作品番号 2026-121
新年口號
酷暑雖殘秋色鮮 酷暑残ると雖も 秋色鮮やかなり
赤楓黃葉艷姿連 赤楓 黄葉 艶姿連なる
如今生路迎豐熟 如今 生路 豊熟を迎へ
心泰身康又一年 心泰(ゆた)かに 身康くして 又一年
<解説>
昨年は夏は気象が異常だったが、秋は見事だった。
赤い楓や黄色い樹木による艶やかな景色が美しく連なっていた。
私は高齢なので植物に例えれば丁度紅葉の時期なのだ。
ならば今年も心泰に健康に留意し、また一年頑張ってみよう。
作品番号 2026-122
新年偶成(一)
齡高老大八旬中 齢高じて既に到る 八旬中(なか)ばなり
電子文明雖利世 電子 世を利すると雖も
發展文明世情變 発展せし文明 世情を変ふ
人心相隔苦衰翁 人心 相隔て 衰翁を苦しむ
作品番号 2026-123
新年偶成(二)
日落日昇年月奔 日落ち日昇り 年月奔る
人間競逐壞乾坤 人間 競逐し 乾坤を壊す
近來利己滔滔態 近来 利己 滔滔の態
互助相扶千古原 互ひに助け相扶く 千古の原(もと)
<解説>
陽が落ち陽が昇り歳月は奔る
人の世では互いに競い合うことで地球環境も変えてしまっている。
怖いのは近年、利己主義がはびこっていることで
お互いに助け合い共に生きていく事が人の神髄であることを夢忘れることなかれ
作品番号 2026-124
新年
笑語迎年老更新 笑語 年を迎へ 老いて更に新た
惠風高舞日昇辰 恵風 高く舞ひ 日昇る辰(とき)
熱田草薙寶刀社 熱田 草薙ぎ 宝刀の社
阿女誘吾倶喜春 阿女 吾を誘ひて 倶に春を喜ぶ
作品番号 2026-125
喜壽正旦
吉松竹峙C晨 吉祥 松竹 清晨に峙つ
輕雪梅枝粧白銀 軽雪 梅枝 白銀を粧ふ
里巷三元佳氣遍 里巷 三元 佳気遍し
方迎福壽一天新 方に迎ふ 福寿 一天新たなり
作品番号 2026-126
立春郊外
吹面江風春意生 面を吹く江風 春意生ず
飛來飛去水禽聲 飛来 飛去 水禽の声
荷鋤老圃事南畝 鋤を荷ふ老圃 南畝に事とす
緩歩堤塘嫩草萌 緩歩 堤塘 嫩草萌す
<解説>
刈谷市郊外の立春の頃の風景を想い浮かべながら創りました。
作品番号 2026-127
元朝立志
佳詠難成獨愴~ 佳詠成し難く 独り神を愴ましむ
近來漸老苦衰身 近来 漸く老い 衰身を苦しむ
今天迎歳心機改 今天 歳を迎へ 心機改まる
萬象吉還遇春 万象 吉祥 還た春に遇ふ
作品番号 2026-128
丙午年頭作
萬象吉天下春 万象 吉祥 天下の春
東風暖處賀佳辰 東風 暖かき処 佳辰を賀す
年年不怠元朝課 例年 怠らず 元朝の課
祈願平和試筆眞 平和を祈願して 試筆真なり
作品番号 2026-129
太平春
開壽宴等松椿 祥を開く寿宴 松椿に等し
遙望南山瑞氣新 遥望する南山 瑞気新たなり
百事頌樽才倚コ 百事 頌樽 才は徳に倚る
皇仙鶴太平春 青皇 仙鶴 太平の春
<解説>
お正月に長寿を祝い、歳を重ねる事を喜び、太平の春を祈る思いです。
作品番号 2026-130
獨夜立春
如雪梅花一樹明 雪の如き 梅花 一樹明し
軒風已聽立春聲 軒風 已に聴く 立春の声
搖搖楊柳窗前月 揺揺たる楊柳 窓前の月
肅肅燈獨夜情 粛粛たる青灯 独夜の情
<解説>
立春の夜の独りの時の流れを思って作りました。
音や光を入れての表現を試みました。
作品番号 2026-131
新年書懷
瑞氣韶光報令辰 瑞気 韶光 令辰を報ず
庭梅花發鳥聲新 庭梅 花発き 鳥声新たなり
歳朝復遇謝多幸 歳朝 復た遇ひ 多幸に謝す
駘蕩和風病起身 駘蕩 和風 病より起つ身
「報令辰」… めでたい元日の訪れを伝える
「駘蕩」 … 春の風や光がたゆとうさま
作品番号 2026-132
立春偶成
ク田嫩草水光生 郷田 嫩草 水光生ず
習習香風聴早鶯 習習 香風 早鶯を聴く
七秩歡迎立春候 七秩 歓び迎ふ 立春の候
負暄緩歩覓梅行 喧を負ひ 緩歩 梅を覓めて行く
<解説>
この年まで元気で春を迎えられた喜びと、これからも楽しいことをのんびり探していきたいという思いを詩にしました。
作品番号 2026-133
丙午元旦
衰楓落落山門下 衰楓 落落 山門の下
老檜亭亭社殿 老檜 亭亭 社殿の
祭主冠装祝歌響 祭主 冠装 祝歌響き
ク人笑語酒樽傾 九霄 笑語 酒樽傾く
作品番号 2026-134
丙午揮繪馬
鶯鳴元始幾回春 鶯鳴 元始 幾回の春
先拜祠堂嘉歳新 先ず祠堂に拝し 歳新たなるを嘉す
怡悦墨翰揮繪馬 怡悦して 墨翰 絵馬に揮ふ
木牌香艷壽佳辰 木牌 香艶やかにして 佳辰を寿す
作品番号 2026-135
午歳立春
屋檐雪解抵頭驚 屋檐 雪解け 頭に抵りて驚く
破蕾庭梅鶯鳥鳴 蕾を破り 庭梅 鶯鳥鳴く
寒盡今朝好風物 寒尽き 今朝 好風物
忘貧忘老泰然情 貧を忘れ老を忘る 泰然の情
<解説>
起句は、一月十二日に雪十センチの思い
結句は近況を生々しく表現しました
作品番号 2026-136
迎新年
三朝淑氣鳥聲春 三朝の淑気 鳥声春なり
邑里家家松告V 邑里 家家 松緑新た
立志勵行身尚健 立志 励行 身尚健なり
吉自祝太平人 吉祥 自ら祝ふ 太平の人
作品番号 2026-137
立春
水暖寺庭春興生 水暖み 寺庭 春興生ず
老僧歩歩下階行 老僧 歩歩 階を下って行く
澹然淨界C泉響 澹然たる浄界 清泉の響き
香氣迎門雪片輕 香気 門に迎へ 雪片軽し
作品番号 2026-138
新年一日
迎年韶景一天新 年を迎へ 韶景 一天新たなり
上院過畛嫩草陳 院に上らんと畛を過ぐ 嫩草陳ぶ
醫内寂寥衰病久 医内は寂寥 衰病久し
歸來幽暮茜雲春 帰り来たりて 幽暮 灯火親しむ
作品番号 2026-139
迎新年
淑氣晴山瑞靄中 淑気 晴山 瑞靄の中
猿投古社滿風 猿投の古社 祥風満つ
一家安泰祈~地 一家の安泰 神に祈るの地
境内南天珠果紅 境内の南天 珠果紅たり
<解説>
猿投神社に初詣にいった時の詩です。
境内にあった南天の紅い実に心ひかれました。
作品番号 2026-140
新年作
東風送暖曉雲新 東風 暖を送る 瑞雲の浜
朗朗鷄聲迎歳晨 朗朗たる鶏声 歳晨を迎ふ
偕老半生身尚健 偕に老い 半生 身は尚健たり
屠蘇三酌祝心頻 屠蘇 三酌 祝心頻りなり
<解説>
夫婦二人で元気に新年を祝うことができた喜びを詠みました。
作品番号 2026-141
新年偶感
淑氣佳辰萬象新 淑気の佳辰 万象新たなり
庭梅一朶燦如春 庭梅 一朶 燦として春の如し
八旬餘歳身康健 八旬余歳 身康健
靜晝香臺無俗塵 静昼 香台 俗塵無し
「C友」… 梅
「C芬」… 清らかな香り
「人日」… 正月七日
作品番号 2026-142
立春郊村
一朶蠟梅香氣横 一朶の蠟梅 香気横たふ
禪宮庭際喜春晴 禅宮 庭際 春晴を喜ぶ
行雲麗日暖風賞 行雲 麗日 暖風を賞す
物我相忘酒盞傾 物我 相忘れ 酒盞を傾く
<解説>
玄関前の蠟梅を観賞してから境内を眺めての感想です。
作品番号 2026-143
小寒偶成
和氣芳辰春動時 和気 芳辰 春動く時
晴雲麗日好風吹 晴雲 麗日 好風吹く
鶴林C友C芬遍 鶴林 清友 清芬遍し
一夕輕寒酒一巵 一夕 軽寒 酒一巵
作品番号 2026-144
歳晩偶成
世事回頭一草廬 世事 頭を回らす 一草廬
白駒過隙夜窗虛 白駒 隙を過ぎ 夜窓虚し
鐘聲百八鳴何處 鐘声百八 何れの処にか鳴る
宿志還新迎歳除 宿志 還た新たにして 歳除を迎ふ
「白駒過隙」… 速い馬がものの隙間をあっという間に過ぎる
作品番号 2026-145
丙午新年作
東天日出賀佳晨 東天 日出でて 佳晨を賀す
四海風和瑞氣新 四海 風和らぎ 瑞気新たなり
坐酌屠蘇醉ク半 坐して屠蘇を酌めば 酔郷半ば
今朝八十五年春 今朝 八十五年の春
作品番号 2026-146
立春偶作
訪友村郊歩歩輕 訪友 村郊 歩歩軽し
C溪蒼鬱動詩情 清渓 蒼鬱 詩情を動かす
午風料嶂凝梅樹 東風 料嶂 梅樹を凝らす
疎影南枝未喚鶯 疎影 南枝 未だ鶯を喚ばず
作品番号 2026-147
祭詩
黯淡龕燈夜色寒 黯淡たる龕灯 夜色寒く
光陰倏忽歳將殘 光陰倏忽 歳将に残せんとす
幾編詩稿苦吟迹 幾編の詩稿 苦吟の迹
拙什枯腸又喟歎 拙什 枯腸 又喟歎
「黯淡」… ほの暗い、薄暗い
「鷄肋」… 価値は少ないがすてがたい
「拙什」… 拙い詩編
「枯腸」… 詩文の才能がないこと
「喟歎」… ため息をつくさま
作品番号 2026-148
丙午歳旦
東風盎盎紺園臻 東風盎盎(おうおう)として 紺園に臻(いた)り
一炷兜樓香篆新 一炷(しゅ)の兜楼 香篆新たなり
瓶裏梅花薫玉蕊 瓶裏の梅花 玉蕊薫り
虔迎丙午瑞春 虔(つつし)んで迎ふ 丙午瑞祥の春
「紺園」… 寺
「兜樓」… 香の名
「香篆」… 幅の広い線香、香炉の煙。篆文のように煙が立ち上ることから。
作品番号 2026-149
歳旦偶成
庸庸老到苟生身 庸庸老い到る 苟生(こうせい)の身
幸得壽康還遇春 幸ひ寿康を得 還た春に遇ふ
牽狗共登丘阜上 狗に牽かれ 共に登る 丘阜の上
曈曨日出望初晨 曈曨(とうろう) 日出で 初晨を望む
「庸庸」… 平凡に
「苟生」… いたづらに生き長らえる
「丘阜」… 岡、丘陵
「曈曨」… 明るく輝いていく日の出の太陽の様
作品番号 2026-150
試春茶
初陽粲粲上春霞 初陽 粲粲 春霞に上り
數朶盆梅綻雪葩 数朶の盆梅 雪葩綻ぶ
紺宇歳朝欣樂極 紺宇の歳朝 欣楽極まり
爐邊香泛獨煎茶 炉辺 香泛び 独り茶を煎ず