作品番号 2022-01
除夕聽鐘聲
除夕鐘聲響夜天,
人人祈福拜神前,
吾逾花甲求何事,
但願平安度虎年。
今年は良い年になるといいですね。
本年もよろしくお願いします。
作品番号 2022-02
新年
蓬蓬淑気引初曦 蓬蓬たる 淑気 初曦を引く
風軟昇平翻旭旗 風軟にして 昇平 旭旗翻る
快飲屠蘇身好在 快飲 屠蘇 身好在なり
高吟揮筆賦新詩 高吟し 筆を揮り 新詩賦す
明けましておめでとうございます。
作品番号 2022-03
拜年有作
元旦傾椒酒, 元旦 椒酒を傾く
壬寅天地春。 壬寅 天地の春
千門惜歳月, 千門 惜歳の月
万戸拜年晨。 万戸 拜年の晨
麗日祝康寿, 麗日 康寿を祝し
恵風払旧塵。 恵風 旧塵を拂ふ
五雲心自爽, 五雲 心自ずから爽
四海淑光新。 四海 淑光新た
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
作品番号 2022-04
新年書懐
天地新正淑気通 天地は新正にして淑気通ず
里居窓外暖春風 里居の窓外 春風に暖まる
妖痾帰去前途遠 妖痾の帰去 前途遠し
四季昇平問碧翁 四季の昇平 碧翁に問ふ
「淑気通(しゅくきつうず)」: めでたさいっぱい
「里居」: 田舎のあずまや
「妖痾」: コロナウィルス
「四季」: 一年
今年の歌会始のお題の「窓」を挿入しました。
作品番号 2022-05
五絶・迎接虎歳新年吹大牛
虎嘯吾傾酒, 虎は嘯き吾は酒を傾け,
三元吹大牛。 三元に大牛(大ぼら)を吹く。
凡吟詩六萬, 凡吟の詩六万,
免費喜仙遊。 免費(ただ)で仙遊を楽しめり と。
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
作品番号 2022-06
歳末現金閣寺雪覆圖有題,明日即2022年元旦
跨年寒意多,
山水思青翠。
春色爲誰來,
雪中金閣寺。
あけましておめでとうございますいます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
作品番号 2022-07
2021年的年末在上海
新歳鐘聲外灘上,
舊年何舊費思量。
故ク明日迎高鉄,
游子今宵在異ク。
作品番号 2022-08
壬寅新年書感
頂皮光沢鬢邊絲 頂皮の光沢 鬢辺の糸
七十六年平穏馳 七十六年 平穏に馳せる
疫病蔓延窮苦久 疫病 蔓延 窮苦久し
偏希萬世子孫貽 偏に希(こいねが)ふは万世 子孫に貽(おく)るを
「壬寅(じんいん)」: みずのえ とら
「疫病」: 新型コロナウイルス
「万世」: 素晴らしい世が永久に続く
新年明けましておめでとうございます
年末寒波が過ぎ穏やかな新年を迎えております。
今年もコロナウイルスが主役の年になるかもしれません
本年もご指導宜しくお願い致します
制約なく自由にという雰囲気ではなくなってきました
せめて作詩活動だけでも明るく取り組みたいところです
作品番号 2022-09
初得智能手机迎春 初めてスマートフォンを得て春を迎ふ
去歳初需意嗛然 去歳 初めて需めて 意嗛然たれど
蟹行文字忽迍邅 蟹行の文字 忽ち迍邅す
擬模世俗不容易 世俗に模(に)せんと擬(ほっ)すれど 容易ならず
頑老猶期新一年 頑老猶期す 新たなる一年
「嗛然(きょうぜん)」: 満足なさま
「迍邅(ちゅんてん)」: たちもとおる
作品番号 2022-10
壬寅初吟
壬寅初日照霊峰 壬寅の初日 霊峰を照らす
恭賀暁天趣更濃 恭賀 暁天 趣更に濃やかなり
先酌屠蘇多淑気 先ず屠蘇を酌み 淑気多し
呻吟仕遂自従容 呻吟仕遂げ 自ずから従容
あけましておめでとうございます。
「新年漢詩」、挑戦してみました。
よろしくご指導のほどお願い申し上げます。
壬寅の初日が霊峰富士を照らしている
この新年の朝方の空を見ていると更なる趣を感ぜられる
まずはお屠蘇を酌む すると新年の目出度さが更に増す
やっとの思いで詩を作り上げ、まずは胸をなでおろしている
作品番号 2022-11
新年作
東風淑気麗初陽 東風 淑気 初陽麗らかなり
一笑欣欣百慮忘 一笑す 欣欣 百慮を忘る
屠蘇快飲身康健 屠蘇を快く飲み 身は康健
無恙三元老故郷 恙無く 三元 故郷に老ゆ
春風が吹き和やかな気がして初陽が麗らかである。
一笑いして喜び。多くの心配事を忘れる。
屠蘇を快く飲み、体は健康
恙なく年の初めに故郷で老いを迎えている。
生まれ育った故郷で老いを迎えた正月での心境です。
(現実は心配事はいろいろありますが、気分を詠いました。)
作品番号 2022-12
古希新春(一)
嘉辰獨酌意由由 嘉辰独酌 意由由
茅屋清澄香氣柔 茅屋清澄 香気柔らかなり
遮莫七旬多蹶失 遮莫 七旬 蹶失の多きは
幸居安宅又何求 幸いに安宅に居りて 又何をか求めん
新年おめでとうございます。
今年が、平穏で発展の年になることを祈念します。
「新年漢詩」お送りしますので、宜しくお願い致します。
作品番号 2022-13
古希新春(二)
病魔未収三歳巡 病魔未だ収まらず 三歳巡る
閉門獨酌避喧塵 門を閉ざして独酌 喧塵を避く
静懷往昔多蹉跌 静かに往昔を懷へば 蹉跌多し
徒食成無七十春 徒食成す無く 七十の春
作品番号 2022-14
新春村社
凊旦村社道 凊旦 村社の道
思患毎年苛 患への 年毎に苛なるを思ふ
傳聞存霊祐 伝へ聞く 霊祐存りと
偏祈衆庶和 偏に祈る 衆庶の和らぐを
作品番号 2022-15
守歳迎令和四年
枕邊七福福須招 枕辺の七福 福須く招くべし
祭了詩篇已半宵 詩篇を祭り了へて 已に半宵
三百六旬將欲盡 三百六旬 将に尽きんと欲す
閑迎四十五年朝 閑に迎へん 四十五年の朝
あけましておめでとうございます。
「新年漢詩」として一首お送りさせていただきます。
本年もよろしくお願いいたします。
枕に敷いた七福神 福を招いてくれるだろう
詩の祭りごと終わったら とうに夜中になっている
三百六十日あまり 今年も終わりということで
数えで四十五のとしを 心しずかにお迎えだ
作品番号 2022-16
除夜
霧笛新年賀 霧笛 新年の賀、
鐘除万古憂 鐘は除く 万古の憂い。
赤灯遥点滅 赤灯 遥かに点滅する、
遠見象徴楼 遠くに見る 象徴の楼。
作品番号 2022-17
正月
軒下勝霜菜 軒下 霜に勝える菜、
寒村不遠春 寒村 遠からざるの春。
年初三日月 年初 三日月、
尚照古今人 尚照らす 古今の人。
作品番号 2022-18
初雪
寒風窓外皎 寒風 窓外皎く、
月照疑初霜 月照らして 初霜を疑ふ。
港町年初静 港町 年初静かに、
関山雪舞蒼 関山 雪舞って蒼し。
作品番号 2022-19
辛丑歳除述懐
衰禿無為日月移 衰禿 無為 日月移り
空懐亡友老残悲 空しく亡友を懐う 老残の悲しみ
酔中駆逐疫魔歳 酔中 駆逐せん 疫魔の歳
八秩明年更一衰 八秩 明年 更に一衰
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
作品番号 2022-20
壬寅新正口号
新正改服出衡門 新正 服を改めて 衡門を出づれば
風穏衰躬春日暄 風は衰躬に穏かにして 春日暄かなり
余齢最佳期此歳 余齢 最も佳なるは 此の歳に期さん
且欣如月第三孫 且(ま)づ欣ぶ 如月 第三孫
作品番号 2022-21
年賀
依舊春光燦我窓 旧に依って 春光 我が窓に燦たり
昔年多難病魔疲 昔年 多難な病魔に疲れる
應祈轉禍成瑞 将に祈るべし 禍転じ祥瑞なるを
老氣横秋興稔時 老気横秋 興稔る時
作品番号 2022-22
新春偶成
親友多徂悟老軀 親友多く徂き 老躯を悟る
吾猶雄健蟄堂隈 吾は猶雄健なるも 堂隈に蟄る
春風吹寄遊心好 春風吹き寄せ 遊心好し
雅趣陶然詩酒娯 雅趣 陶然 詩酒娯しまん
作品番号 2022-23
早春懽
舊村晨路寂無人 旧村の晨路 寂として人無し
朔氣晴霄野水濱 朔気 晴霄 野水の浜
素艷幽香相對佇 素艶 幽香 相対して佇む
東風柔軟一枝春 東風 柔軟 一枝の春
作品番号 2022-24
迎年
歳末寒波庭雪堆 歳末 寒波 庭雪堆し
C馨一脈待春梅 清馨 一脈 春を待つ梅
全家無恙圍爐坐 全家 恙無く 炉を囲みて坐す
歡笑迎年萬壽杯 歓び笑ひ 年を迎ふ 万寿の杯
作品番号 2022-25
正月
掃葉剪枝庭景新 葉を掃ひ 枝を剪り 庭景新たなり
門前三友又迎春 門前の三友 又春を迎ふ
賀餐飲酒紅顔極 賀餐に飲酒 紅顔極まる
親族康寧笑語頻 親族 康寧 笑語頻り
「三友」… 松竹梅
作品番号 2022-26
迎春
庭除寸雪草堂晨 庭除の寸雪 草堂の晨
凍雀飛來畫景新 凍雀 飛び来たり 画景新なり
相會一門交誼厚 相会す 一門 交誼厚し
賀年椒酒喜芳醇 賀年 椒酒 芳醇を喜ぶ
作品番号 2022-27
新年作
早曉庭除歳此新 早暁 庭除 年此に新たなり
數枝梅蕾鳥聲頻 数枝 梅蕾 鳥声頻りなり
家人得集歡無極 家人 集まり得たり 歓極まり無し
瑞氣東風已報春 瑞気 東風 已に春を報ず
元旦の朝、寒さの中、庭に早春の気配を感じました。
昨年末に久し振りに家族が全員、元気に集まることが出来ました。
作品番号 2022-28
歳晩作詩
鐘聲百八一閑翁 鐘声 百八 一閑翁
寂寂三更小雪中 寂寂 三更 小雪の中
禿筆今宵燈下坐 禿筆 今宵 燈下に坐す
匆匆餞歳待春風 匆匆 餞歳 春風を待つ
作品番号 2022-29
新年作
瑞氣將生旭日新 瑞気 将に生ず 旭日新なり
山川草木入佳辰 山川 草木 佳辰に入る
昇平萬里恩波洽 昇平 万里 恩波洽し
梅信今朝天地春 梅信 今朝 天地の春
作品番号 2022-30
新年偶感
剪剪輕風鳥語頻 池上 佳辰 鳥語頻なり
野池好日水光新 和風剪剪として 水光新なり
去年惡疫憂無限 去年 悪疫 憂ひ限り無し
唯願終焉滅苦辛 唯願ふ 終焉して 苦辛の滅するを
正月に近くの池を散歩したときに、今年こそは新型コロナウイルスが無くなって欲しいと願った。
作品番号 2022-31
新年口号
三元庭上瑞風巡 三元 庭上 瑞風巡り
淑氣春光寄四隣 淑気 春光 四隣に寄る
去歳任忙詞翰断 去歳 忙に任せて 詞翰断ゆ
今年把筆漢詩親 今年 筆を把って漢詩に親しまん
元日の朝、庭先で正月の淑気の中、今年こそは漢詩を多く作りたいと思った。