らる

望郷晶子訪歌碑   望郷する晶子の歌碑を訪ぬ

          (上平声「四支」の押韻)

 私の住む町(大阪府堺市の一部)では 毎年1月3日 自治会主催で10KM前後のウオーキングをする。
 今年は石津川に沿って約8KM歩いた。近隣の人たちと談笑しながら歩く。天候もおだやかで風は冷たいが清々しく肌に心地よかった。
 巳年というので白蛇を祭る神社に詣でた後 故郷の歌人与謝野晶子の歌碑を訪ねた。19歳乙女の頃の石津川を思い出して歌った歌は特に興味をそそられた。

























[08]
投稿者 点水 

[新年有作]

癸巳迎朝多所思   癸巳 朝を迎へ 思ふところ多し

外交内政近來危   外交内政 近来危し

人民願望昇平歳   人民の願望は昇平の歳

對應難題今有誰   難題に対応するは今誰かある

          (上平声「四支」の押韻)



   近頃の政治に少なからざる不安を抱いています。
























[09]
投稿者 道佳 

[迎新年]

鐘共餘音合掌祠   鐘の余音と共に祠に合掌す

巳年平世務明夷   巳年の平世明夷に務めん

用和爲貴禮經要   和を用って貴しと為すは禮経の要

三國鼎談交誼披   三国鼎談し、交誼披かん

          (上平声「四支」の押韻)



除夜の鐘の余韻がまだ残る中、新たな年の願いを込めて祈りました。
巳年が平和な世の中でありますように、本当に努力してゆかなくてはと。
論語にあるように、礼の要は大切な和であり、鼎立ではなく三国が話し合い、これまでの親しみの情を披いていきたいものです。

























[10]
投稿者 劉建 

[迎春]

五更穿孔釣綸垂   五更 孔を穿ち 釣綸(ちょうりん)垂れ

氈帳湖風淅淅吹   氈帳(せんちょう) 湖に淅淅として吹く

魚陟負氷寒帖帖   魚陟(のぼ)りて氷を負ひ 寒帖帖

新陽北地訪春遲   新陽 北地 訪ふ春遅し

          (上平声「四支」の押韻)


網走湖でのワカサギ釣りの光景です。

























[11]
投稿者 東山 

[迎春]

佳氣東風春首時   佳気東風 春首の時

粉華朝市五情離   粉華朝市五情を離れ

一家相和初湯後   一家相和す初湯の後

清浄心身耳順巵   清浄心身耳順の巵

          (上平声「四支」の押韻)


























[12]
投稿者 謝斧 

[迎新年]

沐浴揮毫酌栢巵   沐浴揮毫して栢巵酌み

獨懷昔日更堪思   獨り昔日を懐かしめば更に思ふに堪ふ

路傍羽板錦衣艶   路傍の羽板 錦衣艶やか

空際紙鳶孺子嬉   空際の紙鳶 孺子嬉しむ

偏愛村村佳氣足   偏に愛す 村村佳気足く

唯嘆處處舊風衰   唯嘆ず 處處旧風衰ふ

爰迎新歳眞無事   爰に新歳を迎へて真に事無く

久老故ク多展眉   久しく故郷に老えば 眉を展ること多し

          (上平声「四支」の押韻)

「羽板」:羽子板 日本女児之遊具 「零落街頭羽板稀」(『日本雑事詩』黄遵憲)
「錦衣」:黄遵憲詩用「時衣」 「時衣」之句本編冒韻、因用「錦衣」

























[13]
投稿者 薫染 

[迎春]

靈峰富士泰然姿   霊峰富士 泰然たる姿

數片浮雲山腹隨   数片の浮雲 山腹に随(したが)ふ

寸地寒梅聊帶蕾   寸地の寒梅 聊(いささ)か蕾を帯びれば

身心偏俟百花時   身心偏(ひとへ)に俟(ま)つ 百花の時

          (上平声「四支」の押韻)



「聊」: とりあえず
「俟」: 止まってじっと待つ
「富士」: 富士山

























[14]
投稿者 鮟鱇 

[迎春]

歳朝臨慶賀,   歳朝 慶賀に臨み,

洗臉改新時。   臉(かお)を洗ふ 改新の時。

窗外留晴雪,   窗外 晴雪を留め,

鏡中増鬢絲。   鏡中 鬢絲を増す。

山妻斟緑酒,   山妻 緑酒を斟み,

野叟啜金卮。   野叟 金卮を啜る。

美醉乘吟興,   美醉して吟興に乘り,

偶題偕老詩。   たまたま題す 偕老の詩。

          (上平声「四支」の押韻)


























[15]
投稿者 押原 

[迎新年]

東天日出恵風吹   東天 日出で 恵風吹き

淑氣蓬篷酒一卮   淑気篷篷 酒一卮

對鏡朱顔人未老   対鏡 朱顔 人未だ老いず

星霜幾轉興無涯   星霜幾転 興 涯り無し

          (上平声「四支」の押韻)


























[16]
投稿者 天涯高歌 

[迎新・立志]

冥冥有命巳為期   冥々命有り巳を期と為し

十二春秋數正奇   十二春秋数正に奇なり

簾外驚雷催暮雪   簾外驚雷暮雪を催し

燈前宿願遣新詩   燈前宿願新詩に遣す

書山問徑自今起   書山に径を問ふは今より起き

学海揚帆任意之   学海に帆を揚げて意の之くままに任す

別罷浮名堪對酒   浮名に別れ罷みて対酒に堪へ

長吟向月且狂痴   長吟して月に向かへば且に狂痴ならんとす

          (上平声「四支」の押韻)


 12年前の巳年に日本へ留学してきた者です。巳年の今年は8年間勤めた会社を辞めて再び学問への道を進める決心をしました。ちなみに巳年生まれです。巳年は私と不思議な縁があるようです。



























[17]
投稿者 杜正 

[迎新年]

新歳街頭異往時   新歳の街頭 往時と異なり

九天雪霽恵風吹   九天 雪霽れ 恵風 吹く

舊夢選挙論成敗   旧夢の選挙 成敗を論ずるも

原發農耕多所思   原発 農耕 所思 多し

          (上平声「四支」の押韻)


新年を迎えた街頭はいつもと異なっているようだ
空は高く 雪は霽れ 恵風が吹いている
今、昨年の選挙結果の成敗を論じているが
今年、原発や農耕の問題等 考えさせられる問題が多い

























[18]
投稿者 銅脈(楽聖) 

[新春書懷]

一燈方動處   一灯方に動く処

殘夢始生時   残夢始めて生ず時

乍紅春風細   乍す紅春風細やかに

新轟゚漏遲   新緑の午漏遅し

          (上平声「四支」の押韻)


一つの灯の方に動くところに夢が残ってる、それがまた始動する時
燃え春風が細やかに新緑の午はのろのろ。
今年は倶利伽藍峠の戦いかもしれません。そんな新年を感じるところです。

























[19]
投稿者 蓬山 

[迎春]

梅蕾堪霜春尚遅   梅蕾 霜に堪えて春尚遅し

木蘭墜露未佳期   木蘭の墜露 未だ佳期にあらず

東風待望庭前立   東風を待ち望んで庭前に立ち

百囀黄鶯夢訪時   百囀の黄鶯 訪時を夢みる

          (上平声「四支」の押韻)



梅の蕾が霜に堪えているのを見て、春はまだだなあと思う。
木蘭の墜露を朝飲むのが詩人のたしなみと言われるが、まだその時期ではない。
庭に立って鶯がたくさん来る日を待ち望んでいるという心境を述べたものです。

























[20]
投稿者 明鳳 

[迎新年(巳年偶懷)]

巳年繪馬字交奇   巳年(みどし)の 絵馬 字は 交(こもごも)奇にして

已己差違那得知   已己(いこ)の 差違 那(な)んぞ 知ることを 得ん

掛願神前何處掲   願いを 掛ける 神前 何処(いずこ)にか 掲げん

任教祈念莫相疑   任教(さもあらばあれ)祈念して 相(あい) 疑ふ 莫れ

          (上平声「四支」の押韻)



巳年の絵馬を初め、神社や諸処の標示で「巳」の字を良く見掛けるが、「已己巳己(いこみき)」の四字熟語の通り、見分けのつけ難い「巳(み)」を「已(い)」「己(こ)」と表記してある例が多い。

「掛願」: 初詣絵馬の願掛け


























[21]
投稿者 明鳳 

[迎春(回顧春)]

春多感濪生疑   青春は 多感にして 屡(しばしば)疑を 生じ

錯誤迷津累卵危   錯誤 迷津(めいしん)して 累卵の 危

節届晩年人若問   節は 晩年に 届(いた)って 人 若し 問はば

輪廻星彩學無爲   輪廻の 星彩に 無為を 学ぶ

          (上平声「四支」の押韻)



 齢「喜壽」近くになって達観した訳では無いが、青春を回顧すると冷や汗が出ること多い裡、歳相応の経験からか、無為自然の自然体に任せることが多くなった。

「屡生疑」: 思考が不安定
「錯誤」: 思考錯誤
「迷津」: 学びの道に迷う


























[22]
投稿者 芳原 

[北太平洋上「迎新年」]

開暦五雲催頌詞   暦を開けば五雲頌詞を催す(うながす)

椒觴一献賦新詩   椒觴一献 新詩を賦す

故山千里蒼茫杳   故山千里 蒼茫として杳なり(はるか)

風冷波高船脚遅   風冷ややかにして波は高し 船脚(ふなあし)は遅し

          (上平声「四支」の押韻)



遠い長い航海を終えて母港横浜が近くなると老いも若きも胸が高鳴る ましてやお正月だ
でもまだまだ遠い 日増しに西風が強く波も高くなる
波が高くなると船のスピードが落ちる
ああぁ、もう少し待ってくれないかな お正月に間に合うのに

























[23]
投稿者 觀水 

[迎春(一)]

休道當年花信遲   道ふを休めよ 当年花信遅く

不教人賦慶春詞   人をして春を慶ぶの詞を賦さしめずと

一銜杯酒試吟處   一たび杯酒を銜んで吟を試む処

百里梅林紅白枝   百里の梅林 紅白の枝

          (上平声「四支」の押韻)



言わないでくれそんなこと
なかなか花も咲かないで 春を慶ぶ言葉など 出てくるわけがないなんて
お酒ひとくち飲み下し ほんの試しに詩を賦せば
梅の林が広がって 紅白の枝香り立つ


























[24]
投稿者 觀水 

[迎春(二)]

寒籠四壁立春遲   寒は四壁を籠めて春の立つこと遅く

苦恨空杯冷粥糜   苦だ恨む杯空しく粥糜冷やかなるを

碌碌田夫多慨世   碌碌たる田夫世を慨くこと多きも

悠悠野徑好吟詩   悠悠たる野径詩を吟ずるに好し

草邊殘雪含羞解   草辺の残雪羞を含んで解け

鬢上新風帶笑吹   鬢上の新風笑を帯びて吹く

一日逍遙赴君處   一日逍遥して君が処に赴かん

清光似月早梅枝   清光月に似たる早梅の枝

          (上平声「四支」の押韻)


寒さのつのるボロ住まい 春はまだまだ先のこと
お粥はいつも冷たいし お酒もないしあんまりだ
取るに足らないロクデナシ 世間うらんでばかりだが
はるかに続く野の道は 詩を作るのに好都合
草べに見える残り雪 はにかむように解けてゆき
髪をほぐして吹く風は ほほえむように過ぎてゆく
一日ぶらり出歩いて 君のところにお邪魔しよう
月の光と見間違う 明るく清き梅の花


























[25]
投稿者 藤城 英山 

[新春]

初春招待結婚儀   初春、結婚儀の招待あり

親戚一同認祝詞   親戚一同、祝詞を認めり

多難前途混沌世   前途多難、混沌の世の中

祈皆多幸早春時   皆幸多かれと祈る早春時

          (上平声「四支」の押韻)



新年結婚の招待有、親戚皆喜び祝福の気持ちです。
























[26]
投稿者 紫蘭堂 

[新年作]

東風旭日本無私   東風 旭日 本 私無く

等與蒼生欲曉時   等しく 蒼生に与ふ 暁けんと欲するの時

閉戸草堂呈瑞氣   戸を閉づる草堂 瑞気を呈し

今年清福復奚疑   今年の清福 復 なんぞ疑はん

          (上平声「四支」の押韻)



春風も旭日も、貧乏人にも金持ちにも分け隔てなく等しく訪れるものです。誰も訪れることの無い我が家にも正月が訪れなんとなくめでたい感じがする。今年もいい年になるに違いありません。

























[27]
投稿者 Y.T 

[迎春]

新春樓閣上   新春 楼閣に上り

獨酌酒千巵   独り酌む 酒 千巵

醉醒眺前苑   酔ひ醒めて 前苑を眺むれば

梅花發滿枝   梅花発いて 枝に満つ

          (上平声「四支」の押韻)


























[28]
投稿者 Y.T 

[春夜]

昨夜紅梅發一枝   昨夜 紅梅一枝発き

香風細細醉人吹   香風細細 酔人を吹く

明月玲瓏弄花影   明月玲瓏として 花影を弄べば

一場幽夢酒醒時   一場幽夢 酒醒むるの時

          (上平声「四支」の押韻)


























[29]
投稿者 ニャース 

[迎春]

寒梅綻放兩三枝、   寒梅 綻び放す 両三枝、

爆竹相鳴送舊時。   爆竹 相鳴らす 旧を送る時。

可樂天倫何獨在、   楽しむべし 天倫 何ぞ独り在るか、

不如歸去異郷辞。   帰り去るにしかず 異郷を辞さん。

          (上平声「四支」の押韻)



寒梅が2.3枝 ほころぶ季節になった。
爆竹をみなで鳴らし 旧年を送る。
この良き日は一家で団欒を楽しむべきで、独りで過ごすことはない。
帰るのが一番だ、上海を後にしよう。

























[30]
投稿者 桐山人 

[迎春]

凍鷺宿棲江水陲   凍鷺宿棲す 江水の陲

氷蒼霜白雪風吹   氷蒼く霜白くして 雪風吹く

朝來獨歩立春岸   朝来獨り歩す 立春の岸

花蕾微紅梅一枝   花蕾微かに紅し 梅一枝

          (上平声「四支」の押韻)


























[31]
投稿者 桐山人 

[迎新年]

還暦今朝新歳卮   還暦の今朝 新歳の卮

三觴盡酌十觴窺   三觴 酌み尽くして 十觴窺ふ

老妻無恙子孫健   老妻恙が無く 子孫は健やか

安穏閑居嘉宴嬉   安穏たる閑居 嘉宴を嬉ぶ

          (上平声「四支」の押韻)



























[別韻01]
投稿者 深渓 

[歳朝偶感]

八十五齢迎歳新   八十五齢の歳を迎へて新たなり

生来頑健謝双親   生来の頑健 双親に謝す

屠蘇一盞朱顔裡   屠蘇 一盞 朱顔の裡

羇魄難抛癖此身   羇魄 抛ち難き此の身に癖となす

          (上平声「十一真」の押韻)


数えること八十六にもなる爺の放浪の癖、今年は正月23日からベトナム(越南)の旅からです。

























[別韻02]
投稿者 呑雲 

[癸巳所感]

七十余年一炊事   

双親他界孝行空   

人生岐路従心命   

唯識残躯尚未窮   

          (上平声「一東」の押韻)


癸巳という六巡目の年男となる感慨をまとめてみました。

中国の戦国時代、趙の都・邯鄲を訪れた若者の不思議な夢から想いを起こしました。

四句目は、残された我が身の行く末がまだ見えてこないという未練がましい繰り言です。

























[別韻03]
投稿者 馬薩滔 

[春光]

曙光照紫雲   あけぼのは雲を紫に照らし

瑞雪映輝紅   瑞雪は赤く映え輝く。

一枝装万蕾   一枝は万蕾を装い

将開馨涸叢   将に開かんとして涸れ野にかおる。

          (上平声「一東」の押韻)


























[別韻04]
投稿者 常春 

[年頭夢辛酉]

遷都議案豁胸襟   遷都の議案 胸襟を豁く

癸巳選良良識深   癸巳の選良 良識深し

課題土壌資基礎   課題の土壌 基礎を資け

辛酉年頭福島今   辛酉年頭 福島の今あり

          (下平声「十二侵」の押韻)


 首都機能移転の国会審議は2003年以降ほったらかし。
 この夢は福島事故から30年の2041年(辛酉)、汚染土壌の集積地に国会議事堂が建ったらなー。問題の汚染物はセシウム137、半減期30年、 辛酉は革命の年、我が国では延喜から文久まで改元してきた。新選良に期待したいもの。

























[別韻05]
投稿者 哲山 

[元旦]
          

早暁狗児駆   早暁 狗児は駆け

氷川鴨臥眠   氷川 鴨は臥し眠る

童歌初歳譜   童歌 初歳の譜

息白日昂然   息は白くして 日は昂然たり

          (下平声「一先」の押韻)

元旦の朝の情景を浮かべました。

























[別韻06]
投稿者 哲山 

[書初]

清新春墨芳   清新 春墨芳し

法帖臨箋紙   法帖 箋紙に臨す

衰眼歳時空   衰眼 歳時空しく

仰崇書聖趾   仰崇す 書聖の趾

          (上声「四紙」の押韻)



























[別韻07]
投稿者 謝斧 

[新年詠言]

唱來版蕩獨嘆嗟   版蕩唱え来って獨い嘆嗟し

萬馬狂嘶城市嘩   萬馬狂嘶して城市嘩し

今旦迎新便祈念   今旦新を迎えて便ち祈念し

誰匡経済靖邦家   誰経済を匡て邦家靖んず

          (下平声「六麻」の押韻)


「版蕩」: 乱世を嘆ずる詩 詩経
「萬馬狂嘶」: 九州生氣恃風雷,萬馬齊喑究可哀己 自珍亥雑詩
「経済」: 経営済民

























[別韻08]
投稿者 ニャース 

[新年作]

歳暮江南舞雪花   

夫妻温酒楽団家   

相賀新春微酔裡   

謝天與我好年華   

          (下平声「六麻」の押韻)


























[別韻09]
投稿者 Y.T 

[新春友来]

朋友訪来茅舎春   朋友 訪なひ来たる 茅舎の春

東風度戸落花頻   東風 戸を度って 落花頻り

剪燈相語往時事   燈を剪り 相語たる 往時の事

酒及天明感更新   酒は天明に及ぶも 感 更に新なり

          (上平声「十一真」の押韻)


























[別韻10]
投稿者 緑風 

[新年賀正]

去歳政情将混迷   去歳 政情 将に 混迷

無謀与党悉拘泥   無謀な与党 悉く 拘泥

高齢傘寿今如夢   高齢 傘寿 今夢の如し

知命愉天歩野畦   命を知り 天を愉しみ 野畦を歩く

          (上平声「八斉」の押韻)


























[別韻11]
投稿者 鮟鱇 

[葵巳新春所懷]

龍頭戴白髪,   龍頭 白髪を戴き,

蛇尾更延長。   蛇尾 更に延長す。

世界多艱苦,   世界に艱苦多く,

歳朝羞壽康。   歳朝 壽康を羞づ。

          (中華新韵「十唐平声」の押韻)


























[別韻12]
投稿者 鮟鱇 

[憶少年・葵巳新春所懷]

巴蛇呑象,         巴蛇は象を呑み,

醉翁傾盞,         醉翁は盞を傾け,

歳朝揮筆。         歳朝に筆を揮ふ。

詩魂縱横好,       詩魂 縱横なるが好く,

倣鳴鴻張翼。       鳴鴻の翼を張るに倣ふ。

   ○                  ○

夢想山青浮水碧,    夢想す 山は青く水の碧なるに浮くを,

是蓬島、嶂堪題壁。   是れ蓬島にして、嶂は壁に題するに堪ふ。

人應買雷斧,       人 まさに雷斧を買ひ,

刻金言不易。       刻むべし 金言の不易なるを

          (中華新韻「十二齊仄声」の押韻)



「憶少年」の詞譜は次のとおりです(『欽定詞譜』)。

 雙調46字 前段5句両仄韻,後段4句3仄韻

  △○△●,△○▲●,△○△仄。○○●△●,●△○○仄(一四)。
  ●●○○○●仄,▲△△、●△○仄。△○●△●,●△○△仄(一四)。

     仄:仄声の押韻。○:平声。●:仄声。△:応平可仄。▲応仄可平。
    (一四):五字句を上一下四に作る。「、」七字句を上三下四に作る。























[別韻13]
投稿者 兼山 

[癸巳新年有感(一)]

新正麗日酒思融   新正 麗日 酒思融たり

五體健辛憐老衷   五體 健辛 老衷を憐れむ

試筆不揮詩未就   試筆 揮はず 詩未だ就らず

壽齢滿願謝東風   壽齢 滿願 東風に謝す

          (上平声「一東」の押韻)


    辛うじて五體満足老いの春

























[別韻14]
投稿者 兼山 

[癸巳新年有感(二)]

窮陰凝閉此迎春   窮陰 凝閉 此に春を迎ふ

淑氣洋洋萬象新   淑氣 洋洋 萬象新たなり

吟歩遲遲詩尚稚   吟歩 遲遲たり 詩尚ほ稚なり

一愚無二無三人   一愚 無二 無三人

          (上平声「十一真」の押韻)


    初春や新ためたきこと二つ三つ

























[別韻15]
投稿者 芳原 

[迎春賦]

東風春意動   東風に春意動く

応有樹氷融   応に樹氷の融くこと有るべし

池水魚跳揺   池水 魚跳ねて揺らぎ

畦辺蓑笠翁   畦辺 蓑笠の翁

          (上平声「一東」の押韻)


東の風が吹きだしてそこここに春の気配だ
この分では裏山や畦の氷も融けるに違いない
池の魚も目をさましたようだ 水面が揺れる
爺さまはじっと畑を眺めながら、さてもうそろそろか

























[別韻16]
投稿者 芳原 

[元日作]

五雲重万寿   五雲 万寿を重ぬ

一献酔顔紅   一献 酔顔紅なり

元日時開暦   元日 暦を開くの時

清閑笑語同   清閑 笑語を同じくす

          (上平声「一東」の押韻)


鈴木先生、あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます

縁起のいい雲だ お陰さまで元気で又お正月を迎えさせてもらった
何はともあれ先ずは一杯
新しい暦を開くとのどかな清々しい時間が流れて
みんないい顔だねえ


























[別韻17]
投稿者 柏山 

[癸巳新年]

日将電脳探詩篇   日々電脳をもちひて詩篇を探す

収集詠吟超五千   収集せし吟詠五千を超す

活用嚢中珠玉句   嚢中の珠玉の句を活用して

推敲自作楽今年   自作を推敲して今年を楽しまん

          (下平声「一先」の押韻)


日頃からパソコンを用いて、唐詩・宋詩を中心として、七言絶句を集めていますが、最近5000首を越えました。
そこで、これらの漢詩を活用して、自分の自作の詩をつくることを、今年は楽しみたいという元日の気持ちを表したものです。

貴ページは大変勉強になっていますので、一度は提出したいと思っておりました。
新年に思い切って出してみますので、どうぞよろしく厳しくご叱正賜りますようお願い申し上げます。

























[別韻18]
投稿者 道佳 

[所向春来]

梅雪争春天守堂   梅雪 春を争ふ天守堂

栄華衰乱史編常   栄華は衰乱 史編常なり

観英覚剣極真如   英を観て覚剣極まる真如を

不久万花潜内剛   久からずして万花内剛を潜めん

          (下平声「七陽」の押韻)


大阪城の梅林は、梅の小さなほころびと、小雪が舞い、どちらが春を誘うかとばかり、競いあっているよう。
その向こうにぼんやりと見える天守閣は、栄華を極め、衰亡への織りなす歴史を窺わせるようでした。
ふと一輪の芽を観ていると、そこには万物の天性の力が秘められていると心をうたれるものがありました。
しばらくすれば咲き誇る花となる強さが潜んでいるようで・・・

























[別韻19]
投稿者 紫照 

[癸巳新年作]

初陽燦燦滿千門   初陽燦燦 千門に滿つ

天地仁風旭旆翻   天地仁風 旭旆翻がえる

賦得新詩揮禿筆   新詩賦し得て 禿筆を揮ひ

健康自壽賀三元   健康自ら壽ぎ 三元を賀す

          (上平声「十三元」の押韻)


























[別韻20]
投稿者 澄朗 

[癸巳偶感]

政事争奪去荒年   政事の争奪荒む年を去り

癸巳新正我亦虔   癸巳の新正我も亦虔む

椒酒一杯梅有信   椒酒 一杯 梅に信有り

昇平貧計素心伝   昇平の貧計 素心を伝ふ

          (下平声「一先」の押韻)


明けましておめでとうございます。

今年も宜しくご指導下さい。

























[別韻21]
投稿者 澄朗 

[顧一年]

早晨寒逼襲重衫   早晨 寒は逼って重衫を襲ふ

到日終天美酒銜   到日 終天 美酒の銜

長夏常秋厳冬節   長夏 常秋 厳冬の節

不如守拙愛平凡   拙を守って平凡を愛しむに如かず

          (下平声「十五咸」の押韻)


























[別韻22]
投稿者 柳田 周 

[歳首]

多難時事尚依然   時代の状勢はなお依然として多難だ

祈願平安里社前   郷里の神社の前で平安を祈願する

不識七旬何益世   七十歳台、何が世の役に立つのかわからないが

好奇好学用之専   面白い事をさがして学ぶ、これを専らにしよう

          (下平声「一先」の押韻)


























[別韻23]
投稿者 杜正 

[新年作(勅題「立」)]

旭日曈曈放瑞光   旭日 曈曈として瑞光を放ち

書窓瓶裏早梅香   書窓の瓶裏 早梅 香る

履端立志對宣紙   履端 志を立て 宣紙に対す

揮筆蓬蓬百慮忘   筆を揮へば 蓬蓬と 百慮忘る

          (下平声「七陽」の押韻)


「曈曈」: 朝日のかがやき始める様
「履端」: 年のはじめ
「蓬蓬」: 気がたかぶってきて



朝日がまぶしくめでたい光を放っている
書斎の窓の瓶裏から早梅が香ってくる
年の初めに志を立て 宣紙に向かい、
筆を揮うと 気が高ぶってきて やなことをすべて 忘れる
























[別韻24]
投稿者 押原 

[癸巳迎春]

旭日曈曈大八洲   旭日曈曈 大八洲おおやしま

洪鈞一転宿雲収   洪鈞一転 宿雲収まる

人心相改遠山曄   人心 相改まり 遠山曄く

擧国再生民冀求   挙国再生 民 冀求す

          (下平声「十一尤」の押韻)


伊勢遷宮、政権交替その他あらゆる面に於いて 再生を果たすべき年。

























[別韻25]
投稿者 仲泉 

[早春即興]

出谷早鶯隔竹鳴   谷を出る早鶯 竹を隔て鳴く

野梅相映一枝横   野梅相映じて一枝横たふ

東風先訪春囘速   東風先ず訪ふ 春の囘る速し

小径徘徊残雪晴   小径徘徊 残雪晴れる

          (下平声「八庚」の押韻)


























[別韻26]
投稿者 薫染 

[新年漢詩]

年餘選挙庶人奔   年余の選挙 庶人奔(はし)り

政策應酬街市喧   政策の応酬 街市喧(かまびす)し

健闘自民回與党   健闘自民 与党に回(かへ)り

外交經濟守公言   外交経済 公言を守らん

          (上平声「十三元」の押韻)

「年余」: 冬
「喧」: やかましい

























[別韻27]
投稿者 宏迂 

[新年口占]

政権交代衆心通   政権交代して 衆心通ず

内外難題山積中   内外の難題 山積の中

経済低迷誰克制   経済の低迷 誰か克く制せん

待望救国傑廉雄   待望す 救国 傑廉の雄

          (上平声「一東」の押韻)


























[別韻28]
投稿者 観水 

[新年口號]

瑞光滿室一年初   瑞光室に満つ 一年の初め

獨弄金杯晏晏如   独り金杯を弄して 晏晏如たり

几上狂詩是何者   几上の狂詩 是れ何者ぞ

酒中眞意夢中書   酒中の真意 夢中の書

          (上平声「六魚」の押韻)


部屋にいっぱいおめでたい 光の満ちるお正月
ひとり盃もてあそび 気分も安らかな感じ
机の上のへっぽこ詩 これはいったい何だろう?
お酒のなかでひらめいた ココロを夢で書いたもの


























[別韻29]
投稿者 深渓 

[新春雑感]

陶然自笑下愚身   陶然と自ら笑ふ 下愚の身

山色呈祥復遇春   山色 祥を呈す 復た春に遇ふ

独坐題詩炉火側   独り坐して詩を題す 炉火の側

無辞閑酌是如賓   辞する無く閑酌して 是れ賓の如し

          (上平声「十一真」の押韻)



独坐・独酌・苦吟・炉の傍らで閑酌は御客さんのようである。

























[別韻30]
投稿者 藤城 英山 

[地球聲]

久遠光輝日月星   久遠の光輝 日に月や星

不知人類至長齢   知らず 人類長齢に至るも

未終愚戰核汚染   未だ終らず 愚戰に核汚染

祈願平和天地靈   祈願する 平和を天地の靈に

          (下平声「九青」の押韻)


太陽と惑星、月の星仲間は憂いの眼差しで見ています。
人間は長い年月、辛酸の歴史を経ているのに。
まだ愚かな戦いや核の開発、汚染がやみません
世界の平和を天地精霊の神に祈るばかりです

























[別韻31]
投稿者 真海 

[迎新年]

瑞氣随風客共來   瑞気 風を随へて 客共に来る

瓶梅馥郁百花魁   瓶梅 馥郁として 百花の魁

詩朋賀宴乘佳興   詩朋の賀宴 佳興に乗ず

歳旦呈祥萬壽杯   歳旦 祥を呈す 万寿の杯

          (上平声「十灰」の押韻)



 客が来て初めて正月の気風が湧いてきて、花瓶の梅が咲き、香りを放っている。
 詩吟の客と一杯酌み交わす酒、一段と興がのり、一年の幸を先取りした気分になった。
























[別韻32]
投稿者 W.I 

[新年作]

鐘音清響曉光開   鐘音 清響 暁光開く

四海祥雲春意催   四海の祥雲 春意催す

椒酒醉吟晴色好   椒酒 酔吟 晴色好し

辛盤賀客笑顔來   辛盤 賀客 笑顔来る

          (上平声「十灰」の押韻)



 昔は、除夜の鐘が鳴り終わると家族で熱田神宮へ初詣に行きました。
 帰る頃は東の空が少しだけ明るくなり、寒さに震えながら新しい年を迎えていました。
 午后になるとお年始のお客様を招き、忙しくても楽しい元日でした。
 現在は年末年始ゆっくりできなくて・・・・

 昔を懐かしく思いました。
























[別韻33]
投稿者 風葉 

[迎春]

祥雲淑氣喜春來   灯燃え 万戸 二更の風

樹下鶯聲窗外梅   石火光中 今歳窮まる

朋友至携田舎酒   窓角 月明らかにして 鐘韻は響く

平安癸巳賀年杯   団欒の和気 笑声充つ

          (上平声「十灰」の押韻)


























[別韻34]
投稿者 M.O 

[迎新年]

東風瑞氣麗初陽   東風 瑞気 初陽麗かなり

嬌囀鶯聲百事忘   嬌囀の鶯声 百事忘る

送舊迎新翁媼壽   旧を送り新を迎ふ 翁媼ことほ

怡顔孫子拝年忙   怡顔の孫子 拝年忙し

          (下平声「七陽」の押韻)


























[別韻35]
投稿者 小園 

[若草山]

寒風曉氣彩雲開   寒風 暁気 彩雲開く

白雪古都山水隈   白雪の古都 山水の隈まで

人語鹿鳴大安趣   人語 鹿鳴 大安の趣

四囲春迊綻初梅   四囲 春はめぐり 初梅綻ぶ

          (上平声「十灰」の押韻)



 若草山に集う人々、のんびりと歩いている鹿、そんな穏やかな古都の春のきざしを詠みました。
























[別韻36]
投稿者 仁山 

[新年作]

池塘細草薄氷摧   池塘 細草 薄氷くだかる

窗下盆栽淑氣催   窓下 盆栽 淑気催す

歳旦揮毫親筆硯   歳旦 揮毫 筆硯に親しみ

太平椿壽老堪咍   太平 椿壽 老いてわらふに堪ふ

          (上平声「十灰」の押韻)



 毎年五鉢、松竹梅の盆栽を作っています。
 正月は色紙に揮毫しています。
 長寿で太平です。
























[別韻37]
投稿者 S.S 

[新年作]

初鶯朗囀一枝梅   初鶯 朗囀す 一枝の梅

茶友舊交和気開   茶友 旧交 和気開く

笑語佳肴忘百事   笑語 佳肴 百事忘る

平安新歳喜春來   平安 新歳 春の来るを喜ぶ

          (上平声「十灰」の押韻)



 庭先に鶯が来て啼くことがあります。
 古くからの茶友と茶事など行うのは本当に楽しいことです。
 今年はお茶と漢詩を楽しむ年にしたいと思います。
























[別韻38]
投稿者 勝江 

[新年]

寒光生草喜春來   寒光 草を生じ 春の来るを喜ぶ

一樹清香綻早梅   一樹の清香 早梅綻ぶ

歳晩忘眠更漏轉   歳晩 眠るを忘る 更漏転ず

新年萬壽彩雲開   新年 万寿 彩雲開く

          (上平声「十灰」の押韻)



 冬の太陽の光を受けて、草花は香を迎え喜ぶ。
 私は新しい年を迎え、長寿を祈る気持ち。

 昨年入院生活をしてから、若くない自分に対して長命したいと思い、新年の結句に表現してみました。

























[別韻39]
投稿者 老遊 

[新年作]

清風料峭洽郷關   清風は料峭として郷関に洽き

旭旆呈祥麗日間   旭旆祥を呈す 麗日の間

韻事高吟心未老   韻事の高吟 心未だ老いず

一聲矍鑠剪塵寰   一声 矍鑠 塵寰を剪つ

          (上平声「十五刪」の押韻)


























[別韻40]
投稿者 梗艸 

[早春即興]

今朝逢五十餘春   今朝 五十餘の春に逢ふ

心意庭梅亦一新   心意 庭梅 亦一新

淑気清齋磨淡墨   淑気 清齋 淡墨を磨く

揮毫落紙筆翰人   毫を揮ひて 紙に落とす 筆翰の人

          (上平声「十一真」の押韻)


























[別韻41]
投稿者 清井 

[迎春]

門懸松竹雪中梅   門に懸くる松竹 雪中の梅

椒酒迎賓和氣開   椒酒 賓を迎へ 和気開く

族子児曹成長早   族子 児曹の成長早く

歓聲笑顔又嘉哉   歓声 笑顔 又嘉き哉

          (上平声「十灰」の押韻)



毎年お正月に、集まった親戚の子ども達が成長する姿を見るのがうれしく、その気持ちを詠みました。
























[別韻42]
投稿者 偸生 

[年頭偶懐]

春還消息訪寒桃   

不識東風陌上遭   

半日讀書三椀粟   

中宵閑宇一杯醪   

天長黙黙尊辛苦   

路遠孜孜貴瑣勞   

白屋有期輕俗處   

衰軀猶欲志慮高   

          (下平声「四豪」の押韻)


























[別韻43]
投稿者 真瑞庵 

[新年試筆]

古稀加一又新年   

雙耳未聾雙眼焆   

時執耒鋤三畝圃   

閑耽花月地行仙   

          (下平声「一先」の押韻)


























[別韻44]
投稿者 牛山人 

[新年作]

晨鶏旭日拝年初   晨鶏 旭日 拝年の初め

嘉客欣欣到蔽廬   嘉客 欣欣 敝廬に到る

銜餅蘭孫巡賀宴   餅を銜える蘭孫 賀宴を巡り

満堂酔裏一軒渠   満堂 酔裏 一軒渠

          (上平声「六魚」の押韻)



鶏が夜明けを告げ 朝日の昇るさま まさに年の初め
客が喜んで 我家にやって来た
餅を銜えた かわいい孫が 祝賀の酒盛りの宴のなかを駆け巡り
みんな 飲み合い 大笑い


























[別韻45]
投稿者 芳原 

[新年水夫夢]

千里寒風冴   千里 寒風冴ゆ

七尋波叩舷   七尋 波舷を叩く

春盤傾体食   春盤 体を傾げて食らひ

夢裏故山眠   夢裏 故山に眠る

          (下平声「一先」の押韻)


寒風は勢いを増しいつ果てるとも知れず
波は高く船べりを叩く
夜を徹してコックが並べた祝い料理の数々
体を船の傾きに合わせて急いでかけ込む
腹がふくれりゃあとは寝るだけさ
今夜の夢はどんな夢