第2回 桐山堂詩會(二〇一八年一月二十一日)

 第2回目の桐山堂詩會を開催します。
 今回は新年ということで、桐山堂恒例の「新年漢詩」と合同での開催となります。
 「下平声六麻」韻の詩を前半に、後半には他韻の詩を掲載しました。

 現在までにいただいている作品は載せたつもりですが、もし掲載漏れなどがありましたら、ご連絡下さい。


[締め切り延長について]
 今回は二月四日が立春ということもありますので、まだまだ作品をお作りになる方もいらっしゃると思います。
 更に個人的な希望で申し訳ありませんが、私の漢詩講座(桐山堂刈谷・桐山堂半田)では受講生の作品提出がもう少し先になりますので、掲載をしばらく追加することになります。
 ご了解いただくと共に、新作が出来上がりましたら、みなさん是非どんどん送って下さい。




[下平声六麻韻詩]

作品番号  題 名 作 者   詩 形
   
麻韻 01 新年即事 深 溪 七言絶句 
麻韻 02 新年即事 ヤートン 七言絶句 
麻韻 03 迎春(年頭所感 其一) 玄 齋 七言律詩 
麻韻 04 迎春(年頭所感 其二) 玄 齋 七言律詩 
麻韻 05 迎接戊戌年攪牙 鮟 鱇 五言絶句 
麻韻 06 歳朝問天爺 鮟 鱇 五七言絶句 
麻韻 07 迎接戊戌年美醉 鮟 鱇 七言絶句 
麻韻 08 迎春老妻吟句好 鮟 鱇 五言律詩 
麻韻 09 一年詩計生酒興 鮟 鱇 七言律詩 
麻韻 10 新年即事 憶核禁止條約(一) 常 春 七言絶句 
麻韻 11 越年 常 春 七言絶句 
麻韻 12 迎春 常 春 七言絶句 
麻韻 13 春節 倣羅隠 常 春 七言絶句 
麻韻 14 山陰路 道 佳 七言絶句 
麻韻 15 新年即事 岳 城 七言絶句 
麻韻 16 新年即事 蘆 馨(臺湾) 五言律詩 
麻韻 17 迎春 盧 宦i臺湾) 七言律詩 
麻韻 18 戊戌新年有感 東 山 七言絶句 
麻韻 19 戊戌新年遇感 東 山 七言絶句 
麻韻 20 新年作 Y.H(東海漢詩連盟) 七言絶句 
麻韻 21 新年作 二 Y.H(東海漢詩連盟) 七言絶句 
麻韻 22 新年詩 洋 景 七言絶句 
麻韻 23 書初 愚 游(東海漢詩連盟) 七言絶句 
麻韻 24 迎春 蝶 依(臺湾) 七言律詩 
麻韻 25 新年作 信 如 七言絶句 
麻韻 26 新年即事(禁酒甘糖) 兼 山 七言絶句 
麻韻 27 迎春(招福萬來) 兼 山 七言絶句 
麻韻 28 越年詩興 岳 峰 七言絶句 
麻韻 29 新年即事 輪中人 七言絶句 
麻韻 30 元旦偶成 香@風 七言絶句 
麻韻 31 迎春 其一 汨羅江(臺湾) 七言律詩 
麻韻 32 迎春 其二 汨羅江(臺湾) 七言律詩 
麻韻 33 迎春 其三 汨羅江(臺湾) 七言律詩 
麻韻 34 迎春 其四 汨羅江(臺湾) 七言律詩 
麻韻 35 尋梅 丁建國(中國) 七言律詩 
麻韻 36 新年即事 觀 水 七言律詩 
麻韻 37 平成戊戌元旦口号 禿 羊 七言絶句 
麻韻 38 新年即事(參觀上海城市空間藝術季) 蔣有亮(中國上海) 七言絶句 
麻韻 39 歳杪感懐 鄒國榮 (中國深圳) 五言律詩 
麻韻 40 新年 地球人 七言絶句 
麻韻 41 除夜作 凌 雲 五言律詩 
麻韻 42 壇之浦迎春 忍 冬 七言絶句 
麻韻 43 早春即興 瓊 泉 七言絶句 
麻韻 44 立春 桐山人 七言絶句 
麻韻 45 新年作 柳 村 七言絶句 
麻韻 46 新年 辰 馬 七言絶句 
麻韻 47 新年 美 豐(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 48 新年書懷 M.O(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 49 新年 T.K(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 50 新年 仁 山(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 51 初吟會 T.S(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 52 與雙親迎春慶賀 聖 峰(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 53 新年 Y.N(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 54 望觀音岳 小 園(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 55 迎春 游 山(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 56 迎新年 W.I(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 57 迎新年 K.T(桐山堂刈谷) 七言絶句 
麻韻 58 迎七十三新春 老 遊(桐山堂刈谷) 七言絶句 





[下平声六麻韻以外]

   01 御題 語 応制詩 謝 斧 七言絶句 
   02 泰平世 芳 原 五言絶句 
   03 醍醐山麓聞春聲 芳 原 七言絶句 
   04 元朝有感 香@風 七言絶句 
   05 迎春 深 溪 七言絶句 
   06 戊戌元旦 深 溪 七言絶句 
   07 追憶新生 深 溪 七言絶句 
   08 新年所懷 翠 空 七言絶句 
   09 七絶・迎接戊戌年偶懷 鮟 鱇 七言絶句 
   10 七絶・迎接狗歳偶成 鮟 鱇 七言絶句 
   11 迎春樂・迎春吟詠買沈默 鮟 鱇 詞 
   12 玉女迎春慢・吟競鴻妻啜殘杯 鮟 鱇 詞 
   13 新春戯詩 常 春 七言絶句 
   14 新年即事 憶核禁止條約(二) 常 春 七言絶句 
   15 求新清流 道 佳 七言絶句 
   16 新年書感 岳 城 七言絶句 
   17 新年偶感 岳 城 七言絶句 
   18 歳朝言志 岳 城 七言絶句 
   19 (新年即事)元旦前夕點外賣送達時已入新年 陳 興(上海) 七言絶句 
   20 新年作 輪中人 七言絶句 
   21 戊戌新年有感(庚韻) 東 山 七言絶句 
   22 新年作 Y.H(東海漢詩連盟) 七言絶句 
   23 新春偶成 風雷山人 七言絶句 
   24 初 夢 洋 景 七言絶句 
   25 賀春 洋 景 七言絶句 
   26 戊戌元旦(甘露日和) 兼 山 七言絶句 
   27 戊戌元旦(平成御宇) 兼 山 七言絶句 
   28 新年書懷(歳月不留) 兼 山 七言絶句 
   29 新年書懷(萬象過來) 兼 山 七言絶句 
   30 新年即事(未聴鴬声) 兼 山 七言絶句 
   31 迎春(可愛老梅) 兼 山 七言絶句 
   32 新春團欒 青眼居士 七言絶句 
   33 新正感懷 岳 峰 七言絶句 
   34 歳朝偶感 岳 峰 七言絶句 
   35 除夕 深 溪 七言絶句 
   36 新春偶成 點 水 七言絶句 
   37 新年偶詠 樂山水 七言絶句 
   38 新年即事 胡 曉(中國廣州) 七言絶句 
   39 初春偶成 仲 泉 七言絶句 
   40 歳末自詠 丁建國(中國) 七言律詩 
   41 新年書懷 觀 水 五言律詩 
   42 歳晩所懐 岳 城 七言絶句 
   43 蠟梅 劉建國(中国上海) 五言絶句 
   44 新年即事 桐山人 七言絶句 
   45 戊戌元旦 柳 村 七言絶句 
   46 戊戌新春只管打坐入禪 正 詠 七言絶句 
   47 新年雜感 澄 朗 七言絶句 
   48 早春 睟 洲(桐山堂半田) 七言絶句 
   49 新年感懷 晴 芳(桐山堂半田) 七言絶句 
   50 新年書懷 Y.N(桐山堂刈谷) 七言絶句 
   51 新年偶成 調布T.N 七言絶句 
   52 拝旭日 三 斗 七言絶句 



































<下平声六麻韻>

[1-01] 参加者  深溪 


  新年即事        

戊戌迎春分外嘉   戊戌の春を迎へ 分外に嘉し

九旬獨喜野人家   九旬 獨り喜ぶ 野人の家

殘生天命無要世   残生の天命 世に要無く

才拙吟詩路更賒   才拙き詩を吟じ 路更に賒なり

          (下平声「六麻」の押韻)


    平成三十年の新春を迎えました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
























[1-02] 参加者  ヤートン 


  新年即事        

戊戌新春萬物嘉   戊戌 新春 万物嘉(よろ)し

古稀加四惜年華   古稀に四を加えて 年華を惜む

我生有限詩無限   我が生 限り有り 詩は限り無し

覓句呻吟未足誇   句を覓めて呻吟するも 未だ誇るに足らず

          (下平声「六麻」の押韻)


「戊戌」: 干支のつちのえいぬ
「惜年華」: 時の過ぎるのを惜しむ
「呻吟」: 詩歌等を作るのに苦心しているさま      
























[1-03] 参加者  玄齋 


  迎春(年頭所感 其一)        

新正瑞氣帶春霞   新正の瑞気 春霞を帯び

日上地平山客譁   日 地平に上りて山客 譁し

踏破通宵連嶽裏   踏破す通宵 連嶽の裏

知身壯健一年嘉   身の壮健なるを知りて一年 嘉す

          (下平声「六麻」の押韻)


  新しい年の正月の、めでたい雲の動く様子は、春の霞(かすみ)を帯びて、
  太陽は地平線に上って、山に訪ねて来た人が騒がしくなりました。
  山全体を夜通し歩き回る中で、
  自分の身が元気で達者であることを知って、この一年を良しとするのでした。

 私は病気で自宅療養中ですが、体調に気を付けて頑張っていきます。
























[1-04] 参加者  玄齋 


  迎春(年頭所感 其二)        

迎春貧計俗人家   春を迎ふ貧計の俗人の家

快飮身溫醉更加   快飲 身 温かくして酔ひ更に加はる

東郭江邊新柳眼   東郭の江辺 新 柳眼

南軒籬畔早梅花   南軒の籬畔 早梅の花

朦朧畫景猶堪見   朦朧たる画景 猶 見るに堪へたり

寂寞窮途未足誇   寂寞たる窮途 未だ誇るに足らず

把筆年頭苦吟裏   筆を把りて年頭 苦吟の裏

將開鐡榦好容華   将に開かんとする鉄幹の好容華

          (下平声「六麻」の押韻)


  春を迎える貧しい暮らし向きの普通の人の家では、
  楽しく酒を飲んで身体が温かくなって酔いが更に加わっていました。

  東の郊外の川の辺りでは、新たな柳の新芽があり、
  家の南の軒の籬(まがき:竹や柴などを粗く編んで造った垣根)の畔(ほとり)では、早咲きの梅の花がありました。

  朧(おぼろ)げに見える絵の中の目に触れる自然界の眺めは、それでも見る値打ちがありますが、
  寂しくて静かな苦しい境遇は、未だ誇るのに十分では無かったのです。

  筆を取って年の初めに苦心して漢詩を作る中で、
  老いた梅の幹の美しい顔形が、今まさに開こうとしていました。

 苦心と苦境の中でも、良い漢詩を作ることが出来たら良いなという思いで詠みました。
 今年も体調に気を付けて頑張っていきます。
























[1-05] 参加者  鮟鱇 


  五絶・迎接戊戌年攪牙        

戌歳六巡加,   戌歳 六巡して加ふ,

馬齡攪牙。   馬齡の假牙(義歯)を揩キを。

和平堪諷詠,   和平(平和)は諷詠するに堪へれば,

終老扮詩家。   老いを終(すご)すに詩家の扮(ふり)。

          (下平声「六麻」・中華新韻一麻平声の押韻)



























[1-06] 参加者  鮟鱇 


  五絶・歳朝問天爺        

何敢迎春賀,   何んぞ敢へて春を迎へて賀(いは)はんや,

年年身更斜。   年年 身は更に斜めなる を。

餘生還幾許?   餘生また幾許ぞ?

把酒問天爺。   酒を把(と)り天爺(てん)に問ふ。

          (下平声「六麻」・中華新韻三皆平声の押韻)

「天爺」: 天を指す。
























[1-07] 参加者  鮟鱇 


  七絶・迎接戊戌年美醉        

曙光如扇染紅霞,   曙光 扇の如く紅霞を染め,

夢醒迎春喜在家。   夢醒めて春を迎へ家に在るを喜ぶ。

賀正當然傾祝酒,   賀正 當然 祝酒を傾ければ,

老妻也醉笑如花。   老妻も醉ひて笑ひて花の如し。

          (下平声「六麻」・中華新韻一麻平声の押韻)

























[1-08] 参加者  鮟鱇 


  五律・迎春老妻吟句好        

夫婦迎春樂,   夫婦 春を迎えて樂しむは,

朝餐椒酒嘉。   朝餐の椒酒の嘉きなり。

温顔擅金盞,   温顔 金盞を擅(ほしいまま)にし,

笑貌帶紅霞。   笑貌 紅霞を帶ぶ。

卻老天仙喜,   老いを却(しりぞ)けて天仙喜び,

遊魂詩興加。   魂を遊ばすに詩興加ふ。

玉唇吟好句,   玉唇 好句を吟じ,

野叟眼前花。   野叟の眼前に花あり。

          (下平声「六麻」・中華新韻一麻平声の押韻)

























[1-09] 参加者  鮟鱇 


  七律・一年詩計生酒興        

戌歳三元酒興加,   戌歳の三元 酒興加はり,

一年詩計發頂芽。   一年の詩計 頂芽を發す(芽生ゆ)。

青春吟句競鳴蛙。   青春(はる)には句を吟じて鳴蛙と競ひ,

朱夏追涼食醉蝦。   朱夏(なつ)には涼を追って醉蝦を食はん。

碧落彩雲收落日,   碧落の彩雲 落日を收めれば,

金秋韻事友寒鴉。   金秋の韻事 寒鴉を友とせん。

玄冬温故試新賦,   玄冬(ふゆ)には故(ふる)きを温めて新賦を試み,

期待硯池開墨花。   期待せん 硯池に墨花の開くを。

          (下平声「六麻」・中華新韻一麻平声の押韻)

「頂芽」: 発芽した芽の先。
「醉蝦」: 酒に浸した海老。






















[1-10] 参加者  常春 


  新年即事 憶核禁止條約(一)        

先年快事平和賞   先年の快事 平和賞

自發集團情熱波   自発集団の情熱波だち

廢絶條文國連決   廃絶条文 国連決す

伊誰躊躇奈邦家   躊躇するは誰ぞ、 奈んと邦家か

          (下平声「六麻」の押韻)

























[1-11] 参加者  常春 


  越年        

歳暮無為婆與爺   歳暮 為す無し 婆と爺

坐観電視賞瓶花   坐に電視を観、瓶花を賞し

梵鐘百八知除夜   梵鐘百八 除夜を知る

正旦韶光閑煮茶   正旦 韶光 閑に茶を煮る

          (下平声「六麻」の押韻)



























[1-12] 参加者  常春 


  迎春        

除夜梵鐘圓月華   除夜の梵鐘 円月華やか

越年詣拜列長蛇   越年 詣り拝す列長蛇

善男善女身心潔   善男善女 身心潔む

暁夜安眠佳夢加   暁夜 安眠 佳夢加わらん

          (下平声「六麻」の押韻)


 元日、陰暦十一月十五日、また無雲。八月十五夜に劣らぬ華麗さであった。
























[1-13] 参加者  常春 


  春節 倣羅隠        

一二三四五六七   一二三四五六七

立春久過待春節   立春久しく過ぎ春節を待つ

観光遊客奈今年   観光の遊客 今年 奈んぞ

氷雪五輪心血熱   氷雪の五輪 心血熱さん

          (下平声「六麻」の押韻)


 今年、立春は2月4日、そして春節、陰暦1月1日はなんと16日。立春より12日遅れる。
























[1-14] 参加者  道佳 


  山陰路        

雪嶺海隅恩惠加   雪嶺と海隅 恩恵加らん

湯池和暢上煙霞   湯池は和暢にして上る煙霞

昏明刻命夢千代   昏明 刻む命 夢千代

問訊櫻桃巡百花   問訊す 桜桃 百花を巡らさんか

          (下平声「六麻」の押韻)


 山陰の山々は雪に覆われ、曲がりくねる海沿いをはしり恵み多い旅路でした。
 温泉地はのどかな風情で湯けむりが霞んでいました。
 映画にもなった夢千代は、一日一日命を刻むなかで、桜は今年も咲きますかと、か細い声で,生きながらえんと、念いを託していました。
 原爆を受けた2-女の平和への願いでもあった。

「海隅」: 海が陸地へ入りこんだ処
「湯地」: 熱湯が沸きたつ池
「和暢」: のどかな地
「煙霞」: もやと霞、山村のすぐれた景色
「昏明」: 暮れと明け
「問訊」: 問い尋ねる

























[1-15] 参加者  岳城 


  新年即事        

歳朝無恙一杯茶   歳朝 恙無く一杯の茶

瑞氣中庭玉雪葩   瑞気の中庭 玉雪の葩

老健清貧閑日月   老健 清貧 閑日月

安心立命向人誇   安心立命 人に向って誇らん

          (下平声「六麻」の押韻)


「玉雪葩」: 梅の花
「清貧」: 私欲なく暮らす
「安心立命」: 心安らかにして悩み無し























[1-16] 参加者  蘆馨(臺湾) 


  新年即事        

新暦催詩興,   

攤箋散筆花。   

揮毫心自壯,   

因病髮先華。   

甘避三升酒,   

欣嘗一碗茶。   

但看和氣動,   

處處物情奢。   

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-17] 参加者  盧宦i臺湾)


  迎春        

可憐久雨心難適,   

復有寒流襲絳紗。   

極目青郊春尚淺,   

回頭碧嶺日初斜。   

東風不到憑誰問,   

淑氣應稀只自嗟。   

合得詩人歌白雪,   

昇平一曲興無涯。   

          (下平声「六麻」の押韻)



























[1-18] 参加者  東山 


  戊戌新年有感        

C氣瑞雲田野家   清気瑞雲 田野の家

新春芳信又休嘉   新春の芳信 又休嘉

好須五月雛孫誕   好し須たん五月 雛孫の誕

翁媼開顔歡感加   翁媼開顔 歓感加はる

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-19] 参加者  東山 


  戊戌新年遇感        

平成一世意邦家   平成一世 邦家を意ふ

雖帝業衷多害加   帝業衷なりと雖も 害ひの加はること多し

切願今年萬民幸   切に願ふ今年 万民の幸ひ

又祈四海庶神嘉   又祈る四海 庶神の嘉するを

          (下平声「六麻」の押韻)

























[1-20] 参加者  Y.H(東海漢詩連盟) 


  新年作        

瑞靄洋洋郊外家   瑞靄 洋々 郊外の家

一枝春動早梅花   一枝 春は動く 早梅の花

親朋賀客新年酒   親朋 賀客あり 新年の酒

笑語團欒世可嘉   笑語 團欒 世嘉すべし

          (下平声「六麻」の押韻)


「世可嘉」: 世の中けっこうめでたい






















[1-21] 参加者  Y.H(東海漢詩連盟) 


  新年作 二        

初陽暖日發梅華   初陽 暖日 梅華発く

瑞氣迎春多少家   瑞気 春を迎ふ 多少の家

感慨古希身健在   感慨 古希 身は健在

一杯美酒太平嘉   一杯の美酒 太平を嘉ぶ

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-22] 参加者  洋景 


  新年詩        

惠風淑氣到田家   恵風淑気田家に到る

歳且屠蘇人語譁   歳且屠蘇人語譁す

求韻吟騒客宴   韻を求め高吟す騒客の宴

盆梅馥郁自開花   盆梅馥郁自ら花を開く

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-23] 参加者  愚游(東海漢詩連盟) 


  書初        

迎春淑氣發霜葩   春を迎ふる淑気 霜葩を発き

無恙平安在我家   恙無き平安 我が家に在す

一紙詩情揮禿筆   一紙 詩情 禿筆を揮ふ

墨痕太拙自堪誇   墨痕 太だ拙くも 自ら誇るに堪へたり

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-24] 参加者  蝶依(臺湾) 


  迎春        

乘時潑墨迎嘉節,   

溪上寒梅未放花。   

竹色邀歡和柳動,   

鶯聲弄曲入雲斜。   

條風雨過翻多興,   

淑氣林迴到數家。   

把酒園中春尚淺,   

吟心有待賞年華。   

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-25] 参加者  信如 


  新年作        

新春白首避粉譁   新春 白首 粉譁を避けども

眷屬擧來和氣家   眷属 挙り来る 和気の家

共酌屠蘇開口笑   共に屠蘇を酌み 口を開けて笑ふ

歡聲響徹放梅花   歓声 響徹して 梅花を放つ

          (下平声「六麻」の押韻)


 親兄弟集まってささやかな宴を開きました。
新年早々めでたいこともあり、良い正月になりました。

























[1-26] 参加者  兼山 


  新年即事(禁酒甘糖)        

平成戊戌換年華   平成 戊戌年華換る

八十五齢何用誇   八十五齢何ぞ誇ることを用いんや

禁酒甘糖斷過食   禁酒 甘糖 過食を断って

吟詩敲句興無涯   句を敲き 詩を吟ず 興涯無し

          (下平声「六麻」の押韻)


    年老いて博多雑煮の懐かしき
























[1-27] 参加者  兼山 


  迎春(招福萬來)        

杉柏四隣山影斜   杉柏 四隣 山影斜なり

老梅落落惜年華   老梅 落落 年華を惜しむ

悠悠獻壽屠蘇酒   悠悠 献寿 屠蘇の酒

招福萬來斯我家   招福 万来 斯れ我が家

          (下平声「六麻」の押韻)


    築半世紀平成戊戌淑気満つ
























[1-28] 参加者  岳峰 


  越年詩興        

歳晩遠鐘寒亦加   歳晩の遠鐘 寒また加はる

蕭条月下入窗紗   蕭条たる月下 窓紗に入る

近憂托酒浮生事   近憂酒に托す 浮生の事

莫道明朝映彩霞   道(い)ふ莫かれ 明朝 彩霞に映ず

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-29] 参加者  輪中人 


  新年即事        

歳朝門巷曉寒加   歳朝門巷暁寒加はる

旭日滿天四望賒   旭日満天四望賒ねし

七十餘年春尚淺   七十余年春尚浅し

依然淑氣未看花   依然たる淑気未だ花を看ず

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-30] 参加者  黒浴@


  元旦偶成        

先慶瑞氣野翁家   先ず慶す 瑞気 野翁の家

粉雪深深壽色加   粉雪 深深 寿色加ふ

小院早梅香馥郁   小院の早梅 香り 馥郁

竹籬粧白好韶華   竹籬 白を粧ほひ 好韶華

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-31] 参加者  汨羅江(臺湾) 


  迎春 其一        

玲瓏彩筆插三花,   

玉樹連枝共一家。   

俯視紅塵留倒影,   

高フ碧落接清華。   

莊嚴妙相迎晨霧,   

曲屈玄通息暮鴉。   

富士琵琶呈眼底,   

數聲鐘鼓夕陽斜。   

          (下平声「六麻」の押韻)



























[1-32] 参加者  汨羅江(臺湾) 


  迎春 其二        

霞光閃映滿庭花,   

觸眼炊煙四五家。   

偶憶銅駝籲巷陌,   

何堪金谷鬥豪華。   

援毫應友題丹鶴,   

信歩呼童數暮鴉。   

春日琴供自在,   

振衣長嘯對斜。   

          (下平声「六麻」の押韻)



























[1-33] 参加者  汨羅江(臺湾) 


  迎春 其三        

艱難時世霧觀花,   

滄海乘桴處處家。   

濁浪排空憎命達,   

敲詩撫鍵惜年華。   

舊庭無語觀飛燕,   

高嶺長吟賞暮鴉。   

知己相逢宜酣飲,   

管他提筆字歪斜。   

          (下平声「六麻」の押韻)



























[1-34] 参加者  汨羅江(臺湾)


  迎春 其四        

屏間酬唱案生花,   

網路縱即是家。   

掃雪吟詩金擲地,   

落梅尋夢筆流華。   

長松奮起攜蔫草,   

孤鶩隨緣伴暮鴉。   

安得長春隨雁翼,   

與君高韻晩風斜。   

          (下平声「六麻」の押韻)



























[1-35] 参加者  丁建國(中國)


  尋梅        

河邊踏訪野人家,   

卻喜疏枝冬日斜。   

告悠悠不浮鴨,   

硃砂點點已含花。   

猶吟冷月懸天末,   

孰料柔風到海涯。   

算得幽香彌小院,   

還來叨擾一杯茶。   

          (下平声「六麻」の押韻)


 こちらの詩は陳興さんから代理投稿いただいたものです。
























[1-36] 参加者  觀水 


  新年即事        

歳朝却愛隔京華   歳朝 却って愛す 京華を隔つを

寛帶悠然在我家   帯を寛うして 悠然として我が家に在り

坐樂紙鳶天上舞   坐ろに楽しむ 紙鳶の天上に舞ふを

不關竹馬巷間譁   関せず 竹馬の巷間に譁しきを

新詩欲試時呵筆   新詩 試みんと欲して時に筆に呵し

舊友期來爲煮茶   旧友 来るを期して為に茶を煮る

何赴族親相集宴   何ぞ赴かん 族親 相集ふの宴

醉顏父老話桑麻   酔顔の父老 桑麻を話すに

          (下平声「六麻」の押韻)


  としのはじめは都会から 遠いくらいでありがたい
  わが家ですっかり寛いで のんびりすごすのがいいね
  凧舞い踊る空を見て 楽しい気分になってきて
  竹馬やらが路地裏で 騒がしいのもかまわない
  新しく詩をつくろうと はあっと筆をぬくめたり
  友だち来るのを期待して お茶の支度もぬかりない
  なんで行ったりするものか 親戚一同集まって
  聞し召してる年寄の 野良の話をするところ
  

























[1-37] 参加者  禿羊 


  平成戊戌元旦口号        

歳朝独酌在寒家   歳朝 独り酌みて寒家に在り

籬外阨キ童子譁   籬外 閧ノ聞く 童子の譁しきを

難止老狂漂泊思   止み難し 老狂 漂泊の思

今年吟杖立天涯   今年 吟杖 天涯に立てん

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-38] 参加者  蔣有亮(中國上海) 


  新年即事(參觀上海城市空間藝術季)        

民生渡口糧倉列,   

八萬空間各派裟。   

連筒七層外梯降,   

江風内子大橋家。   

          (下平声「六麻」の押韻)


 こちらの詩は陳興さんから代理投稿いただきました。
























[1-39] 参加者  鄒國榮 (中國深圳) 


  歳杪感懐        

曉來收積雨,   

生意向曦華。   

苞露胭脂喙,   

草探堤岸沙。   

依稀春欲出,   

慷慨酒堪賖。   

白髪何須染,   

天風上彩霞。   

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-40] 参加者  地球人 


  新年        

竃Z百事乱如麻   竃Z 百事 乱れて麻の如し

破壁寒厨未足誇   壁破れ 寒厨 未だ誇るに足らず

無恙履端初日上   恙無く 履端 初日上る

屠蘇快飲笑顔加   屠蘇 快飲し 笑顔加わる

          (下平声「六麻」の押韻)


  冴えない年でしたが、何とか無事年を越せてホットして元気を出そうとしている様子です。
























[1-41] 参加者  凌雲 


  除夜作        

返納破魔矢   返納する 破魔矢、

詣来正払邪   詣来 正に邪を払ふ。

春秋無送別   春秋 送別無く、

歳月似篝車   歳月 篝車に似たり。

師走行霜雪   師走 ゆくゆく霜雪、

明年亦落花   明年 亦落花。

開窓船汽笛   窓を開けば 船の汽笛、

暫憩港岡家   暫し憩ふ 港の岡の家。

          (下平声「六麻」の押韻)


 私の地元横浜ではカウントダウンの時に港に停泊している船が一斉に汽笛を鳴らします。
 窓を開けると遠くから汽笛が聞こえるのですが(本当です)横浜では有名です。

 港町ならではの年越しですね。・・・・・・・篝車は水車の意味です。

























[1-42] 参加者  忍冬 


  壇之浦迎春        

東天初日革年華   東天の初日年華を革め

靈廟樓門海内誇   霊廟の楼門海内に誇る

紅白交開花數點   紅白交りて開く花数点

源平爭覇早潮涯   源平覇を争いし早潮の涯

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-43] 参加者  瓊泉 


  早春即興        

雪霽連山帶淡霞   雪霽れて 連山 淡霞を帯び

四郊春色二分加   四郊 春色 二分加わる

未聞林下新鶯囀   未だ聞かず 林下 新鴬の囀

已見水邊梅試花   已に見る 水辺 梅花を試むを

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-44] 参加者  桐山人 


  立春        

幽香一脈索梅花   幽香一脈 梅花を索し

此夜立春微暖加   此の夜 立春 微暖加ふ

月上東山蒼影嶺   月は上がる 東山蒼影の嶺

風過野水淡煙涯   風は過ぎる 野水淡煙の涯

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-45] 参加者  柳村 


  新年作        

歳旦風清瑞氣加   歳旦 風清く 瑞気加はる

幽庭一點早梅花   幽庭 一点 早梅の花

三杯擧得屠蘇酒   三杯 挙げ得たり 屠蘇の酒

小醉談詩故友家   小酔して詩を談ず 故友の家

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-46] 参加者  辰馬 


  新年        

旭旗歳旦兩三花   旭旗 歳旦 両三の花

微暖和風江上家   微暖 和風 江上の家

芳酒一樽怡賀客   芳酒 一樽 賀客怡ぶ

慶雲千里夢榮華   慶雲千里 栄華を夢む

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-47] 参加者  美豐(桐山堂刈谷) 


  新年        

新晴佳氣滿窗紗   新晴 佳気 窓紗と満たす

韶景早鶯芳樹花   韶景 早鶯 芳樹の花

邀遠來君歡宴饗   遠来の君を邀へ 宴饗を歓ぶ

坦然祈福樂韶華   坦然 福を祈りて 韶華を楽しむ

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-48] 参加者  M.O(桐山堂刈谷) 


  新年書懷        

歳朝初日抱人家   歳朝の初日 人家を抱ふ

梅發閑庭紅白花   梅発く 閑庭 紅白の花

摘句敲詩齡七十   句を摘み詩を敲くも齡七十

三多尚琢興逾加   三多尚琢き 興逾よ加はる

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-49] 参加者  T.K(桐山堂刈谷) 


  新年        

初陽瑞氣帶朝霞   初陽 瑞気 朝霞を帯ぶ

詣客往来人語譁   詣客 往来して 人語譁し

春淺早梅花始發   春浅 早梅 花始めて発く

三元一醉笑顔家   三元 一酔 笑顔の家

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-50] 参加者  仁山(桐山堂刈谷) 


  新年        

元旦拝年ク社譁   元旦 拝年すれば 郷社譁し

春盤笑語一堂嘉   春盤 笑語 一堂嘉し

人生百歳南山夢   人生 百歳 南山の夢

快飲陶然悦喜爺   快飲 陶然 悦喜の爺

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-51] 参加者  T.S(桐山堂刈谷) 


  初吟會        

麗日春光發嫩芽   麗日 春光 嫩芽発く

詩友參集少年加   詩友参集し 少年加はる

高吟朗朗一堂響   高吟 朗朗 満堂の響き

萬事平安樂歳華   万事平安 歳華を楽しむ

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-52] 参加者  聖峰(桐山堂刈谷) 


  與雙親迎春慶賀     双親と春を迎へ慶賀す   

寒月暗香除夕家   寒月 暗香 除夕の家

鐘聲微雪靜煎茶   鐘声 微雪 静かに茶を煎る

五雲瑞氣曈曈日   五雲 瑞気 曈曈の日

鳴謝雙親兩鬢華   鳴謝す 双親 両鬢の華

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-53] 参加者  Y.N(桐山堂刈谷) 


  新年        

歳朝淑氣到田家   歳朝の淑気 田家に到る

麗日春生一枝花   麗日春は生ず 一枝の花

筆硯友朋無別事   筆硯の友朋 別事無し

萬邦四海樂栄華   万邦 四海 栄華を楽しむ

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-54] 参加者  小園(桐山堂刈谷) 


  望觀音岳        

觀音岳靜入窗紗   観音岳静かにして窓紗に入る

山影尊顏安野家   山影の尊顔 野家を安んず

歳旦峯頭紅映日   歳旦の峰頭 紅く日に映じ

彩雲紛郁邑郷嘉   彩雲紛郁として 邑郷嘉し

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-55] 参加者  游山(桐山堂刈谷) 


  迎春        

閑収亂帙惜年華   閑かに乱帙を収めて 年華を惜しむ

百八鐘聲雪意加   百八の鐘声 雪意加はる

戊戌正朝迎賀客   戊戌 正朝 賀客を迎へ

一觴一詠野翁家   一觴 一詠 野翁の家

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-56] 参加者  W.I(桐山堂刈谷) 


  迎新年        

瑞光千里滿紅霞   瑞光 千里 紅霞芳葩を散らす

四海昇平萬壽花   四海 昇平 万樹の華

賀客辛盤開盛宴   賀客 辛盤 盛宴を開く

醉歌笑語這春家   酔歌 笑語 春を這ふるの家

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-57] 参加者  K.T(桐山堂刈谷) 


  迎新年        

歳旦瑞光入窗紗   歳旦 瑞光 窓紗に入る

新正天地暖氣加   新正 天地 暖気加ふ

陋居客到屠蘇酒   陋居 客到りて 屠蘇の酒

此節遙懷故里家   此の節 遥かに懐ふ 故里の家

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























[1-58] 参加者  老遊(桐山堂刈谷) 


  迎七十三新春        

疎梅陋屋結芳葩   疎梅 陋屋 芳葩を結び

占卜鷄鳴新歳家   占卜 鶏鳴 新歳の家

椒酒元朝祝無恙   椒酒 元朝 恙無きを祝ひ

菜羹人日賞春華   菜羹 人日は春華を賞す

          (下平声「六麻」の押韻)


    
























<他韻>

[2-01] 参加者  謝斧 


  御題 語 応制詩        

沈黙千金免畏嘲   沈黙千金 嘲を畏ることを免れ

夙箴駄辯老親教   夙に駄辯を箴めるは老親の教え

悪言出口疾於駟   悪言口より出れば 駟於りも疾く

舌禍空嘗難世交   舌禍空しく嘗めて 世交難し

          (下平声「三肴」の押韻)


「疾於駟」: 駟も舌に及ばず     
























[2-02] 参加者  芳原 


  泰平世        

曙光封朔風   曙光 朔風を封じ

駘蕩有盃中   駘蕩として盃中に有り

將啓泰平世   将に啓かんとす泰平の世

一天瑞充   一天祥瑞充つ

          (上平声「一東」の押韻)


  昨年投稿した「啓泰平」の改作であります    
























[2-03] 参加者  芳原 


  醍醐山麓聞春聲     醍醐山麓 春声を聞く   

東風解凍入春暉   東風凍れるを解き春暉に入る

處處梅芳鳥語飛   処処 梅芳しく鳥語は飛(たか)し

墨客扶筇吟吶吶   墨客筇を扶(たよ)りに 吟吶吶たり

人寰在背帯醺歸   人寰 背に在り醺を帯びて帰る

          (上平声「五微」の押韻)


    
























[2-04] 参加者  黒浴@


  元朝有感        

鷄鳴報曉又迎新   鶏鳴 暁を報じ 又 新を迎ふ

正氣堂堂八六春   正気 堂々 八六の春

我尚有愉詩詠書   我 尚愉しみ有り 詩・詠・書

順調成就禱天神   順調な成就を 天神に祷る

          (上平声「十一真」の押韻)


    
























[2-05] 参加者  深溪 


  迎春        

九旬喜我又迎春   九旬を喜び我は又春を迎へ

一醉詩腸答吉辰   一酔 詩腸 吉辰に答ふ

白屋阿蒙身已老   白屋の阿蒙 身已に老い

千秋寒奥保天眞   千秋 寒奥 天真を保たん

          (上平声「十一真」の押韻)


「九旬」: 九十・才。
「詩腸」: 詩を作る心。
「白屋」: 貧しい家。
「阿蒙」: 昔どおりの阿呆。
「千秋」: 長い年月。
「寒奥」: 寒さと暑さ。
「保天真」: 自然のままで飾り気がない。     
























[2-06] 参加者  深溪 


  戊戌元旦        

昇平春獨喜   昇平の春 獨リ喜ぶ

九秩覧佳辰   九秩の 佳辰を覧る

空戰君知否   空しき戦 君知るや否や

偸生餘此身   生を偸んだ 此の身を餘す

          (上平声「十一真」の押韻)


    十五歳五カ月で海軍に入隊。敗戦という空しい戦であった。齢九十此の身を如何せんや。
























[2-07] 参加者  深溪 


  追憶新生        

劫中征少氣雄哉   劫中少くして征く 氣雄なる哉

人没戰禍焦土哀   戦禍に人は没し 焦土哀し

興復山河仍若昔   興復の山河 仍昔の若く

追懷往事賀正杯   往事を追懐し 賀正の杯

          (上平声「十灰」の押韻)


「劫中」: 戦時中。
「征少」: 年若くして海軍に入隊。
「氣雄哉」: 気力横溢。
「興復山河」: 国土の復興。
「往事」: 戦時中の事柄。
「賀正」: 正月の杯。     
























[2-08] 参加者  翠空 


  新年所懷        

鐘聲百八淨心塵   鐘声 百八 心塵を浄め

松竹旗旌歳此新   松竹 旗旌 歳此に新まる

外患内憂波不穩   外患 内憂 波穏やかならず

偏祈天地太平春   偏に天地に祈らん 太平の春

          (上平声「十一真」の押韻)


 新年の作です。
 今年も頑張りますので、よろしくお願い致します

 「春空」から「翠空」に改めましたので、よろしくお願い致します

























[2-09] 参加者  鮟鱇 


  七絶・迎接戊戌年偶懷        

去年到處警鐘鳴,   去年は到る處で警鐘鳴り,

恐嚇金鷄失曉聲。   金鷄を恐嚇(おど)して曉聲を失はしむ。

今歳有誰爲鐡狗,   今歳 誰かありて鐡の狗となり,

眼光炯炯守和平?   眼光炯炯と和平(平和)を守らんや?

          (中華新韻十一庚平声の押韻)

























[2-10] 参加者  鮟鱇 


  七絶・迎接狗歳偶成        

狗吠不驚天太康,   狗の吠ゆるに驚かず 天は太康,

贅翁賀正喜金觴。   贅翁 賀正に金觴を喜ぶ。

樂觀終老守愚好,   樂觀して老いを終(すご)すに愚を守るが好く,

不愛警鐘鳴醉郷。   愛さず 警鐘の醉郷に鳴るは。

          (中華新韻十唐平声の押韻)

























[2-11] 参加者  鮟鱇 


  迎春樂・迎春吟詠買沈默        

千門萬戸迎春樂,     千門萬戸に春を迎ふる樂しみあり,

傾椒酒、祝龜鶴。     椒酒を傾け、龜鶴(長寿)を祝ふ。

子孫來、兩老如琴瑟,   子と孫と來たれば、兩老(翁嫗)琴瑟の如く,

擅笑臉、談開闊。     笑臉(えがほ)を擅(ほしいまま)にし、談じて開闊たり。

   ○              ○

乘醉興、贅翁試作,    醉興に乘り、贅翁試作す,

詩一首、吟佯仙客。    詩の一首、吟じて仙客の佯(ふり)をす。

眼底金童玉女,      眼底(眼の前)の金童玉女(孫ら),

淺哂而沈默。       淺哂(微笑)して沈默す。

          (中華新韻二波仄声の押韻)
























[2-12] 参加者  鮟鱇 


  玉女迎春慢・吟競鴻妻啜殘杯        

蝸舎迎春,         蝸舎に春を迎へ,

鴻妻喜、小飲歳朝椒酒。   鴻妻は喜ぶ、歳朝の椒酒を小飲するを。

共祝清貧鶴壽,       共に清貧の鶴壽を祝ひ,

笑借紅顏酬侑。       笑って紅顏を借りて酬侑(杯をやりとりす)。

卮言出口,         卮言(とりとめのない言葉)口を出でて,

轉起興、試才八斗。     轉た興を起こし、試す 才の八斗なるを。

花容七歩,         花容 七歩すれば,

俳句乍成,         俳句 乍ち成り,

風趣靈秀。         風趣 靈秀なり。

   ○               ○

詩翁蹈矩循規,       詩翁は矩を蹈み規に循(したが)ひ,

推敲不斷,         推敲すること不斷にして,

未及圓就。         未だ圓就(完成)するに及ばず。

淺慮思前想後,       淺慮 前を思ひ後を想ひ,

羨慕得心應手。       羨慕(うらや)む 得たる心に手の應ずるを。

繆斯鼻哂,         繆斯(ミューズ)鼻で哂(わら)ひ,

敗筆似、寶刀生銹。     敗筆は似たり、寶刀の銹を生ずるに。

婦唱夫隨,         婦唱夫隨,

更啜玉杯紅友。       更に啜る 玉杯の紅友(酒)。

          (中華新韻七尤仄声の押韻)



(語釋)
「蹈矩循規」: 決まりを遵守すること。
「思前想後」: 原因と結果をめぐって思いをめぐらせること。
「得心應手」: 思い通りに手が動くこと。順調に事が進むこと。
























[2-13] 参加者  常春 


  新春戯詩        

長生春米壽   長生 春には米寿

壽ト省星霜   寿トらかにして、星霜省みんとすれども

霜貌多忘却   霜貌 忘却多く

却懷些事長   却って些事を懐かしむこと長し

          (下平声「七陽」の押韻)


 米寿、記憶力減退して、来し方を省みんとしても系統だっては想い出せない。
 ただ切れ切れに、ちょっとしたことを思いめぐらしては笑い、とめどもない。    

























[2-14] 参加者  常春 


  新年即事 憶核禁止條約        

招呼禁止核兵器   招呼す 禁止核兵器

自發熱誠波國連   自発熱誠国連に波だつ

參畫百餘條約實   参画百余条約実るも

伊誰別意奮空拳   伊(こ)れ誰 意を別にし空拳奮ふは

          (下平声「一先」の押韻)



























[2-15] 参加者  道佳 


  求新清流        

揚清激濁至仁忱   揚清 激濁 至仁の忱

錦上添花憲法心   錦上 花を添えん 憲法の心

天命革新情意韻   天命の革新 情意の韻

黎明流麗志呻吟   黎明 流麗なる志の呻吟

          (下平声「十二侵」の押韻)


「激濁 揚清」: 濁流を流し去り、清波をあげる−悪を除き善を高揚する
「錦上 添花」: 美しい上にさらに美しさを加え−よりいっそう完全なものに
「流麗」: 詩文がうつくしい


























[2-16] 参加者  岳城 


  新年書感        

朝旭年頭吉兆時   朝旭の年頭 吉兆の時

瓶梅香散雪花披   瓶梅 香を散じて雪花 披く

親朋親族僖康健   親朋 親族の康健を僖び

藹藹嘉筵似一詩   藹藹たる嘉筵 一詩を似す

          (上平声「四支」の押韻)



























[2-17] 参加者  岳城 


  新年偶感        

古稀既過二周春   古稀 既に過ぐ二周春

霜鬢禿頭然潔身   霜鬢 禿頭 然れども潔身

月月年年時節改   月月 年年 時節 改まるも

殘生不遴保天眞   残生 遴らず天真を保たん

          (上平声「十一真」の押韻)



























[2-18] 参加者  岳城 


  歳朝言志        

新春自壽雅歌謳   新春 自ら寿し雅歌を謳う

瑞日陽光景物悠   瑞日 陽光 景物 悠なり

不諍不貪希健勝   諍ず貪らず希うは健勝

一竿風月一詩囚   一竿風月 一詩囚

          (下平声「十一尤」の押韻)

























[2-19] 参加者  陳興(上海) 


  (新年即事)元旦前夕點外賣送達時已入新年        

宵寒一騎叩門來,   

夜靜千家待歳開。   

送達佳餚君所點,   

此單完結下單催。   

          (上平声「十灰」の押韻)


    
























[2-20] 参加者  輪中人 


  新年作        

天地過來幾度春   天地過ぎ来たり幾度の春ぞ

長年無効愧吾身   長年効無く吾身を愧ず

賀詩欲賦餘生樂   賀詩賦さんと欲して余生を楽しむ

淑氣三元旭日新   淑気三元旭日新なり

          (上平声「十一真」の押韻)

























[2-21] 参加者  東山 


  戊戌新年有感(庚韻)        

元朝茅屋瑞光明   元朝の茅屋 瑞光明らかに

翁媼相斟壽太平   翁媼 相斟んで 太平を寿ぐ

開歳感懷殊往歳   開歳の感懐 往歳と殊なり

可聽今夏初孫聲   聴くべし 今夏 初孫の夏

          (下平声「八庚」の押韻)


    
























[2-22] 参加者  Y.H(東海漢詩連盟) 


  新年作        

曈曈日出正新年   曈曈 日出で正に新年

駘蕩春風家室圓   駘蕩 春風 家室円し

有感古希親翰墨   感有りて 古希 翰墨に親しむ

團欒吉例設私筵   団欒 吉例 私筵を設く

          (下平声「一先」の押韻)


    
























[2-23] 参加者  風雷山人 


  新春偶成        

萬象清新旭日紅,   

初陽原色瑞光中。   

年年老我前途遠,   

歳旦乾坤對惠風。   

          (上平声「一東」の押韻)


 新年の漢詩を作りましたので、お送り致します。

 一昨年は英語詩、昨年はは今様体を軸に、長歌、旋頭歌、都々逸を挿入詩として叙事詩を書いていて、暫く漢詩を作っていませんでしたが、本年はその叙事詩の挿入詩として漢詩と英語詩を入れていき、満遍なく作っていこうと思います。

























[2-24] 参加者  洋景 


  初夢        

戊戌三元萬象新   戊戌三元万象新たなり

此身康健草堂春   此の身康健草堂の春

看花渡水碧湖畔   花を看水を渡り碧湖の畔

求韻清遊夢寐頻   韻を求め清遊す夢寐頻り

          (上平声「十一真」の押韻)


    
























[2-25] 参加者  洋景 


  賀春        

富嶽赤輝東海天   富嶽赤く輝く 東海の天

曈曈旭日壽新年   曈曈旭日 新年を寿ぐ

此身康健恩波洽   此の身 康健 恩波洽し

參道春光香雪姸   参道 春光 香雪妍なり

          (下平声「一先」の押韻)


    
























[2-26] 参加者  兼山 


  戊戌元旦(甘露日和)        

光陰如矢送殘年   光陰 矢の如く 残年を送る

八十五齢春可憐   八十五齢 春憐れむべし

甘露日和天又霽   甘露の日和 天又霽る

謝恩神佛寫華箋   神仏に謝恩して 華箋に写す

          (下平声「一先」の押韻)


    八十路半ば晴れる日も又曇る日も

 「待てば海路(甘露)の日和あり」と言う成語は、極めて聞きなれた言葉ではありますが、如何にも日本的な言葉遣いであります。
 出典は「いろはカルタ」と書いた注釈書もありますが、要するに非漢文的な和製の格言なのでありましょう。
多少なりとも漢詩らしく改変する為に「海路」は中国故事にある「甘露」の方を採用するとしても「日和」は問題です。
「ひより」とは「万葉文字からの当て字が定着した言葉らしい」と解説してあります。言わば、根っからの和製漢字であります。
 日本人として生を享け、八十路の半ばまでの八十五年間を生きて来た日本人として、平成戊戌・新年初頭の第一首に敢えて和臭丸出しの「新年漢詩」を詠んだ次第であります。
























[2-27] 参加者  兼山 


  戊戌元旦(平成御宇)        

乾坤更始托希望   乾坤 更始 希望を托す

八十五齢題墨香   八十五齢 題墨香し

劫後幾何風物改   劫後 幾何 風物改まる

平成御宇莫相忘   平成 御宇 相忘るること莫れ

          (下平声「七陽」の押韻)


    昭和は遠く平成も遠くなりぬらん
























[2-28] 参加者  兼山 


  新年書懷(歳月不留)        

吉祥放馥遍人寰   吉祥 放馥 人寰に遍し

八十五齢春自閑   八十五齢 春自から閑なり

歳月不留身已老   歳月 留まらず 身已に老ゆ

一詩漸就破愁顔   一詩 漸く就り 愁顔を破る

          (上平声「十五刪」の押韻)


    一詩得て戊戌元旦目出度けれ
























[2-29] 参加者  兼山 


  新年書懷(萬象過來)        

七十億人吾孤生   七十億人 吾は孤生

案詩敲句未文成   詩を案じ 句を敲き 未だ文成らず

應憐八秩五齢老   応に憐れむべし 八秩五齢の老

萬象過來日月行   万象 過来 日月行く

          (下平声「八庚」の押韻)


    言を寄す八十五歳老いの春
























[2-30] 参加者  兼山 


  新年即事(未聴鴬声)        

茅屋狭庭方寸池   茅屋 狭庭 方寸の池

兩三鯉影歳寒姿   鯉影 両三 歳寒の姿

萍蓮悉悉枯凋恨   萍蓮 悉悉 枯凋の恨み

未聽鶯聲春信遲   鴬声未だ聴かず 春信遅し

          (上平声「四支」の押韻)


    御慶申す水中の鯉魚寒からん
























[2-31] 参加者  兼山 


  迎春(可愛老梅)        

小庭瑞氣景尤奇   小庭 瑞気 景尤も奇なり

欲賦歳朝多所思   歳朝 賦さんと欲して 所思多し

誰憐落木春猶淺   落木 誰か憐れまん 春猶ほ淺し

可愛老梅破蕾時   老梅 愛すべし 破蕾の時

          (上平声「四支」の押韻)


    老梅や主木然として鎮座
























[2-32] 参加者  青眼居士 


  新春團欒        

新春復競百家吟   新春復た競ふ 百家の吟

老鈍憶詞只瞰臨   老鈍 詞を憶へど 只だ瞰臨するのみ。

少小以來正月戲   少小以來正月の戲(あそ)び、

暮年初悟一歌心   暮年 初めて悟る一歌の心。

          (下平声「十二侵」の押韻)


「百家の吟」: 小倉百人一首     
























[2-33] 参加者  岳峰 


  新正感懷        

眞諦半生詩幾章   真諦の半生 詩幾章

親朋情義滿池塘   親朋の情義 池塘に満つ

三元無恙鴛鴦夢   三元恙が無きこと 鴛鴦の夢

幸慶滔滔不可忘   幸慶滔滔として 忘るべからず

          (下平声「七陽」の押韻)


    
























[2-34] 参加者  岳峰 


  歳朝偶感        

新正無恙吉祥年   新正恙無く 吉祥の年

天地囘来千古伝   天地囘り来たって 千古に伝ふ

冷気稜稜塵外境   冷気稜稜として 塵外の境

六花一色五更天   六花一色 五更の天

          (下平声「一先」の押韻)


    
























[2-35] 参加者  深渓 


  除夕        

久絶浮生詩一章   久しく絶えし浮生の詩一章

九旬欲這是吾郷   九旬 這へんと欲す 是吾が郷

寒厨白屋年将暮   寒厨の白屋 年将に暮なんとす

窮鬼排除我転狂   窮鬼の排除に 我転狂せんと

          (下平声「七陽」の押韻)


「浮生」: 儚い人生。
「九旬」: 九十・才。
「是吾郷」: ここ調布が故郷だ。
「寒厨」: 貧しい台所。
「白屋」: 貧しい家。
「窮鬼」: 貧乏神。
「我転狂」: 私は狂いそうである。     
























[2-36] 参加者  點水 


  新春偶成        

瑞氣蓬蓬天地春   瑞気蓬蓬 天地の春

高齡幾許一閑人   高齢幾許かの一閑人

願望處處紛爭止   願望するは 処処の紛争止まり

四海安寧萬象新   四海安寧 萬象新たなるを

          (上平声「十一真」の押韻)


 世界の各地で、紛争が絶えず、大変不安です。
 世界の平和を希求しております。


























[2-37] 参加者  樂山水 


  新年偶詠        

去歳偏多塵事煩   去歳 偏えに 塵事の煩ひ多し

今年亦有世波翻   今年も亦た 世波の翻ること有らん

厄災不敵平生備   厄災は平生の備えに 敵(かな)はず

人守家庭犬守門   人は家庭を守り 犬は門を守ればなり

          (上平声「十三元」の押韻)


 樂山水さんの詩は陳興さんから代理投稿いただいたものです。
























[2-38] 参加者  胡曉(中國廣州) 


  新年即事        

夜半不成眠,   

披衣數遠瀾。   

風來枯竹喧,   

雨打夜露寒。   

興起虚度日,   

隨意亂悟禪。   

不覺天近曉,   

還寢憶江南。   

          (中華新韵「八寒平聲」の押韻)



























[2-39] 参加者  仲泉 


  初春偶成        

梅花馥郁滿村春   梅花馥郁 満村の春

料峭誰知鳥語頻   料峭誰か知る 鳥語頻り

唱和高吟眞可愛   唱和高吟 真に愛す可し

揮來時節莫逡巡   揮ひ来る時節 逡巡する莫れ

          (上平声「十一真」の押韻)



























[2-40] 参加者  丁建國(中國) 


  歳末自詠        

即辭丁酉意茫茫,   

猶自痴眸向昊蒼。   

何得來年免災咎,   

乃祈宸曜放明光。   

橋頭但聽風聲疾,   

河畔不聞梅萼香。   

獨立黄昏纖月在,   

苦無紅袖説文章。   

          (下平声「七陽」の押韻)


 こちらの詩は陳興さんから代理投稿いただいたものです。
























[2-41] 参加者  觀水 


  新年書懷        

四十迎朝過   四十 朝を迎へて過ぐ

胸懷走筆書   胸懐 筆を走らせて書す

官情恨微祿   官情 微禄を恨むも

吟興見窮廬   吟興 窮廬に見ん

喫飯何尊肉   飯を喫するに 何ぞ肉を尊ばん

啜茶當賞菹   茶を啜して 当に菹を賞すべし

人生多妙味   人生 妙味多し

莫謂世難居   謂ふ莫れ 世に居り難しと

          (上平声「六魚」の押韻)


  数え年 四十一歳
  胸のうち 書いてみようか
  薄給を 恨んでも
  詩のこころ 貧しさにあり
  おかずには 肉がなくても
  お茶請けの 漬物うまい
  じんせいの この面白味
  生きにくい なんて言わない

























[2-42] 参加者  岳城 


  歳晩所懐        

樹下閉庭掃葉風   樹下の閉庭 葉を掃ふの風

寒灯耿耿月懸弓   寒灯 耿耿 月 弓を懸く

吾愧十年成底事   吾 愧ず十年 底事(なにごと)をか成せん

隠隠除鐘報歳終   隠隠たる除鐘 歳終を報ず

          (上平声「一東」の押韻)


    
























[2-43] 参加者  劉建國(中国上海) 


  蠟梅        

家花蝴蝶蘭,   

竟放鬥爭顏。   

忽嗅香侵舍,   

寒梅春報還。   

          (上平声「十四寒」・「十五刪」の押韻)



























[2-44] 参加者  桐山人 


  新年即事        

歳除盈月夜窗前   歳除 盈月 夜窓の前

正旦初陽東海天   正旦 初陽 東海の天

三代兒孫龕下拝   三代の児孫 龕下に拝し

辛盤椒酒祝嘉年   辛盤 椒酒 嘉年を祝ふ

          (下平声「一先」の押韻)


    
























[2-45] 参加者  柳村 


  戊戌元旦        

獨聽松聲歳旦辰   独り松声を聴く 歳旦の辰

平波打岸駿河濱   平波 岸を打つ 駿河の浜

囘頭富嶽淡粧好   頭を回らせば 富嶽 淡粧好し

日暖風和喜壽春   日暖かに 風和らぐ 喜寿の春

          (上平声「十一真」の押韻)


    
























[2-46] 参加者  正詠 


  戊戌新春只管打坐入禪        

休道繁忙敲字躬   道ふを休めよ 繁忙 字を敲くの躬

聲譽禪聽愧微功   声誉 禅かに聴いて 微功を愧づ

結跏趺坐視心底   結跏趺坐し 心底を視るに

無我集中如悟空   無我集中し 空しきを悟るが如し

          (上平声「一東」の押韻)


    
























[2-47] 参加者  澄朗 


  新年雜感        

屠蘇閑酌酒杯中   屠蘇 閑かに酌す 酒杯の中

告曉梅花枝蕾充   暁を告ぐる梅花の枝蕾充つ

戊戌三元身尚健   戊戌の三元 身は尚健なり

吉玉歴太平風   吉祥の玉歴 太平の風

          (上平声「一東」の押韻)


    
























[2-48] 参加者  睟洲(桐山堂半田) 


  早春        

寒風颯颯降霜皚   寒風颯颯として 降霜皚し

殘月僅明牆壁隅   残月は僅かに牆壁の隅を明かす

乍識老松猶傲冽   乍ち識る 老松の猶ほ傲冽たるを

早春花信一枝梅   早春の花信は一枝の梅なり

          (上平声「十灰」の押韻)


    
























[2-49] 参加者  晴芳(桐山堂半田) 


  新年感懷        

元朝東海瑞雲中   元朝 東海 瑞雲の中

麗日春光萬里同   麗日 春光 万里同じくす

詩朋吟友重斟酒   詩朋 吟友 重ねて酒を斟む

鶴髪笑顔談未終   鶴髪 笑顔 談未だ終らず

          (上平声「一東」の押韻)


    
























[2-50] 参加者  Y.N(桐山堂刈谷) 


  新年書懷        

春光瑞氣早梅披   春光 瑞気 早梅披く

門巷家家翻旭旗   門巷 家家 旭旗翻る

頽齡追約生涯計   頽齢 約を追ふ 生涯の計

無恙煕煕迎歳時   恙無く煕煕として歳時を迎ふ

          (上平声「四支」の押韻)


    
























[2-51] 参加者  調布T.N 


  新年偶成        

紅旭曈曨四海明   紅旭 曈曨として 四海明らか

春風萬里入都城   春風万里 都城に入る

高樓遠望富峯雪   高楼に遠望す 富峰の雪

戊戌新正樂太平   戊戌の新正 太平を楽ぶ

          (下平声「八庚」の押韻)


    
























[2-52] 参加者  三斗 


  拝旭日        

高樓小閣列C晨   高楼 小閣 清晨に列し

淑氣蓬蓬此歳新   淑気蓬蓬として 此に歳新た

萬戸蕭森迎旭日   万戸蕭森と旭日を迎へ

城邊堤上一閑人   城辺 堤上 一閑人

          (上平声「十一真」の押韻)