2021年の新年漢詩 第61作は ニャース さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-61

  立春        

東風尚未吹、   東風は尚未だ吹かざるに、

先発一梅枝、   先ず発す 一梅の枝、

春意寒中有、   春意 寒中に有り、

問妻此早遅。   妻に問ふ 此の早遅を。

          (上平声「四支」の押韻)


    
























 2021年の新年漢詩 第62作は 瓊泉 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-62

  早春出遊        

江村處處雪消時   江村処処 雪消ゆる時

疎影斜映野池   疎影斜 野池に映ず

駐杖憐梅橋畔徑   杖を駐めて梅を憐れむ 橋畔の径

潺湲聲裡聽黃鸝   潺湲聲裡 黄鸝を聴く

          (上平声「四支」の押韻)


 いつもより一日早く立春を迎えて、何だか得をしたような気がしているのは私だけでしょうか。
 でも、暦の上では冬が終わり希望の春を迎えたのに、コロナはなかなか去ってくれません。
 余程居心地が良いのでしょうか。全く迷惑な、招かれざる客です。
 たまには郊外にお出掛けして、マスクをはずして思いっきり深呼吸して見ましょう!   

























 2021年の新年漢詩 第63作は 瓊泉 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-63

  尋梅        

春寒料峭戀花時   春寒料峭として 花を恋うる時

尋到園林冷透肌   尋ね到る園林 冷肌に透る

黄鳥啼中香暗動   黄鳥啼中 香暗に動き

早梅綴玉兩三枝   早梅玉を綴る 両三枝

          (上平声「四支」の押韻)


    
























 2021年の新年漢詩 第64作は 観水 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-64

  立春閑詠        

東風合解凍   東風 合に凍を解くべし

本日好傾卮   本日 卮を傾くるに好し

疫鬼遁逃處   疫鬼 遁逃の処

~來訪時   福神 来訪の時

天晴春藹藹   天晴れて 春藹藹

氣淑笑怡怡   気淑く 笑ひ怡怡

鶯語猶難滑   鶯語 猶ほ滑らかなり難し

可憐同我詩   憐れむべし 我が詩と同じき

          (上平声「四支」の押韻)


 はるかぜが 氷をとかし
 ひと飲みに ちょうど好い日だ
 鬼どもは 逃げていったし
 福の神 かわりに来てる
 そら晴れて おだやかな春
 気もなごみ にこにこ笑う
 ウグイスは まだ鳴き下手だ
 わたくしの 詩と同じだね

























 2021年の新年漢詩 第65作は 観水 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-65

  立春有感        

帶雪老梅三兩枝   雪を帯ぶ老梅 三両枝

今朝猶未見清姿   今朝 猶ほ未だ清姿を見ず

可欣窓外日華麗   欣ぶべし 窓外 日華麗し

不恨庭前花信遲   恨まず 庭前 花信の遅きを

村酒香濃須酌婦   村酒 香りは濃やかにして 須らく婦(つま)に酌むべく

野蔬味美適分兒   野蔬 味は美(うま)くして 児に分つに適ふ

春還歳歳多相似   春の還るは 歳歳 相似たること多し

早晩好風過凍池   早晩 好風 凍池に過らん

          (上平声「四支」の押韻)


 幾年も経た梅の木の 雪をかぶった二、三えだ
 今朝のところは清らかな はなの姿は見えないが
 よろこばしいね窓の外 はるの日差しはうららかで
 うらむものかは庭さきの 花のたよりが遅くても
 お酒の香りは濃やかで 妻にもついであげようか
 野菜の味のおいしさは 子供に分けてやるによい
 まいとし春になるときは だいたい似たりよったりさ
 そのうち好い風吹きわたり 池のこおりもとかすだろう


























 2021年の新年漢詩 第66作は 鮟鱇 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-66

  等待立春        

人老凌寒酷,   人老いて寒を凌ぐは酷なるに,

冬長花信遲。   冬長く花信遅し。

傾杯温腹肚,   杯を傾けて腹肚(はら)を温め,

揮筆畫梅枝。   筆を揮ひて梅枝を画く。

          (上平声「四支」/中華新韻十三支の押韻)


 























 2021年の新年漢詩 第67作は 鮟鱇 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-67

  等待立春 其二        

窮冬醉筆潤金卮,   窮冬の醉筆 金卮に潤ひ,

試畫墨梅開硯池。   試みに画く 墨梅の硯池に開くを。

空想自由天煦暖,   空想は自由にして天 煦暖(あたた)かく,

花魁巾舞展香枝。   花魁 巾舞し香枝を展ばす。

          (上平声「四支」/中華新韻「十三支」の押韻)


 























 2021年の新年漢詩 第68作は 鮟鱇 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-68

  等待立春 其三        

老叟閉門徒作詩,   老叟 門を閉じて徒らに詩を作り,

新冠疫鬼跨年馳。   新冠疫鬼(新型コロナウイルス)年を跨いで馳す。

立春未暖人須待,   立春 未だ暖かならざるも人須く待つべし,

東帝掃除凶惡時。   東帝 凶惡なる時を掃除するを。

          (上平声「四支」/中華新韻「十三支」の押韻)


 























 2021年の新年漢詩 第69作は 鮟鱇 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-69

  等待神醫迎立春        

疫鬼横行騷叟疑,   疫鬼横行し騷叟は疑ふ,

立春東帝作神醫?   立春 東帝 神醫とならんやと?

閉門一載吟凡句,   門を閉ずること一載 凡句を吟じ,

揮筆無言戀酒旗。   筆を揮ひて言無く酒旗に恋す。

          (上平声「四支」/中華新韻「十二斉」の押韻)


 























 2021年の新年漢詩 第70作は 鮟鱇 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-70

  等待立春 其四        

不見如風疫鬼追,   見えざること風の如く疫鬼は追ふ,

老翁餐館醉伸眉。   老翁の餐館に酔いて眉を伸ばすを。

閉門一歳蟄蟲願,   門を閉ずること一歳 蟄蟲は願ふ,

東帝憐人清四垂。   東帝 人を憐れみて四垂(周囲)を清むるを。

          (上平声「四支」/中華新韻「五微」の押韻)


 























 2021年の新年漢詩 第71作は 鮟鱇 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-71

  等待立春 其五        

寒夜揮毫想,   寒夜 毫(ふで)を揮ひて想ふ,

尋梅遶硯池。   梅を尋ねて硯池を遶るを。

雪君含玉蕾,   雪君 玉蕾を含み,

紅袖展春枝。   紅袖 春枝を展ばす。

肆目花魁美,   目を肆(ほしいまま)にすれば花魁 美しく,

舞巾香氣馳。   巾を舞はさば香気馳す。

旗亭買清酒,   旗亭に清酒を買ひ,

温肚醉吟時。   肚(はら)を温む 醉吟の時。

          (上平声「四支」/中華新韻「十三支」の押韻)


 























 2021年の新年漢詩 第72作は 鮟鱇 さんからの桐山堂詩会参加作品です。
 

作品番号 2021-72

  立春呵硯池        

白頭把筆潤金卮,   白頭 筆を把(と)りて金卮に潤し,

待望立春呵硯池。   立春を待ち望んで硯池を呵す。

夢想梅林天煦暖,   夢想す 梅林の天煦暖(あたたか)く,

少沽霞館酒珍滋。   少しく沽(か)ふ 霞館の酒の珍滋なるを。

雪君破蕾如巾舞,   雪君の破りし蕾 巾舞の如く,

紅袖陪人構藻思。   紅袖の陪せし人 藻思を構ふ。

押韻唐風擅平仄,   押韻は唐風 平仄を擅(ほしいまま)にし,

笑佯鶯鳥喜吟詩。   笑みて鶯鳥の佯(ふり)をし詩を喜び吟ず。

          (上平声「四支」/中華新韻十三支)


 























 2021年の新年漢詩 第73作は桐山堂刈谷の 老遊 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-73

  令和三年新春作        

街上春裝口罩時   街上 春装 口罩の時

門前松竹蕾梅枝   門前の松竹 蕾梅の枝

擇抓七菜正人日   択び抓む 七菜 正に人日

偏願吹羹瑞氣披   偏に願ふ 羹を吹きて瑞気披くを

          (上平声「四支」の押韻)


 コロナ災禍の収束を願って作詩しました
























 2021年の新年漢詩 第74作は桐山堂刈谷の 美豊 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-74

  辛丑新春        

和氣瑞光梅一枝   和気 瑞光 梅一枝

新春韶景曉風吹   新春 韶景 暁風吹く

仰望村積山初日   仰望す 村積山の初日

平穩回歸祈念滋   平穏への回帰 祈念滋し

          (上平声「四支」の押韻)


 遠くに見える村積山の朝日を拝み、新春に平穏な日常を願う。(村積山は三河富士とも言います)
























 2021年の新年漢詩 第75作は桐山堂刈谷の 聖陽 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-75

  慶賀新詩        

嚶鳴啅啅歳朝枝   嚶鳴 啅啅 歳朝の枝

淑氣初陽瑞靄垂   淑気 初陽 瑞靄垂る

C唳羽儀仙鶴舞   清唳 羽儀 仙鶴の舞

親朋筆硯賦新詩   親朋 筆硯 新詩を賦す

          (上平声「四支」の押韻)


 新年の朝、友と仲良く語り合いながら漢詩を作りたいという願いを籠めて、鳥と自分を重ね、大らかな世界を表現しました。
























 2021年の新年漢詩 第76作は桐山堂刈谷の 小圃 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-76

  新年        

邨江浩汗雨餘滋   邨江 浩汗 雨余に滋す

水面嬌雲鮮艷姿   川面の嬌雲 鮮艶の姿

山里新年愉試筆   山里の新年 試筆を愉しむ

啼鶯窗外早梅枝   啼鶯 窓外 早梅の枝

          (上平声「四支」の押韻)


 離れて暮らす家族との再会もコロナウイルスでかなわず、例年とは違った正月でしたが、鳥鳴き、花咲く自然はいつも通りです。
























 2021年の新年漢詩 第77作は桐山堂刈谷の T ・ K さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-77

  辛丑年頭作        

乾坤平穩惠風吹   乾坤 平穏にして 恵風吹く

旭日正邪新歳時   旭日 邪を正す 新歳の時

和氣滿堂年始會   和気 堂に満つ 年始の会

親朋相集共吟詩   親朋 相集ひ 共に詩を吟ず

          (上平声「四支」の押韻)


 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中だからこそ、知人が一同に会して詩を吟じ、コロナ退治を願いたい希望を籠めて。
























 2021年の新年漢詩 第78作は桐山堂刈谷の Y ・ N さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-78

  新年        

和風佳氣早梅披   和風 佳気 早梅披く

萬戸春生迎歳時   万戸 春を生む 歳時を迎ふ

無恙吾身歡不盡   恙無き吾身 歓び尽きず

三朝椒酒入新詩   三朝の椒酒 新詩に入る

          (上平声「四支」の押韻)


 新年を恙無く迎えることができた喜びを、屠蘇の勢いを借りて漢詩の創作を始めた。
























 2021年の新年漢詩 第79作は桐山堂刈谷の 小禽 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-79

  迎春        

新春氣動早梅披   新春 気は動き 早梅披く

韶景啼鶯野水涯   韶景 啼鶯 野水の涯り

賀客佳肴天地好   賀客 佳肴 天地好し

一觴美酒東風吹   一觴 美酒 東風吹く

          (上平声「四支」の押韻)


    
























 2021年の新年漢詩 第80作は桐山堂刈谷の A ・ K さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-80

  新年作        

年華將逝朔風吹   年華 将に逝かんと 朔風が吹く

橙熟C香春告時   橙熟し 清く香り 春を告ぐる時

歳旦肅然忘老耄   歳旦 肅然 老耄を忘る

梅花綻蕾感懷滋   梅花 蕾を綻ばせ 感懐滋し

          (上平声「四支」の押韻)


    
























 2021年の新年漢詩 第81作は桐山堂刈谷の 汀華 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-81

  新歳祝父母卒壽        

新歳朝陽映雪枝   新歳の朝陽 雪に映ずるの枝

雙親健在九旬期   双親 健在 九旬の期

宴酣祝酒眞C福   宴酣の祝酒 真に清福

春氣融融誕節煕   春気融融たり 誕節煕(やわら)ぐ

          (上平声「四支」の押韻)


 母は正月二日が誕生日のため、毎年皆で集まって祝います。
 同い年の両親が、いつまでも健やかで楽しく過ごせますように。

























 2021年の新年漢詩 第82作は桐山堂刈谷の 游山 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-82

  籠居迎春        

憂惶感染使人悲   憂惶 感染 人をして悲しましむ

早早終焉祈願時   早早の終焉 祈願の時

辛丑正朝無賀客   辛丑 正朝 賀客無く

新鶯來哢早梅枝   新鶯 来たり哢る 雪梅の枝

          (上平声「四支」の押韻)


 コロナ感染の終息を願う。
 年始客は無いが、庭先に鶯が哢り、白い雪は清らかな明るい世にしてくれるでしょう。

























 2021年の新年漢詩 第83作は 忍冬 さんからの桐山堂詩会参加作品作品です。
 

作品番号 2021-83

  立春        

海門春淺暮帆遲   海門春浅く 暮帆遅し

水驛日斜梅樹陂   水駅日は斜めに 梅樹の陂

暗戀美人眠未醒   暗に美人を恋えども 眠りより未だ醒めず

傍枝閉眼夢瓊姿   枝の傍らにて目を閉じ 瓊姿を夢みるなり

          (上平声「四支」の押韻)


 関門海峡は景色は美しいのですが、冬から春にかけて風が強く、かなり肌寒いです。
 寺社も花木も多い歴史地区です。
 春の盛りが待たれる気分を懐かしみ描きました。