2025年の投稿詩 第211作は静岡芙蓉漢詩会の 擔雪 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-211

  盛夏        

樹葉映日妍   樹葉 青々 映日妍なり

槿花皓皓一枝鮮   槿花 皓々 一枝 鮮なり

園林酷暑風全止   園林 酷暑 風全く止む

炎夏蟬休三伏天   炎夏 蝉休んで 三伏の天

          (下平声「一先」の押韻)


「蟬休」: 暑さで鳴けない

<解説>

 今年の夏は全く閉口しました。
 涼風もなく酷暑、猛暑、厳暑と言われ正に三伏の夏。
 しかし、木蓮のほのかな香りに慰められました。

























 2025年の投稿詩 第212作は静岡芙蓉漢詩会の 擔雪 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-212

  探春        

茅屋春寒料峭風   茅屋 春寒 料峭(りょうしょう)の風

靈峯富嶽一峯崇   霊峰 富岳 一峯崇し

小庭閑寂臘梅郁   小庭 閑寂 臘梅郁(かぐわ)し

時歩村墟一徑通   時歩 村墟 一径通ず

          (上平声「一東」の押韻)


「霊峰」: 富士山























 2025年の投稿詩 第213作は静岡芙蓉漢詩会の 子方 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-213

  孫之夕景        

夕陽西没待団欒   夕陽 西に没すれば 待つは団欒

部活男孫聲勢彈   部活の男孫 声勢 弾ます

更到携書笑顔姉   更に到る 書携へし 笑顔の姉

帰途門外月光闌   帰途の門外 月光闌(たけなわ)なり

          (上平声「十四寒」の押韻)


<解説>

 日が沈む頃 孫が夕飯を食べる爲 我家に寄る。
 弟より遅れて姉が高校から帰ってくる。
 食後直ちに帰宅。

























 2025年の投稿詩 第214作は静岡芙蓉漢詩会の 子方 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-214

  菊花        

熱風連日吹東海   熱風 連日 東海に吹き

既過中秋尚暑加   既に中秋過ぎて 尚暑加はる

時有集中豪雨害   時に有り 集中豪雨の害

雖然那様發黃花   然りと雖も那様(いかん)ぞ 黄花発(ひら)くは

          (下平声「六麻」の押韻)


























 2025年の投稿詩 第215作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-215

  流蘇樹        

清明新葉初   清明 新葉の初め

立夏白花餘   立夏 白花余す

翳樹絹綾飾   樹を翳(かげ)るは絹綾の飾り

流蘇埀穂舒   流蘇 垂穂舒(ひろ)がる

          (上平声「六魚」の押韻)


<解説>

「流蘇樹」は「なんじゃもんじゃ」という樹名
「なんと言うものじゃこの樹は」といろいろあるようだが、ここでは 「ヒトツバダゴ」

(注)流蘇: 下垂的穂状飾物

























 2025年の投稿詩 第216作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-216

  花花        

何奈希長壽   何奈(いかん)ぞ 長寿 希(のぞ)むは

會花花解言   花に会へば 花 言を解く

包容如慈母   包容 慈母の如く

忘老復童孫   老いを忘れ 童孫に復る

          (上平声「十三元」の押韻)


<解説>

 『坂村真民一日一詩』より

  花たち
 なぜに長生きしたいのか
 花たちに会うためだ
 花は 花嫁のように
 いのちに満ち ひかりに溢れ
 わたしを若返らせ
 わたしを幸せにしてくれる


























 2025年の投稿詩 第217作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-217

  白露        

白露猶餘炎暑天   白露 猶ほ余す 炎暑の天

茫茫夏草更芽伸   茫茫たる夏草 更に芽伸ぶ

雖然逐日蟲聲樂   然りと雖も 日を逐うて虫声楽し

季節漸亨心亦新   季節 漸く亨(とお)る 心亦新た

          (下平声「一先」・上平声「十一真」の通韻)


<解説>

 今年の処暑八月廿三日は、真夏日 秋らしさは全くなかった。
 そして白露九月八日、朝の気温三十度、処暑と変わりない真夏の日差し、それでも入浴時に虫の声。
 秋分にはススキの穂が出そろった。

























 2025年の投稿詩 第218作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-218

  福島處理水        

纔含放射能   纔(わず)かに含む 放射能

排水海洋層   排水 海洋の層

政府安全證   政府 安全証す

権威自飲承   権威 自ら飲み承くべし

          (下平声「十蒸」の押韻)


<解説>

 結句の「権威自飲承」

 「おうおう、雁首揃えたお偉いさんよ。
  そんなに大丈夫(デージョーブ)ってなら、
  てめーで飲んでみやがれ」
 という感じ。

 この水、微量のトリチューム含有。

























 2025年の投稿詩 第219作は静岡芙蓉漢詩会の Y・H さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-219

  猛暑        

連日炎威人影疎   連日の炎威 人影疎(まば)らなり

熱中對策一家居   熱中対策 一家の居

北窓鈴韻南遮幕   北窓 鈴韻 南幕(みなみまく)で遮る

涼氣充分妻與予   涼気 充分 妻と予(われ)

          (上平声「六魚」の押韻)


<解説>

 今年の夏も猛暑。
 高齢者はとにかく熱中症対策を徹底して猛暑を乗り切ろう。

























 2025年の投稿詩 第220作は静岡芙蓉漢詩会の Y・H さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-220

  猛暑災害        

炎暑更新豪雨來   炎暑更新して 豪雨来る

土砂洪水故山摧   土砂 洪水 故山摧(くだ)く

地球變動沸騰化   地球変動 沸騰化

何處何時人類災   何処何時 人類の災ひ

          (上平声「十灰」の押韻)


<解説>

 今年は記録的な猛暑が続き、夏の暑さは災害級だと言われています。
 ひとたび雨が降れば、線状降水帯の発生など被害が多発しています。
 国連事務総長は今や「地球沸騰化」の時代が到来したと、コメントしております。

























 2025年の投稿詩 第221作は静岡芙蓉漢詩会の Y・H さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-221

  食糧不足        

炎塵豪雨異常天   炎塵 豪雨 異常の天

米穀凶荒耕種田   米穀 凶荒 耕種の田

価格高騰家計苦   価格 高騰 家計苦しむ

店頭行列不安連   店頭に行列すれば 不安連なる

          (下平声「一先」の押韻)


<解説>

 台風一〇号による長雨など農作物への影響が懸念されています。
 特に穀物は品薄の状況が続き、価格も高騰し生活への影響が心配されています。

























 2025年の投稿詩 第222作は静岡芙蓉漢詩会の Y・H さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-222

  想富士登山        

霊峰富士望登巓   霊峰 富士 登巓を望み

異客輕裝落日前   異客軽装 落日の前

危險入山規制促   危険な入山 規制促す

課題集積必優先   課題 集積 優先 必し

          (下平声「一先」の押韻)


<解説>

 夏山シーズンを迎え、富士山は登山客で賑わっています。
 特に外国人の登山客が多く、又そのマナーの悪さも問題とされております。
 世界遺産である富士山は環境面においても日本一であるよう後世に伝えていきたいものです。

























 2025年の投稿詩 第223作は静岡芙蓉漢詩会の 一菊 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-223

  遭雨        

遭雨秋宵古驛中   雨に遭ふ秋宵 古駅の中

芒花含露倚微風   芒花 露含みて 微風に倚る

醉人澁舌能留客   醉人舌渋りて 能く客を留め

何事飛謄類轉蓬   何事ぞ飛謄せん 転蓬(てんぽう)に類すと

          (上平声「一東」の押韻)


<解説>

「澁舌」: 呂律が回らない
「飛騰」: 遠くへ旅立つこと
「類轉蓬」: 風に吹かれる枯れ蓬のように

 ホテルで食事後、雨が降り駅に行くべきか悩んでいると、酔客の方が「この雨の中行かずに飲んだ方がいい」とアドバイスしてくれました。
 そのことをヒントに作りました。

























 2025年の投稿詩 第224作は静岡芙蓉漢詩会の 一菊 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-224

  秋        

芳氣芬芬丹桂秋   芳気芬芬(ふんふん) 丹桂の秋

冷光皎皎赤楓頭   冷光皎皎(きょうきょう) 赤楓の頭(ほとり)

殘蛩奏樂金風起   残蛩奏楽 金風起こり

落葉凋霜歳月流   落葉 凋霜 歳月流る

          (下平声「十一尤」の押韻)


<解説>

 対句のための習作です。
 清らかな秋の夜と友を送る景色を詠みました

























 2025年の投稿詩 第225作は静岡芙蓉漢詩会の 一菊 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-225

  思友        

昨夜纏羅送暑氛   昨夜羅を纏いて暑氛を送り

今朝重領迎秋雲   今朝領(えり)を重ねて秋雲を迎ふ

雁聲惻惻向何處   雁声惻々(そくそく)何処へと向(む)かひ

歸客遙思又見君   帰客遥かに思ふ又君を見んと

          (上平声「十二文」の押韻)


<解説>

 昨日まで暑かったのが、今朝になり急に寒くなり旅鳥の声もまだ南にも北にも聞こえる中の寂しさを詠みました。

「惻惻」: 寒々しい様
「紛紜」: 心が揺れ動く様

























 2025年の投稿詩 第226作は静岡芙蓉漢詩会の 一菊 さんからの作品です。
 令和6年11月29日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第35集』としてまとめました。

作品番号 2025-226

  贈酒        

友贈香醅錦繍秋   友に香醅(こうばい)贈る 錦繍の秋

音書幸矣憶同游   音書幸ひなる矣 同游憶ふ

冀望他日還郷國   冀望す 他日 郷国に還り

小集歡言解破愁   小集歓言解く 愁ひを破る

          (下平声「十一尤」の押韻)


<解説>

 友に酒を贈り、返信をもらいました。又会って、友だちと集まりたい気持ちを詠みました