2023年の投稿詩 第301作は静岡芙蓉漢詩会の 柳村 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-301

  秋夜        

碧落迢迢月二更   碧落 迢々 月二更

夜風處處早寒生   夜風 処々 早寒生ず

籬邊蟲語感何盡   籬辺の虫語 感何ぞ尽きん

一片秋心憶舊盟   一片の秋心 旧盟を憶(おも)ふ

          (下平声「八庚」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第302作は静岡芙蓉漢詩会の 柳村 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-302

  曉天坐        

蟬聲聒聒坐凌晨   蝉声聒々 凌晨に坐す

流汗淋漓不動身   流汗淋漓 身を動ぜず

一陣涼風加爽氣   一陣の涼風 爽気加へ

參禪三昧洗心塵   参禪三昧 心塵を洗ふ

          (上平声「十一真」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第303作は静岡芙蓉漢詩会の 柳村 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-303

  初冬出遊        

新寒獨訪古禪宮   新寒 独り訪ふ 古禅宮

銀杏參天帯夕舂   銀杏 天に参 夕舂を帯ぶ

黄葉成堆人不掃   黄葉 堆を成して 人掃かず

北風切切送疎鐘   北風 切々 疎鐘を送る

          (上平声「一東」・「二冬」通韻)


<解説>

「参天」: 樹木が天に届くほど高い
「帯夕舂」: 夕暮れの様相を呈している
「疎鐘」: 間遠な鐘の音


























 2023年の投稿詩 第304作は静岡芙蓉漢詩会の 柳村 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-304

  小春吟        

丹楓黄菊彩山園   丹楓 黄菊 山園を彩る

富嶽玲瓏白雪繁   富岳は玲瓏 白雪繁し

愛日尋朋香野徑   愛日 朋を尋ぬ 野径香し

茶梅花綻樂晴暄   茶梅 花綻び 晴暄を楽しむ

          (上平声「十三元」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第305作は静岡芙蓉漢詩会の 甫途 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-305

  彩雲        

富良野阜鹿聲飛   富良野の阜 鹿声は飛ぶ

鮮紫花田已落暉   鮮紫 花田 已に落暉

變幻彩雲容刻刻   変幻の彩雲 容(すがた) 刻々

感嘆佇見北陲輝   感嘆 佇み見る北陲の輝き

          (上平声「五微」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第306作は静岡芙蓉漢詩会の 甫途 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-306

  七夕        

雨洗殘炎坐此宵   雨は残炎を洗ひ 此の宵に坐す

涼臺翁媼一天遙   涼台 翁媼 一天遥かなり

星河欲滴傍逢遇   星河滴らんと欲し 逢遇に傍(そ)へば

千古慕情盈地饒   千古の慕情 地に盈ちて饒(ゆた)か

          (下平声「二蕭」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第307作は静岡芙蓉漢詩会の 甫途 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-307

  訪篤行老        

桂月郊村訪老翁   桂月 郊村 老翁を訪ふ

營農自足食鮮豐   営農自足 食鮮は豊か

率先隣曲信心語   率先す 隣曲 信心語るに

篤行天眞爛漫公   篤行 天真爛漫の公(きみ)

          (上平声「一東」の押韻)


<解説>

「桂月」: 陰暦八月、木犀の花咲く頃

























 2023年の投稿詩 第308作は静岡芙蓉漢詩会の 甫途 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-308

  天城越        

梅霖伊豆越天城   梅霖 伊豆 天城を越ゆ

一座襟遭遇行   一座 青襟 遭遇して行く

此伴舞姫談笑樂   此の舞姫に伴って 談笑楽し

灣頭離別兆餘情   湾頭の離別 余情兆す

          (下平声「八庚」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第309作は静岡芙蓉漢詩会の F ・ U さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-309

  銷暑        

畏日炙人三伏時   畏日(いじつ)人を炙る 三伏の時

天漠漠縉雲垂   青天漠々と 縉雲(しんうん)垂る梁山

松風奏瑟国級コ   松風瑟を奏づる 緑窓の下

閑誦幾編銷夏詩   閑に誦す 幾編 銷夏の詩

          (上平声「四支」の押韻)


<解説>

「畏日」: 夏の炎天の日。夏の太陽
「縉雲」: 薄赤いろの夏の雲

























 2023年の投稿詩 第310作は静岡芙蓉漢詩会の F ・ U さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-310

  新秋夜坐        

一榻移階坐夜闌   一榻(いっとう)階(きざはし)に移し 夜闌に坐す

嬋娟朗月耀雲端   嬋娟たる朗月 雲端に耀く

桂花未馥吟蟲好   桂花未だ馥らざれど 吟蟲好く

風送C涼澄肺肝   風は清涼を送って 肺肝を澄ます

          (上平声「十四寒」の押韻)


<解説>

「肺肝」: こころ。心の奥底

























 2023年の投稿詩 第311作は静岡芙蓉漢詩会の F ・ U さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-311

  月夜聽胡琴        

馝桂花薫梵林   馝(ひつほつ)と桂花 梵林に薫り

夜風影裡聽胡琴   夜風影裡(ようり) 胡琴を聴く

錚錚幽韻潤吟肺   錚々たる幽韻 吟肺を潤し

月放C光照素心   月はC光を放って 素心を照らす

          (下平声「十二侵」の押韻)


「馝」: {馝}{}ともに かんばしい。よいかおり
「梵林」: 寺院
「錚錚」: 琴や琵琶の澄んだ音の形容
「素心」: かざりけのない 平素の心

























 2023年の投稿詩 第312作は静岡芙蓉漢詩会の F ・ U さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-312

  賀婚        

菊花瀟灑錦秋天   菊花瀟灑たり 錦秋の天

伉儷情深結勝縁   伉儷(こうれい) 情深く 勝縁を結ぶ

偕老契來華燭宴   偕老契り来たる 華燭の宴

擧杯祝酒醉芳筵   祝酒を挙杯し 芳筵に酔ふ

          (下平声「一先」の押韻)


<解説>

「伉儷」: 夫婦 つれあい
「偕老」: 老いを偕(とも)にする
「瀟灑」: 上品で清らかなさま


























 2023年の投稿詩 第313作は静岡芙蓉漢詩会の 梁山 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-313

  天恩        

全身放下委波良   全身を放下(ほうげ)し 波に委ねて良し

必有天恩守我康   必ず天恩有りて 我を守りて康し

感到前途横障壁   感じ到る前途 障壁横たはるも

勇然進歩見桃郷   勇然歩を進むれば 桃郷を見ん

          (上平声「七陽」の押韻)


<解説>

 天の理法は常に大地に降り注いでいる。
 海水に浮かぶように、全身の力を抜いてこれに託せば、どんな難事も解決できるが、人間は自分の欲に縛られて、わざわざ力んでは無理を生じている。
 八方塞がってどうにもならない時でも勇気を持って踏み出せば、桃源郷が待っている。



























 2023年の投稿詩 第314作は静岡芙蓉漢詩会の 梁山 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-314

  軋轢        

人間軋轢従何招   人間(じんかん)の軋轢(れつあき) 何に従って招かるるか

自大夜郎毎個驕   自大の夜郎は 毎個(いずれも)驕(おご)るなり

百歳古来稀苦界   百歳 古来 稀なる苦界

哀哉狂乱罵徒跳   哀れなる哉 狂乱罵り徒らに跳ぬ

          (下平声「二蕭」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第315作は静岡芙蓉漢詩会の 梁山 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-315

  漢字俳句 一        

子背父途窮       背かれて

残路難行宛轉蓬   戸惑う父や

蜩躁只轟轟       暮れの蟬

          (上平声「一東」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第316作は静岡芙蓉漢詩会の 梁山 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-316

  漢字俳句 二        

何故乞哀鳴       なにゆえに かく愛(かな)しげに

搖谷暮蜩讒陥聲   汝(な)は鳴くか

航路宛流萍       寄せては返す 暮(ぼ)蜩(ちょう)の波よ

          (下平声「八庚」の押韻)






















 2023年の投稿詩 第317作は静岡芙蓉漢詩会の 擔雪 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-317

  苦熱        

酷暑燒身三伏天   酷暑 身を焼く 三伏の天

蜩螗亂噪破閑眠   蜩螗の乱噪 閑眠を破る

涼風吹得荷風好   涼風吹き得て 荷風好し

未散殘炎落照邊   未だ残炎散らず 落照の辺り

          (下平声「一先」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第318作は静岡芙蓉漢詩会の 擔雪 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-318

  天童寺拜登        

夏雨天童究絶巓   夏雨の天童 絶巓を究む

僧房老柳濠ワ煙   僧房の老柳 緑は煙を含む

永平高祖曾遊地   永平 高祖 曾遊の地

一炷C香志更堅   一炷の清香 志更に堅し

          (下平声「一先」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第319作は静岡芙蓉漢詩会の 擔雪 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-319

  消夏        

門巷閑人避暑遊   門巷 閑人 暑を避けんと遊ぶ

蟬聲相對鐸鈴流   蝉声 相対す 鐸鈴の流れ

一途念誦快川事   一途 念誦 快川の事

院落風C是我秋   院落 風Cし 是れ我が秋

          (下平声「十一尤」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第320作は静岡芙蓉漢詩会の 擔雪 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-320

  餞歳偶成        

景物蕭蕭隔世塵   景物 蕭々 世塵を隔て

今宵市井出遊人   今宵 市井 出遊の人

閑居寂寞寒威迫   閑居 寂寞 寒威迫る

臘尾窮陰只待春   臘尾 窮陰 只だ春を待つ

          (上平声「十一真」の押韻)


























 2023年の投稿詩 第321作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-321

  勤労宿営        

深夜撃音皆起床   深夜の撃音 皆起床

少年把銃走村牆   少年銃を把り 村牆を走る

緊張南下戰車報   緊張す 南下戦車の報に

不日聖音繞感傷   不日 聖音 感傷繞る

          (下平声「七陽」の押韻)


<解説>

 北京中学3年生2百名は、蘆溝橋の北十数キロのある兵舎に泊まり込みで爆弾造りの毎日だった。
 8月7日早暁銃声一発、総員起床の声あり、ゲートルを巻き銃を把って近くの村落を駆け巡った。
 9日大同よりソ連戦車南下、11日戦車引き返し、東に向かう模様、そして15日を迎えた。


























 2023年の投稿詩 第322作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-322

  浜松花苑        

四時竭力育成勤   四時力を竭くして育成に勤しむ

季節選苗誠直分   季節の選苗 誠直に分かつ

慧眼碎身無厭棄   眼慧く 身を砕き 厭棄するなし

整齎滿苑彩花雲   整ひ斉(ととの)ふ 滿苑 花雲の彩り

          (上平声「十二文」の押韻)


<解説>

 花雲は一般に桜を指し春の季語だが、ここで浜松フラワーパークのテーマソング「花の雲」歌詞にある「手をかけ目をかけ時をかけ」

























 2023年の投稿詩 第323作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-323

  無題        

欲防誤嚥伏顔食   誤嚥防がんと欲し顔を伏せて食し

咀嚼悠悠滿遍常   咀嚼悠々 滿遍常とす

齒緩喉憔時澁噎   歯は緩み 喉は憔(やつ)れ 時に渋り噎(むせ)ぶも

猶貪珍味併傾觴   猶ほ貪たり 珍味併せて 觴傾くるに

          (下平声「七陽」の押韻)


<解説>

 胃の内視鏡検査、又胃癌潰瘍の内視鏡切除、咽喉部は大分摩耗したかなと誤嚥予防の毎日。
 歯の緩みもあって食事緩慢なこと。


























 2023年の投稿詩 第324作は静岡芙蓉漢詩会の 常春 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-324

  初夏水村        

岬角燈臺今尚嚴   岬角(こうかく)の灯台 今尚厳か

遠望近景頃回瞻   遠望 近景 頃(しばら)く回(めぐ)り瞻(み)ん

水平明瞭半圓海   水平 明瞭 半円の海

彼此騎遊冲浪添   彼ち此ちの騎遊 冲浪に添ふ

          (下平声「十四塩」の押韻)


<解説>

 御前崎燈台、海抜40m位、燈台脇からの眺望、周円100度くらいか。
 そして高波に挑むサーファーの姿


























 2023年の投稿詩 第325作は静岡芙蓉漢詩会の Y ・ H さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-325

  猛暑        

連日炎氛記録新   連日の炎氛 記録新たなり

息心低下歎吾身   息心の低下 吾が身を歎く

菜園枯死高騰夏   菜園 枯死 高騰の夏

氣象異常傾首頻   気象異常 首を傾くること頻りなり

          (上平声「十一真」の押韻)


<解説>

 今年の夏も高齢者には厳しい日々でした。猛暑かと思えば線状降水帯、世界各地で地球規模の異常気象。
 今後地球はどうなっていくのか?


























 2023年の投稿詩 第326作は静岡芙蓉漢詩会の Y ・ H さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-326

  煙火大会        

煙火再興愉悦來   煙火再興して 愉悦来たる

好音反響巨花開   好音反響して 巨花開く

交斟麥酒納涼宴   麦酒斟み交わす 納涼の宴

夏夜風光湖上催   夏夜の風光 湖上に催す

          (上平声「十灰」の押韻)


<解説>

 コロナも平常となり久々に花火大会が各地で復活し賑わいをみせております。
 夏の夜は一杯飲みながらの花火見学最高です・・・


























 2023年の投稿詩 第327作は静岡芙蓉漢詩会の Y ・ H さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-327

  港未来街        

埠頭潮氣晩涼催   埠頭 潮気 晩涼催す

觀覧高層輕輦回   観覧高層 軽輦回る

灣内周遊光飾彩   湾内周遊すれば 光飾彩やか

横濱港市更新裁   横浜港市 更に新たに裁す

          (上平声「十灰」の押韻)


<解説>

 孫が大学生となり、横浜に居住したので、訪ねてみました。
 夜は夜景を見ながらの湾内巡り最高でした・・・


「高層」: ランドマークタワー
「観覧」: 大観覧車


























 2023年の投稿詩 第328作は静岡芙蓉漢詩会の Y ・ H さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-328

  視聽~君心骨        

コ川發足遠州城   徳川発足 遠州の城

放映即時來訪榮   放映即時 来訪栄ん

街角騒然騎馬列   街角騒然 騎の列

~君偉業盛名成   神君の偉業 盛名成る

          (下平声「八庚」の押韻)


<解説>

 大河ドラマ「どうする家康」の人気俳優が浜松まつりパレードに参加した。
 市中心街は二万二千人の観客が詰めかけ「家康公」騎馬武者行列に声援を送った。


























 2023年の投稿詩 第329作は静岡芙蓉漢詩会の 子方 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-329

  春日花下        

風温櫻蕾萬枝先   風温かく 桜の蕾 万枝の先

痼疾流行幾變遷   痼疾の流行 幾変遷る

露國貪狼庸恐辣   露国 貪狼 畏辣庸(つね)とし

八旬野老待明天   八旬の野老 明天を待つ

          (下平声「一先」の押韻)


<解説>

 櫻の満開近く、コロナの流行も一服。
 ロシアは強引にウクライナを潰そうとする。
 早く戦いが終わりますよう。



























 2023年の投稿詩 第330作は静岡芙蓉漢詩会の 子芳 さんからの作品です。
 11月27日に静岡市の鎌倉文庫にて合評会を開きました。
 完成作を『芙蓉漢詩集 第33集』としてまとめました。

作品番号 2023-330

  戦後之東京        

西郊練馬大根豐   西郊の練馬 大根豊か

焼盡都心再建隆   焼き尽くす都心 再建隆ん

鐵釜浴槽兄弟惑   鉄釜の浴槽 兄弟惑ひ

共穿木履戯遊窮   共に木履を穿きて戯遊窮む

          (上平声「一東」の押韻)


<解説>

 戦後、父と私と弟は練馬の平沼邸へ泊まった。
 はじめての釜風呂にまごまごして下駄を履いて入った。