作品番号 2016-31
新年偶成
元朝旭日染霜天 元朝 旭日 霜天を染む
一穂燈明供佛前 一穂の燈明 佛前に供ふ
自問平生無悔否 自問す 平生悔い無きや否や
思此思彼迎新年 此を思ひ彼を思ひ 新年を迎ふ
※こちらの詩は年賀状としていただきました。
作品番号 2016-32
迎春
七十五齡春又回 七十五齢 春又回る
人生無恙笑顔開 人生恙無く 笑顔開く
平成猿歳三元首 平成の猿歳 三元の首
無病息災謹乾杯 無病息災 謹んで乾杯
※こちらの詩は年賀状としていただきました。
作品番号 2016-33
謹賀新年
一陽動後一旬餘,
新歳週期自此初.
瑞氣滿堂皆享福,
今年身數大通諸!
作品番号 2016-34
迎春所懷
讀史觀今遠俗塵
誦詩翫古去時新
九層樓上小庵裡
老健迎來八紀春
作品番号 2016-35
丙申新年有懐
改暦廟前祈福神 改暦の廟前 福神に祈り
偏営吟社説詩人 偏に吟社を営まんと 詩を説くの人
鮮明旗幟募同志 旗幟を鮮明にして 同志を募り
難路相携欲楽春 難路 相携へて 春を楽しまんと欲す
作品番号 2016-36
丙申偶感
過得一年衰老身 過ごし得たり一年 衰老の身
好奇猶有道相親 好奇猶ほ有り 道に相親しむ
多端世事二三味 多端の世事 二三の味
迂曲冥途愉丙申 冥途を迂曲して 丙申を愉しまん
※こちらの詩は年賀状としていただきました。
作品番号 2016-37
喜迎新春 其一
涌出初光天地暄 初光涌出して 天地暄
新禧交款笑聲喧 新禧の交款 笑声喧
升陽氣勢身心活 升陽の気勢 心身に活
更歩一年無二尊 更に歩む一年 二つ無く尊し
間もなく86歳、若いころ、いや退職時にも、考え及ばなかった長寿に恵まれ、日々余生を楽しんでいます。
ここまで来たからには米寿にも届くかなと淡い期待をもって、大切に生きたいもの。
作品番号 2016-38
喜迎新春 其二
三不有名神厩猿 三不で名あり 神厩の猿
一心養育絶紛煩 一心の養育 紛煩を絶つ
丙申世事多端歳 丙申の世事 多端の歳
耳目更新而好言 耳目更新し而して好言を
頂いた賀状に三不の猿がニ三あっての感想。
日光東照宮神厩の猿、八面の2、子育てにわき目も振らずというところか。
丙申 炳若日星、神清気爽の歳、よく見よく聞き、そしてよき発言を!
作品番号 2016-39
新年書懷
丙申改暦入佳辰 丙申改暦 佳辰に入る
恙無平穏立志春 恙無く平穏 立志の春
景物心情案清句 景物 心情 清句を案じ
推敲日日韻文親 推敲 日日 韻文親しむ
※こちらの詩は年賀状としていただきました。
作品番号 2016-40
新年偶成
兩兒迎歳轉諠囂 両児歳を迎えて転た諠囂
笑破寒風走且跳 寒風を笑破して走り且つ跳ぶ
獨覓清閑遁書院 独り清閑を覓めて書院に遁る
良人煮茗詠詩邀 良人の茗を煮るは詩を詠じて邀えん
新年早々息子たち いつにも増してやかましい
冷たい風もものかはと とび跳ねるやら走るやら
しずかな場所はないものか ひとり書斎に逃げ込んだ
お茶の支度ができたなら この詩で妻に言い訳だ
作品番号 2016-41
新年作
六十有餘又遇春 六十有餘 又春に遇ふ
埜人書學尚延伸 埜人 書學 尚延伸
當今應拓一生面 当今 応に一生面を拓く
翰墨氣炎邀歳新 翰墨 気炎 歳新を邀ふ
作品番号 2016-42
喜迎新年 五言絶句 其一
夢醒延龜壽, 夢醒めて亀寿を延ばせば,
新年涌酒樽。 新年 酒樽に涌く。
屠蘇催却老, 屠蘇 老いを却(しりぞ)くるを催して,
呵筆鼓詩魂。 筆を呵し詩魂を鼓す。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-43
喜迎新年 五言絶句 其二
夫婦祝三元, 夫婦 三元を祝ひ,
傾杯樂贅言。 杯を傾け贅言を楽しむ。
醺然借紅臉, 醺然として借る紅臉(赤い顔),
吟詠似啼猿。 吟詠すれば啼猿に似る。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-44
喜迎新年 五言律詩 其一
曙光臨萬戸, 曙光 万戸に臨み,
正月叩千門。 正月 千門を叩く。
樗叟延年壽, 樗叟 年壽を延ばし,
荊妻勸玉尊。 荊妻 玉尊(酒)を勧む。
屠蘇染頭臉, 屠蘇 頭臉(かお)を染めれば,
靈感涌詩魂。 霊感 詩魂に涌く。
得意磨香墨, 意を得て香る墨を磨き,
將揮醉筆奔。 将に揮はんとす 酔筆の奔るを。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-45
喜迎新年 五言律詩 其二
日照含春意, 日は照って春意を含み,
東窗家雀喧。 東窓に家雀(すずめ)喧なり。
延年臨百歳, 年を延ばして百歳に臨み,
傾酒祝三元。 酒を傾け三元を祝ふ。
眼底山妻笑, 眼底に山妻笑ひ,
口頭詩句翻。 口頭に詩句翻る。
醉佯仙走筆, 醉って仙の佯(ふり)をし筆を走らせば,
臉色似啼猿。 臉色(顔色)啼猿に似る。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-46
喜迎新年 七言絶句 其一
樗翁夢醒謝天恩, 樗翁 夢醒めて天恩に謝し,
延壽一年傾酒温。 寿を延ばすこと一年 酒の温かきを傾く。
山妻含笑酌清聖, 山妻 笑みを含んで清聖(清酒)を酌し,
游目時鐘待外孫。 目を時鐘(時計)に游ばせて外孫を待つ。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-47
喜迎新年 七言絶句 其二
老迷詩路作啼猿, 老いて詩路に迷ひ啼猿となり,
露宿風餐夢樂園。 露宿風餐 樂園を夢にみる。
雪裡迎春繆斯遠, 雪裡 春を迎へるも繆斯(ミューズ)の遠ければ,
將施方術得車轅。 將に方術を施し車轅を得んとす。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-48
喜迎新年 七言律詩 其一
日照東窗天欲暄, 日は東窓を照らして天 暄ならんと欲し,
荊妻勸盞伴蘭言。 荊妻 盞を勧むるに蘭言を伴ふ。
笑傾祝酒白於雪, 笑って傾くる祝酒 雪よりも白(きよ)く,
暫借醉顔紅似猿。 暫く借るる酔顔 猿に似て紅(あか)し。
喜擅閑情帶靈感, 喜びほしいままにせる閑情 霊感を帯び,
恍如新歳涌詞源。 恍如として新歳 詞源に涌く。
硯池解凍堪裁賦, 硯池 解凍して賦を裁するに堪へ,
筆底墨花開樂園。 筆底の墨花 樂園に開く。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-49
喜迎新年 七言律詩 其二
早起迎春延鶴壽, 早起して春を迎え鶴壽を延ばし,
笑傾椒酒謝天恩。 笑って椒酒を傾け天恩に感謝す。
年年身老難牛飲, 年年 身は老いて牛飲するは難く,
歳歳杯飛如駿奔。 歳歳 杯は飛んで駿の奔るごとし。
醉枕閑肱眠白晝, 醉って枕とせる閑肱 白晝に眠り,
勝遊香夢醒黄昏。 勝遊せる香夢 黄昏に醒む。
夕霞如扇張開處, 夕霞 扇のごとく張り開くところ,
眼底荊妻哂忘魂。 眼底に荊妻 魂を忘れしを哂ひをり。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-50
感人生七十三年春
病魔隠退新年迎 病魔隠退 新年迎へり
歯目形躯老病盛 歯に目身体と老病盛んなり
平穏人生善無事 平穏なる人生 無事を喜び
半分自得謝心生 半分自得して謝心で生きるなり
作品番号 2016-51
啓泰平
曙光滄海東 曙光 滄海の東
萬戸盡春風 万戸 尽く春風
應見泰平幸 応に泰平の幸なるを見るべし
一天淑氣充 一天 淑氣充つ
作品番号 2016-52
新年
春来喜溢故人同 春来たって 喜び溢れ 故人同じ
携酒吟詩微酔中 酒携へて 詩を吟じ 微酔の中
日漏風軽微欲暖 日漏れ 風軽く 纔かに暖ならんと欲す
窓含百畝願年豊 窓は含み 百畝 年豊を願ふ
年が明け、寒さが少し緩みウキウして友人と一杯飲んでいる様子を描いてみました。
作品番号 2016-53
丙申元旦感懷(一)
霽月寒曦籠重軒,
生肖輪轉到金猿。
元辰最是歡欣日,
但求五洲共泰安。
作品番号 2016-54
丙申元旦感懷(二)
霽雪銀鉤子夜寒,
鐘鳴裊裊蕩三元。
迎新歳歳香醪醉,
聊忘朝朝菜米鹽。
作品番号 2016-55
丙申元旦感懷(三)
霽月寒更不欲眠,
紅燭冴オ待新猿。
金烏玉兔流年轉,
不覺匆匆鬢角斑。
作品番号 2016-56
丙申元旦感懷(四)
少壯不諳世事難,
無為碌碌逐塵縁。
流年度得青陽皺,
聊借殘暉慢促弦
作品番号 2016-57
喜迎新春
開暦乾無極 開暦 乾に極みなく
曈曈豊壌坤 曈曈たり 豊壌の坤
椒觴迎賀客 椒觴 賀客を迎ふ
萬戸遍天恩 万戸 天恩遍く
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-58
丙申新春即事
七四新正天気暄 七四の新正 天気暄(あたた)かく
春風満野及荒園 春風 野に満ちて 荒園に及ぶ
病腰妨意難郊歩 病腰 意を妨げて 郊歩すること難く
炙背南廊傾一樽 南廊に炙背して 一樽を傾く
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-59
喜迎新春 一
迎新家宴酌金樽 迎新 家宴 金樽を酌み、
相笑酔顔如野猿 相笑へば 酔顔 野猿の如し。
愚昧半生罹小病 愚昧なる半生 小病にかかり、
啓蒙聊従養生言 蒙を啓き 聊か従ふ 養生の言。
糖尿病を患い、今年は酒を控え健康に気をつけようと思っています。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。
作品番号 2016-60
喜迎新春 二
新春多客入山門 新春 多客 山門に入り、
却識淨林塵世煩 却って識る 浄林に塵世の煩。
拂拭邪心臨佛像 邪心を払拭して 仏像に臨めば、
萬人祈念是皆尊 万人の 祈念は皆尊し。
初詣では、毎年人の多さに圧倒されます。皆どのような祈りをささげているのでしょうか。
※こちらの作品は世界漢詩同好會への参加詩にもなります。