第18回 世界漢詩同好会総会(二〇〇七年六月二十四日)

 『世界漢詩同好会』の第18回総会は、六月二十四日に開かれました。
 詩題(今回は『夏至有感』)と押韻(今回は「下平声三肴」)として、その日までに各国の幹事サイトに投稿された詩を交流し合うものです。
 日本では、この『漢詩を創ろう』のサイトが幹事となり、皆さんの交流詩を集約、掲載します。



 日本からの参加詩です。投稿順に紹介します。
 
]  井古綆       「夏至有感」         七言律詩
]  Y.T       「夏至 從午睡覺醒偶成」   七言絶句
]  謝 斧       「夏至有感」         七言律詩
]  博 生       「夏至有感」         七言絶句
]  常 春       「夏至有感」         七言絶句
]  宮前明鳳      「夏至有感」         七言絶句
]  宮前明鳳      「夏至有感」         七言律詩
]  宮前明鳳      「夏至有感」         七言絶句
]  点 水       「夏至有感」         七言絶句
10]  嗣 朗       「夏至有感」         七言絶句
11]  登 龍       「夏至有感」         七言絶句
12]  香@風       「夏至有感」         七言絶句
13]  橋 子沖     「夏至夏祭」         五言絶句
14]  橋 子沖     「縄文遺跡的夏至」      五言絶句
15]  橋 子沖     「夏至有感」         七言絶句
16]  橋 子沖     「二見浦夏至祭」       七言絶句
17]  童 心       「夏至有感」         七言絶句
18]  芳 原       「夏至有感」         五言絶句
19]  鮟 鱇       「夏至有感 五絶」      五言絶句
20]  鮟 鱇       「夏至有感 七絶」      七言絶句
21]  鮟 鱇       「夏至有感 七律 其一」   七言律詩
22]  鮟 鱇       「夏至有感 七律 其二」   七言律詩
23]  鮟 鱇       「夏至有感 七律 其三」   七言律詩
24]  ニャース      「夏至有感」         七言絶句
25]  仲 泉       「夏至有感」         七言絶句
26]  禿 羊       「端午節追憶」        七言絶句
27]  觀 水       「夏至有感」         七言絶句
28]  觀 水       「端午節有感」        七言絶句
29]  逸爾散士      「夏至有感」         七言絶句
30]  桐山人       「夏至有感」         七言絶句


番号をクリックして下さい。















[1]
投稿者 井古綆 

[夏至有感]

人生七秩似漂泡   人生七秩漂泡(ひょうほう)に似て

昨夏決心移近郊   昨夏決心して近郊に移る

馳思庭花萎漸漸   馳思すれば庭花は漸漸(ぜんぜん)と萎れ

追懷屋雀噪咬咬   追懷すれば屋雀は咬咬(ようよう)と噪ぐ

長親好友同朝夕   長く好友と親しんで朝夕を同にし

獨到新居分漆膠   獨り新居に到れば漆膠(しつこう)を分かつ

若使知音訪蝸舎   若し知音(ちいん)をして蝸舎(かしゃ)を問はしめば

何慳美酒與佳肴   何ぞ慳まん美酒と佳肴と



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[2]
投稿者 Y.T 

[夏至 從午睡覺醒偶成]

雨霽紅霓懸遠郊   雨霽れて 紅霓 遠郊に懸かり

遊蜂含蜜競回巣   遊蜂 蜜を含んで 巣に回どるを争ふ

蕉葉扇風輕暑気   蕉葉 風を扇いで 暑気 輕(ゆる)み

乱蝉破夢鬧梧梢   乱蝉 夢を破って 梧梢に鬧(さわ)がし



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[3]
投稿者 謝斧 

[夏至有感]

還逢夏至小衡茅   還た 夏至に逢ふ 小衡茅

晝景嫌長団扇抛   昼景の長きを嫌って 団扇を抛つ

雨促黄梅將着子   雨は黄梅を促して 將に子を着けんとし

風扶紫筍半留苞   風は紫筍を扶けて 半ばは苞を留めん

消閑遣悶有権酒   閑を消し 悶を遣る 権有りの酒

避暑慣慵無口匏   暑を避け 慵に慣る 口無しの匏

秉燭殊慳涼夜短   燭を秉って 殊に涼夜の短きを慳み

蘇詩誦読點朱鈔   蘇詩を誦読して 朱を點じて鈔せん

<解説>

「権」; 嫂溺援此以者 権也  孟子 離婁
「無口匏」; 寡言 (宋史 李 水+亢傳)

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[4]
投稿者 博生 

[夏至有感]

梅霖間隙到東郊   梅霖の間隙 東郊に到る

野徑陽光射樹梢   野徑 陽光 樹梢を射る

夏至小村遲日好   夏至の小村 遲日好し

思過半歳獨傾匏   過ぎし半歳を思ひ 獨り匏を傾く

<解説>

梅雨の晴れ間、いつか夏の日差しとなった野景の中、この半年も又、無為に過ごしてしまったな、との思ひ切なり。

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[5]
投稿者 常春 

[夏至有感]

化石豐燃作被包   化石豊かに燃え 被包を作し

暑蒸籠蓋宛如炮   暑蒸籠蓋して 宛ら炮るる如し

陽至深憂温暖禍   陽至深く憂ふ 温暖の禍

雄邦垂範道心交   雄邦範を垂れよ 道心の交りを



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[6]
投稿者 宮前明鳳 

[夏至有感]

夏至餘鞳屋鈔   夏至(げし)の 余閧ノ 屋を 繞(めぐ)って 鈔(しょう)せば

朝聞禽語樹陰梢   朝(あした)に 聞く 禽語は 樹陰の 梢(こずえ)

池頭日夕黒卵u   池頭の 日夕(にっせき)は 黒 爽やかに

明滅流螢星影交   明滅する 流蛍に 星影 交(ま)じる

<解説>

 梅雨入り宣言遅れがちの内、早や「夏至」とも相なり、朝・昼・晩の身の回りの状景に眼を凝らしてみた。
特に「金沢城」界隈にある「白鳥路」では、観蛍会が催され、嫌でも凝らした眼の行き先は、遠近上下に及んだ。

語註)
「鈔」=抜き書きする、


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[7]
投稿者 宮前明鳳 

[夏至有感]

夏至詩題逐刻鈔   夏至(げし)の 詩題 刻(とき)を 逐(お)って 鈔(しょう)せば

晝長夜短惜時敲   昼長夜短(ちゅうちょうやたん) 時を 惜しんで 敲(たた)く

早晨啼鳥樹陰裡   早晨の 啼鳥は 樹陰の 裡(うち)

日午譟蝉窗外梢   日午の 噪蝉は 窓外の 梢(こずえ)

薄暮池頭魚溌沫   薄暮の 池頭 魚は 沫(しぶき)を 溌(は)ね

黄昏檐宇燕歸巣   黄昏の 檐宇(えんう) 燕は 巣に 帰る

初更靜對C風下   初更 静に 対す 清風の 下(もと)

暗翳流螢星影交   暗翳(あんえい)の 流蛍に 星影 交(ま)じる

<解説>

夏至の一日(日長の一日)、時間を追って身の回りの状景に眼を凝らしてみた。感懐は先に投稿した「七絶」と同じだが、改めて「律詩」に綴ってみると、「険韻の詩題」ながら推敲のし甲斐があった。

語註)
「鈔」=抜き書きする、
「檐宇」=軒端、軒先
「初更」=午後七〜九時頃(甲夜に同じ)


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[8]
投稿者 宮前明鳳 

[夏至有感]

母校名譽掲可抄   母校の 名誉 掲げて 抄(しょう)す 可(べ)く

滿場聲援遞咆哮   満場の 声援 遞(たがい)に 咆哮(ほうこう)す

渾身攻守盡全力   渾身の 攻守に 全力 尽くし

夏至球兒競覇交   夏(なつ)至れば 球児は 覇を 競って 交(まじ)わる

<解説>

 今年は何かと異常気象の連続で、暦の上では早や「夏至」の到来だが、各地の「梅雨入り宣言」も遅れがちであった折柄、本来の季節感とは別の感懐が先に立った次第。
 今回のお題は、「夏至(げし)有感」が大方であろうが、梅雨入り宣言遅れがちの今年の夏は、「夏(なつ)至れば 感 有り」も一つの感興であろう。
 特に「夏至」から「盛夏」にかけては、特待生問題もものかわ、日本列島は 甲子園を目指す高校野球で 熱い季節に終始する。

語註)
「抄」=とる、書抜く
「遞」=替わるがわる(「互」に同じ)
「咆哮」=猛り 且つ 叫ぶ。
「交」=(他校と)交流する。

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[9]
投稿者 点水 

[夏至有感]

雨罷路傍生長茅   雨罷み 路傍に生長すは茅

紫薇花發飾枝梢   紫薇花 発し 枝梢を飾る

地球温室惟難事   地球温室 惟れ 難事

騎自行車遊近郊   自行車を騎し 近郊に遊ぶ

<解説>

梅雨の間に、近郊を遊ぶにも、自転車を使うようにして、ちょっとでも、温暖化を防ぐのに協力しようという考えです。

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[10]
投稿者 嗣朗 

[夏至有感]

天行夏至霽虹交   天行の夏至 霽虹交ふも

聽盡蛙声怒号抄   聽き盡す蛙声 怒号の抄、

環堵蕭然願百祿   環堵蕭然 百祿を願ひ

老爺揮涕杜鵑嘲   老爺の揮涕 杜鵑嘲ける。

<解説>

 テレビ、新聞は厚生年金と介護のニュースばかりで「題」からかけ離れた感じで、「時事偶感」の漢詩になりました。

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[11]
投稿者 登龍 

[夏至有感]

酷V深處鳥聲交   緑天深き處鳥聲交わり

白日如年稲漸苞   白日年の如く稲漸く苞す

早起田疇爲草刈   早起し田疇草刈を爲し

秧風吹髪望農郊   秧風髪を吹き農郊を望む

<解説>

[大意]
起句 緑が深く茂るところ鳥聲交わり
承句 輝く太陽は年の如く長く稲は漸く茂る
轉句 早起きして耕作地の草刈をして
結句 秧風が髪を吹き農郊を望む


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[12]
投稿者 黒浴@

[夏至有感]

梅霖終夜石庭敲   梅霖 終夜 石庭を敲く

獨看青田早出茅   獨り 青田を看んと 茅を出づ

新漉鮮心気爽   新緑 麗鮮 心気爽やか

薫風颯颯鳥聲呶   薫風 颯颯 鳥聲 呶ぐ



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[13]
投稿者 橋 子沖 

[夏至夏祭]

草木魚禽活   草木魚禽活し

南薫千里交   南薫千里に交わる

幽情梅雨霽   幽情梅雨ははれ

夏祭献新肴   夏祭りに新肴を献ず

<解説>

夏至に行われる夏祭りの感想

  草木魚鳥は生き生きとし
  南の薫りは千里まで交わる
  幽情のもと梅雨は晴れ上がり
  夏祭りに村人は新肴を神に献上する


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[14]
投稿者 橋 子沖 

[縄文遺跡的夏至]

遺跡屋編茅   遺蹟は屋茅で編み

陽光甲夜包   陽光甲夜(夜二更午後8時)を包む

縄人天地從   縄人天地に從い

生活想神交   生活神との交りを想う

<解説>

縄文遺跡の夏至

縄文遺跡を夏至の日に訪れ、
縄文人は天地の掟に従い、
神を信じて暮らした
この思いの詩


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[15]
投稿者 橋 子沖 

[夏至有感]

池亭庭樹竹陰交   池亭庭樹に竹陰交わる

雨霽新蝉天地包   雨霽れ新蝉天地を包む

坐知乾坤陽動極   坐して知る乾坤(天地)に陽動極まるを

薫風初夏任吟嘲   薫風の初夏吟嘲に任す

<解説>

池ほとりに坐し、太陽の動き北に極まるを知り、初夏の薫風のもと吟ずるにまかす心境の詩

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[16]
投稿者 橋 子沖 

[二見浦夏至祭]

梅霖連日滿農郊   梅霖連日農郊を満たし

村巷天昏濕瓦茅   村巷天はくらく瓦茅(家の屋根)湿る

歡喜旭光夫婦浦   旭日歓喜の夫婦浦

白衣祝祭夢神交   白衣祝祭夢に神と交わる

<解説>

長梅雨はれて、二見浦、夫婦岩に朝日は登る。
白衣の善男善女祭りを祝い、神に祈り交わる。

伊勢二見が浦の夏至祭の思い出の詩

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[17]
投稿者 童心 

[夏至有感]

屋上庭園山海肴   屋上の庭園山海の肴

大杯麥酒黄金泡   大杯の麦酒黄金の泡

星辰燦燦廻天界   星辰は天界を廻り

清宴延延舊友交   清宴は延延と旧友交わる

<解説>

 ここ数日真夏日が続き、つい勤めをサボって大ジョッキで生ビールを飲みたい気持ちに駆られます。
 屋上のビアガーデンで旧友とジョッキを傾ける姿を想像し、夏至にはあまりこだわらず、作ってみました。

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[18]
投稿者 芳原 

[夏至有感]

白日青蕪熱   白日 青蕪こがす

火雲天際哮   火雲 天際に哮ゆ

倦來醉中枕   倦来る酔中の枕

半寤一枝巣   半ば寤むれば一枝の巣



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[19]
投稿者 鮟鱇 

[夏至有感 五絶]

白首多閑暇,   白首に閑暇多く,

青山無酒肴。   青山に酒肴無し。

涼陰看詩巻,   涼陰に詩巻をれば,

風韵解香包。   風韵 香包こうほう解く。




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[20]
投稿者 鮟鱇 

[夏至有感 七絶]

朱夏驕陽臨四郊,   朱夏の驕陽 四郊に臨み,

拷A韵目是三肴。   緑陰の韵目は是れ三肴。

吟魂汽化無詩料,   吟魂 気化して詩料無く,

凡句空成推忘敲。   凡句 空しく成って推すも敲くを忘る。




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[21]
投稿者 鮟鱇 

[夏至有感 七律 其一]

長至多雲聽宿雨,   長至 雲多くして宿雨を聴き,

短才無事坐鳩巣。   短才 事無く鳩巣に坐す。

少知氣韻侵清室,   少しく気韻の清室を侵すを知り,

暫作詩翁游樂郊。   暫く詩翁とって楽郊に遊ぶ。

緑蔭風人耽美睡,   緑蔭の風人 美睡に耽り,

K甜酒宴滿佳肴。   K甜の酒宴 佳肴に満つ。

吟魂醉處西天霽,   吟魂酔うところ 西に天れ,

仰看虹霓推忘敲。   虹霓を仰ぎて推すも敲くを忘る。




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[22]
投稿者 鮟鱇 

[夏至有感 七律 其二]

短才長至多閑暇,   短才 長至に閑暇多く,

長老短歌題樂郊。   長老 短歌に樂郊を題す。

緑蔭詩魔吐山氣,   緑蔭に詩魔 山気を吐き,

紅箋鳳字冩神交。   紅箋に鳳字 神交を写す。

兩人對飲雲峰下,   両人 対飲す 雲峰の下,

一路將通羽客巣。   一路 将に通ぜんとす 羽客の巣。

半夢如愚枕肱處,   半ば夢みて愚の如く肱に枕するところ

天鳴雷鼓雨声敲。   天に鳴る雷鼓 雨声を敲く。




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[23]
投稿者 鮟鱇 

[夏至有感 七律 其三]

峰巓雲涌羽人巣,   峰巓に雲涌く 羽人の巣,

長日吟行探樂郊。   長日の吟行 楽郊を探る。

山鬼空林賣詩料,   山鬼 空林に詩料を売り,

野翁幽徑喜神交。   野翁 幽径に神交を喜ぶ。

枕肱壕游香夢,   緑蔭に肱を枕にして香夢に遊び,

傾盞K甜貪酒肴。   黒甜に盞を傾けて酒肴を貪る。

佳境閑聽泉韵好,   佳境 閑に泉韵の好しきを聴き,

醒来驟雨洗身包。   醒め来たれば驟雨 身を洗って包む。




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[24]
投稿者 ニャース 

[夏至有感]

追涼夏日小城郊   涼を追う夏日 小城の郊、

獨酌清風作酒肴   獨酌 清風を酒肴となす。

故里神遊醉眠裏   故里を神遊するは酔眠の裏、

醒來空看鳥歸巣   醒め来たりて空しく看る 鳥巣に帰するを。

<解説>

夏の日に 涼を求めて郊外にでる。
清風を肴に独り酒を飲む。
酔って眠ると 故里に戻った夢を見た。
さめてみれば 見えるのは 鳥が自分の巣に戻るだけ。


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[25]
投稿者 仲泉 

[夏至有感]

水稲青青邑遠郊   水稲青々遠郊の邑

白雲縣嶺麗容包   白雲嶺に縣りて麗容を包む

回来長日南薫渡   回り来る長日南薫渡る

開豁浩然我欲敲   開豁浩然我欲敲く

<解説>

 青々とした稲田の広がる郊外の邑、
 嶺に白雲がかかる山麓の素晴らしさ、自然の営みは常に変わりなく続いている。
 そして今年も夏至の季節となった。
 こうした自然に包まれていると、もっと心を広く開き度量を深めるべく、
 ちっぽけな我欲を捨てるように、自分の心に鞭打っていかなければならない。

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[26]
投稿者 禿羊 

[端午節追憶]

紙兜木剣驅晴郊   紙兜 木剣 晴郊を駆け

紫椹恣茹騎樹梢   紫椹 恣に茹(くら)いて 樹梢に騎す

佳節遙懷無我日   佳節 遙かに懐う 無我の日

生涯爾後自應嘲   生涯 爾後 自ら応に嘲うべし

<解説>

 私は四国の山中で育ちましたが、中学時代までは全ての行事は旧暦で行っておりました。
端午の節句というのはこんな時期だったのですね。

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[27]
投稿者 觀水 

[夏至有感]

奔雷閃閃若騰蛟   奔雷 閃閃として 騰蛟の若く

暴雨狂風市里交   暴雨 狂風 市里に交わる

知是天公洗塵界   知る是れ 天公の 塵界を洗うと

好携紙筆樂推敲   好し 紙筆を携えて 推敲を楽しまん



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[28]
投稿者 觀水 

[端午節有感]

兒如猛虎大哮咆   児は 猛虎の如く 大いに哮咆し

玉粽香蒲任意抛   玉粽 香蒲 意に任せて抛つ

欲問何時修學徳   問わんと欲す 何れの時か 学徳を修め

毎逢重五共佳肴   重五に 逢う毎に 佳肴を共にせんと



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[29]
投稿者 逸爾散士 

[夏至有感]

長日検詩専自嘲   長日、詩を検して自嘲を専らにす

春秋無益費推敲   春秋、益無し推敲に費やすを

向後吾生移薄暮   向後、吾が生薄暮に移らんとす

又求電網好文交   又求めん電網好文の交わりを

<解説>

ご無沙汰のご挨拶で韻字をやりくりしました。
倹韻というか、詩題が韻とあわないというか。
夏至というのも、詩の構成に無理なく入れるのは意外と難しそうです。

夏の日、わが詩を振り返ったら自嘲するっきゃないね。
長い年月、無駄だよね。
これから、人生の秋になるにつけても、
インターネットの漢詩の交わりは大切にしなければなあ。


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[30]
投稿者 桐山人 

[夏至有感]

燕子飛來尋舊巣   燕子飛來し舊巣を尋ぬ

南風喨喨廻衡茅   南風喨喨 衡茅を廻る

梅黄麥実蒼田水   梅黄 麥実 蒼田の水

只有午雲過遠郊   只だ 午雲の遠郊を過る有り



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